日本の島の数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 18:30 UTC 版)
国際的にはオーストラリア大陸より小さな陸地を「島」と扱うのが一般的であり、日本の領土はすべて「島」から構成されているということになる。しかし「水域に囲まれた陸地」という観点では「大陸」と「島」とのあいだには相対的な大小の関係しかない。日本国内ではこれと同様に、北海道・本州・四国・九州、場合によってこれに沖縄本島を加えた4島ないし5島を「本土」と扱い、一般的には「島」をつけては呼ばない。このため日本の島の数を数える際に、この「本土」を数に入れない場合もある。 日本語では「水域に囲まれた小さな陸地」を意味する表現として「島」のほか、「岩」「瀬」「嶼」「山」「鼻」「礁」「丸」「根」「碆」「石」などの語がある。海洋法に関する国際連合条約では、「自然に形成された陸地」で「高潮時も水面上にある」ものを「島」と定義しており、面積の大小は問われない。このため日本では「島」の総数の把握は困難である。 1946年(昭和21年)に初めて「日本の島の総数」が公的機関から発表された。これはGHQの指揮のもとで海上保安庁が調べたもので、外海で1,025、内海と港湾内の島を含めると2,394余りとされた。その後、トカラ列島、奄美群島、小笠原諸島や沖縄の返還に伴って数は増え、1969年(昭和44年)までに「3,922」となり、この数値は1989年(平成元年)まで政府の公式見解として用いられてきた。ただしこの3,922という数の内訳は示されなかったために、具体的にどのような基準で、どの島を数えているのかは不詳だった。 たとえば、1973年(昭和48年)に西之島の600メートル沖合の海底噴火によって「西之島新島」が誕生した際も、「3,922」という総数は変更されなかった。 1987年(昭和62年)に、海上保安庁が新たに日本の島嶼の総数を「6,852」と発表した。これは海上保安庁水路部が、最大縮尺海図や、2.5万分1の地形図を使用し、「周囲0.1km以上の陸地」を数え、『海上保安の現況』で記載したものである。1989年(平成元年)に政府はこの6,852を公式な「日本の島嶼の総数」として変更した。これは総務省統計局の『日本統計年鑑』に「国土構成島数」として記載されたものである。この際に「県別の総数」と「瀬戸内海の島嶼数」だけが発表され、個々の島の位置、名称、大きさなどは非公表のため、その基準や具体的な内訳などは不明である。また、これはあくまでも「周囲0.1km以上」などの基準で選抜されたものの数に過ぎず、島そのもの正式な定義というわけではない。 6,852島のうち面積が1km2以上のものは323あるとされる。国土地理院が毎年発表する全国の自治体別面積調査のなかで別枠で掲載しているが、その中には湖沼中の島も含まれている(参考文献の「全国都道府県市区町村別面積調 島面積」)。その面積は埋め立てや掘削などで毎年変動しているが、特に平成25年度(2013年度)と平成26年度(2014年)の間ではその差が大きい。これは両年度のあいだに面積の算出方法が変更されたことによるもので、平成25年度(2013年度)までは1988年(昭和63年)に地形図上で測定されたものに毎年の埋め立て分を加算して算出していたが、平成26年度(2014年度)からは電子国土基本図による測定値に変わっている。 これらとは別に、1982年(昭和57年)に財団法人日本離島センターが独自に島を数え直し、「4,917」島と発表した。この際の基準は、国土地理院が発行する5万分1地形図及び20万分1地勢図において、「島」「岩」「瀬」「根」「礁」などの固有名詞が示されているものを、島の規模に関わりなく数えたものである。これは実際の島と島数を対照させて把握できる日本で初めての総合資料である。さらにこの資料では面積1km2に満たない島も、面積などの諸元が掲載されている。ただしこの調査方法では、名称が記載された小さな島があって、その隣の大きな島に名前が掲載されていなければ、その大きな島は数には加えられないため、実際に存在する島の数とは一致しない。 このように、「3,922」「6,852」「4,917」が「日本の島の総数」として用いられた数字であるが、場合によってはこれらから「本土」の4ないし5を差し引いた数字が用いられる場合もある。
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