横綱免許とは? わかりやすく解説

横綱免許

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 08:23 UTC 版)

横綱」の記事における「横綱免許」の解説

元々横綱という言葉谷風梶之助小野川喜三郎以前にもあったとされるが、吉田司家谷風小野川与えたスタイル横綱何をベースにしたのか、いまだにはっきりしていない。江戸初期の頃、邸宅立て時の地鎮祭当時大関2人呼び地面たくさんの綱を張った中で四股を踏ませた。このお祓いの地踏み参加する資格与えられることを「横綱之伝」と言ったとされるが、これが歴史的事実であるかどうか極めて疑わしいとされている。腰に巻いた綱は寛政から50年ほど前に大坂相撲強豪力士の間で黒と白ツートンカラーの太い綱を巻くブームがありそれを応用したとする指摘もあるが、この白黒の綱には四手も垂らされておらず、1人土俵入り行ったわけでもないので、化粧まわし装飾品だったと考える方が自然である。 1789年寛政元年11月江戸相撲の司家であった吉田司家谷風小野川横綱授与したのが、横綱免許の始めとされる(なお、代数前述陣幕によって定められたものが、相撲協会によって公認された)。吉田司家以外にも横綱免許を出したところは数多く存在したが、吉田司家文政年間1818年文政元年) - 1830年天保元年))に主君である熊本藩主細川家の威を背景として京都五条家との免許争い勝利する。これにより吉田司家による横綱免許の授与制度化され、江戸相撲では吉田司家免許を持つ者が正式な横綱として認められるようになった。 横綱免許は明石志賀之助最初とする説あり(江戸勧進相撲記録あるようなので横綱免許は間違いない明石以前にも横綱がいる可能性がある。)協会公認3代丸山権太左衛門協会公認2代綾川五郎次は実は逆の順番であるとする説もあり、一時期読売大相撲』誌ではそれに基づいた横綱一覧掲出していた。 吉田司家明治初期西南戦争連座して一時期権威を失うが、1884年明治17年2月免許受けた第15代横綱初代梅ヶ谷吉田司家免許希望し復権する。大坂相撲にも吉田司家免許を持つ公認横綱が4人存在する。 現在では吉田司家以外の免許を持つ力士は後に吉田司家追認受けた力士を除くと、歴代横綱として認められていない。ただし、京都相撲の礒風音治郎は正式な番付への掲載がなく(1883年明治16年1月番付外幕内格、5月客席三役格)、免許巡業専用であった解釈されているため追認されていない吉田司家の横綱免許を歴代横綱としている現在、吉田司家免許記録がある以上、本来追認するのが妥当であるとされる実力はかなり弱いと記述有り)。また、朝汐太郎大関陥落後長年功績によって吉田司家から1日限定の横綱免許を与えられているがこれも歴代横綱数えられていない吉田司家以外の免許土俵入り行った力士中には吉田司家遠慮して綱の色(黄色多かったという)を変えたり吉田司家地元熊本では土俵入りを行わなかったりする者もいた。吉田司家以外から横綱免許の話を持ち掛けられたが断った力士存在する後述通り、横綱免許を巡る事件幾つか発生している。以降、第40代横綱東富士までの横綱は、吉田司家行われる本免許授与式免許授与され奉納土俵入りを行うことが通例であった。 しかし、1950年昭和25年)に横綱濫造指摘され日本相撲協会横綱権威を保つために、横綱免許の家元である吉田司家ではなく相撲造詣が深い有識者横綱推挙してもらうことを目的として横綱審議委員会横審)を発足させたことで、1951年昭和26年5月場所後の第41横綱千代の山以降吉田司家横綱本免許授与式廃止となり行われていない。 慣例として、九州巡業11月場所九州場所前に新横綱熊本市吉田司家表敬訪問し、土俵入り披露する慣わし踏襲されたが、司家の経済問題による日本相撲協会との絶縁により、1986年昭和61年)に昇進した60代横綱双羽黒以降横綱事実上廃止となり、これを行っていない。 横綱世襲表現のように何代目歴代横綱)と呼ぶのは、明治期より流行った呼び方のようで正し日本語表現とはいえないと、彦山光三唱え何人目(歴次横綱)と呼ぶべきだと主張し読売系の一部マスコミファン好んでこの表現使っている。 ただし、協会公認横綱一覧や、相撲博物館展示では、何代目表示がされているので、本項目はそれに従う。

※この「横綱免許」の解説は、「横綱」の解説の一部です。
「横綱免許」を含む「横綱」の記事については、「横綱」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「横綱免許」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「横綱免許」の関連用語

横綱免許のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



横綱免許のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの横綱 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS