ダクト
通気孔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 03:19 UTC 版)
王の間と女王の間には、それぞれ南北に20cm角ほどの通気孔と呼ばれる細い斜坑がある。このような通気孔を有するのは大ピラミッドのみである。 王の間の通気孔は床から90cm程度の高さにあけられ、北側は31度、南側は45度である。現在、王の間の通気孔は外部まで通じているが、おそらく完成時には化粧石によって塞がれていたと考えられる。 女王の間の通気孔は元々塞がれていて壁と区別がつかなかったが、1872年にウェイマン・ディクソンが入口を発見して開いた。北側の通気孔は約1.9m水平に伸びた後37度28分の角度で昇り、南側は約2m水平に伸びたのちに38度28分の角度に延びている。こちらは大ピラミッドの外まで延びていない。1993年にルドルフ・ガンテンブリンクは女王の間の南側の通気孔をロボットで探索したが、65mほど進んだところで石の栓で塞がれていた。栓には2本の腐食した銅製のピンが埋め込まれていた。2002年にはザヒ・ハワスがロボットによる調査を行い、南側にも同じような石栓がある事が確認された。また、ディクソンは北側の通気孔の内部から遺物を採取している。この遺物は現在大英博物館に収蔵されているが、用途は不明である。 4つの通気孔はライナー・シュタデルマンとルドルフ・ガンテンブリンクによって、紀元前2450年頃の星に照準が合わせられていることが明らかになった。それによれば、王の間の南はオリオン座の帯のアルニタク、王の間の北は竜座のα星ツバン、女王の間の南はシリウス、女王の間の北はこぐま座のベータ星のコカブに向かっている。彼らの仮説では、一般的なピラミッドにおいて地下に設けられている玄室から入口への上昇通路は王の魂が空へ昇るための通路も兼ねているが、大ピラミッドでは入口より高い位置に王の間と女王の間があるため、別途に設けられた魂が昇るための通路だとしており、最も有力視されている。 王の間の北側の通気孔 通気孔から採取された遺物
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