人工遺物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/30 20:14 UTC 版)
石棺 遺跡から蓋の無くなった泥岩石製の石棺が露出しているのが見つかっている。佐藤はこれが茨城県西南部で多くある雲母片岩で造られた箱式石棺に類似している、としている。封土を有したかどうかは不明。 土器 A貝塚からは93片の土器片が、C貝塚からは貝層を含む部分から83片の土器片が、貝層外の部分から71片の土器片が出土しており、表面採集で7片の土器が採集されている。市毛はこれらを次の5群に分類し、比定できる土器形式を示した。 1群 柳崎貝塚が形成された後の縄文時代中期の阿玉台式土器に比定できる土器群。C貝塚の表土から10センチメールの層から出土している。 2群 貝塚が形成された縄文時代前期の関山式土器に比定できる縄文を有した土器群。多数出土している。 3群 条痕文を持った土器群で貝塚形成以前の土器群。形式により次の3類に細分類。 3群1類 条痕文に併せ隆起線や、口唇部に刻み目などが施された土器群。芽山下層式土器に比定。 3群2類 条痕文だけを持つ土器群で、2群と並び多数出土している。このうち、貝殻だけを施文具として条痕文を付けた土器の出土割合がほとんどで、他にはハケ目状のもの、素材不明のもの、複数の施文具を使って条痕文を付けた土器が出土している。貝殻条痕文を付けた後、これ一部磨り消しして、装飾効果を高めた土器も出土している。このような磨り消しを行う土器の特徴から芽山下層式土器に比定。 3群3類 絡条体で付けられた文様(絡条体圧痕文)を持つ土器群。常世2式土器に比定。 4群 刺突文、沈線文を有し、繊維を含まない土器群。貝塚形成以前の田戸下層式土器に比定。 5群 無文土器。これも形式で次の2類に細分類。 5群1類 土器の壁が厚めで、5群2類と比較し多量の繊維を含んでいる土器群。 5群2類 土器の壁が薄めで、繊維の含有は僅か、或いは全く無い土器群。 1979年の佐藤の論文ではA貝塚の貝層下から出土した繊維を含む貝殻条痕文、又は絡条体圧痕文を有する土器、及び無文の土器を南関東の子母口式土器に比定できる、との主張をしている。市毛は佐藤論文以後の日本考古学の知見から、絡条体圧痕文を有する土器は常世2式土器に、貝殻条痕文を有する土器を芽山下層式土器にそれぞれ比定する見解を示した。 石器 石器は以下が出土している。 A貝塚の貝層下の褐色土層より流紋岩製の磨石が2点出土。内1点は表裏面の一部に使用した痕跡があった。 C貝塚の貝層を含む地点の表土より50~93センチメートル下の層より、砂岩製の磨石出土。全面に使用痕があった。 骨角器等 骨角器2点、腹に刃を作り出し貝刃とした形跡があるハマグリ、シカの骨を磨いて作ったヤス(魚を突き刺して獲る漁具の一種)の先端部などが出土している。
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人工遺物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 22:09 UTC 版)
煮炊きのための土器のほか、石器は、狩猟道具の石鏃、漁網に取り付ける石錘、獣の肉を削ぐための石匙などが発見されている。
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