材料、製法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 08:07 UTC 版)
パン・デピスはクッキーに近いものとケーキに近いものに分けられる。小麦粉と卵黄を使うもの、ライ麦粉(もしくはライ麦粉と小麦粉の混合粉)を使うものの2種類が存在し、バターは使われない。ディジョンのパン・デピスには小麦粉と卵黄が、ランスのパン・デピスにはライ麦粉が使われる。その名の通りシナモン、ナツメグ、アニス、クローブなどの香辛料と、多量の蜂蜜が風味をつけるために使われる。また、砂糖漬けにした果物が入れられる場合もある。1694年に刊行された『アカデミー・フランセーズ辞典』では「ライ麦粉、蜂蜜、香辛料で作られるケーキ」と定義されている。ショウガの風味が好まれるイギリスでは、パン・デピスはジンジャーブレッドとして親しまれている。 パン・デピスの生地作りのためには、小麦粉と蜂蜜(あるいは甘味料)を混ぜた種を乾燥した冷所で一か月ほど寝かせる必要がある。熟成させた生地にベーキングパウダーと香辛料、香草を加えて成形し、表面に艶出しの牛乳と卵黄を塗って焼き上げて完成となる。基本的な形は円、もしくは四角であるが、動物などを模した焼型が使われることもある。 パン・デピスは料理の食材にもなり、特にビールを使った料理のとろみ付けに使われることが多い。
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