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しょうてん 0 【昇天】

(名)スル

(1)天にのぼること。
「竜が―する」
(2)死去すること。
「昇天」に似た言葉
  死亡



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昇天

★1.人間が、仙人となって昇天する。

神仙伝巻7「樊夫人」  劉網とその妻・樊夫人は、ともに仙術修行励み、しばしば術くらべをしたが、いつも樊夫人が勝った。昇天する時も、劉網は大木によじ登って、ようやく飛び上がることができたが、樊夫人平座したままのごとく昇天していった。

仙人芥川龍之介)  田舎者権助仙人になろうとして医者の家で二十年間ただ働きをする。医者女房が「仙術伝授しよう」と言って権助を高いに登らせ、「両手を離せ」と命ずる。離せば落ちて死ぬし、離さなければもう二十年働かせようと、女房たくらんでいた。権助両手離す身体が宙に浮き権助は「仙人になれました」と礼を述べ、の中へ昇って行った。

捜神記1-27  済陰の人園客は終生独身で、五色香草の種をまき、その実を食べていた。ある時、五色が来てを生み、ついで神女が来て園客を助け養蚕仕事をした。多くの糸を繰り終えた後、神女は園客とともに天上舞い上がり行方知れずになった。

日本霊異記上-13  漆部造麿の妾は七人の子産み育てたが、高雅性質の女で、つつましく暮らしていた。ある時、彼女は春の野仙草を食べ、天に飛んで行った〔*今昔物語集巻20-42に類話〕。

*昇天に失敗して、谷底落ちる→〔飛行1bの『十訓抄』第7-1

★2.が龍となって昇天する。

南総里見八犬伝第9輯巻之1314116117回  雌乳母政木に変身して、河孝嗣を育てた。その後、政木不忍池のほとりで茶店老婆の姿になり、情死ようとする男女困窮して投身ようとする者など、往来の人九百九十九人の命を助けた。千人目には、無実の罪処刑される河孝嗣を救った。こうした長年陰徳により、政木天帝の恩勅を受け、龍(こりゅう)となって昇天した。

*龍が昇天する→〔絵〕1bの『衡記』・〔言霊5aの『龍』(芥川龍之介)・〔龍〕3の『史記』「孝武本紀」第12・「封禅書」第6。

★3.神の国(あるいは死の世界)へ引き上げられる

ギリシア神話アポロドロス)第2巻第7章  ヘラクレスヒュドラ)の毒で倒れ火葬にされた。火葬壇が燃えている間に、ヘラクレス身体の下に降りて来て、雷鳴とともに彼を天へ運び上げた。ヘラクレス天界不死を得た〔*変身物語オヴィディウス)巻9では、ヘラクレス身体のうち、母から受け継いだ部分燃えるが、父ユピテルから受け継いだ部分不滅であり、その不滅部分が天に上げられた、と記す〕。

さまよえるオランダ人ワーグナー)第3幕  さまよえるオランダ人幽霊船に乗って去り、ゼンタは永遠の愛を誓って海に身を投げる幽霊船波間沈み朝日の光の中にオランダ人とゼンタが相抱きつつ昇天してゆく。

椿説弓張月残篇巻之5第67回  琉球平定した為朝八頭山に登ると、福禄寿仙が出迎え「汝はこの国にとどまるべからず息子舜天丸を琉球王とせよ」と告げる。折しも紫雲たなびき、為朝の弟為仲・妻白縫をはじめ二十七騎の勇士現れ為朝雲の上引き上げられて昇天する〔*後、讃岐国白峰山陵で切腹した為朝身体が見出され、その死骸消え失せる〕。

百年の孤独ガルシア=マルケス)  ブエンディーア家の美貌の娘レメディオスは、彼女を得ようとする何人もの男たちに死の運命をもたらした。ある日の午後、庭にいたレメディオスは宙に浮き上がりそのまま空の彼方に消えた。

列王記下・第2章  預言者エリヤ後継者エリシャ話し合いつつ歩いていた時、火の戦車火の馬に引かれて現れ二人の間を隔てた。エリヤは嵐の中を天に昇って行った。エリシャは「我が父よ・・・・」と叫んだが、もうエリヤの姿は見えなかった。

★4a.月世界に昇天する。

竹取物語  八月十五夜の子の刻頃に、月の都天人たちが、かぐや姫迎えに来る。かぐや姫天の羽衣を着て車に乗り百人ほどの天人たちとともに天へ昇る。

★4b.魂だけが月世界に昇り、身体地上に残る。

『Kの昇天』梶井基次郎)  満月の夜病身のKが砂浜に映る自分の影を見つめると、影の中に自分の姿があらわれてくる。それにつれてKは段々気持ちはるかになり、魂が月に向かって昇天してゆく。魂の抜けたKの身体は、一歩一歩海へ歩み入る。その時身体感覚がよみがえれば魂は身体に還ったのだが、そうはならなかった。Kは溺死体として発見され、魂は月へ飛翔し去った。

★5.宇宙空間へ昇り、また地上帰還する

神曲ダンテ)「天国篇」第1~21歌  「私(ダンテ)」は地獄煉獄を巡った後に、煉獄山頂に登って地上楽園ベアトリーチェ出会うベアトリーチェに導かれて「私」は肉体を有したまま昇天し、月天水星天・金星天・太陽天・火星天・木星天・土星天を訪れる。それぞれの天に住む死者の魂たちから、「私」は教えを受ける。「私」はさらに、聖者天使・神の居場所である恒星天原動天・至高天まで昇る〔*「私」は地上帰還した後、この経験を『神曲』として記録する〕。

*馬娘の昇天→〔馬〕1の『遠野物語』(柳田国男69

の昇天→〔17の『常陸国風土記那賀郡・『耳袋』巻之2「を養ひし人の事」。



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昇天

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/11/26 05:32 UTC 版)

昇天(しょうてん)




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