新潟県室谷洞窟遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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新潟県室谷洞窟遺跡出土品

主名称: 新潟県室谷洞窟遺跡出土品
指定番号 539
枝番 00
指定年月日 2000.12.04(平成12.12.04)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、史跡室谷洞窟遺跡から出土した縄文時代初頭前期資料一括である。
 遺跡は、新潟県東部東蒲原郡川上村福島県会津地域接す山岳地帯所在する地理的に猪苗代湖源流とし、日本海流れ込む阿賀野川支流室谷川の上流に位置し標高二一メートル河川側方浸食により形成され洞窟内に、遺跡形成されている。
 調査は、新潟県内洞窟遺跡群研究の一環として昭和三十五年から三十七年長岡市立科学博物館によって実施された。
 洞窟は、入口幅七メートル、高さ三メートル奥行メートル規模で、調査面積は約五〇平方メートルである。洞窟内には、一五層に及ぶ遺物包含層堆積し縄文時代前期包含層からは、女性屈葬くっそう人骨一体も検出された。出土遺物は、最下第一五層六層より出土した縄文時代草創期属するもの(下層出土)と、第五層-第三層より出土した縄文時代早期前期属するもの(上層出土)に大別される
 出土遺物総数土器・石器などの人工遺物加えて、クマ・サルなどの獣骨など約二万点に及ぶが、本件このうち所属時期器種などが明確な資料一四〇二点である。下層出土遺物は、復元完形品五箇を含む土器三八三点石鏃せきぞく】・掻器【そうき】などの石器二一四点、針および研磨痕がある骨製品二点、上層出土遺物早期尖底土器、および前期埋葬され成人女性人骨頭部付近から出土した深鉢形土器を含む土器四三九点、石鏃石錐せきすい】などの石器三四一点針・刺突具【しとつぐ】などの骨角貝製品二三点で構成される
 このうち下層出土復元完形土器極めて薄造りで、底面隅丸方形呈し外面附加条【ふかじょう】や異条斜縄文いじょうしじょうもん】など、複雑な縄文施され大小深鉢形を呈する器形や、注口をもつ土器存在などもあり、器形変化に富む石器は、同じ室谷川流域、約六キロメートル下流にある史跡小瀬【こせ】ケ沢【さわ】洞窟遺跡出土品多く見られる尖頭器せんとうき】や石斧【せきふ】がほとんど姿を消し、掻器と不定形石器主流になる。
 また、上層出土土器は、関東地方分布中心を置く撚糸文系よりいともんけい土器や、沈線文系【ちんせんもんけい土器などが見られ、当洞窟遺跡長期わたって文化交流中継地として継続してきた事実物語る。
 以上、本件は、日本における縄文時代草創期の生活相を知る上で、および早・前期地域交流を知る上で極めて貴重な学術資料である。



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