建造物の損傷や崩壊と火災
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 07:41 UTC 版)
強い揺れによって建物の柱組や壁が破壊され、建造物が損傷・崩壊し、中にいた人を埋めてしまう。調理や暖房に火を用いている時に建物が崩壊すると火災を引き起こす。 倒壊 建築物側の要因として、木造瓦葺き構造や古い耐震基準による建物(既存不適格)であったり、建設時点で耐震基準を満たしていない違法建築物は倒壊の危険性が高くなる。しかし、最新の耐震基準を満たしていても建築基準法の地域係数により強度基準が軽減された建築物では倒壊の危険性が高くなる。一方、新耐震基準を満たしていても複数回震度7程度の揺れが加わり倒壊した例が熊本地震において報告された。 日本国外の地震では、鉄筋や鉄骨構造を持たず「土を固めて乾燥しただけの日干し煉瓦」を積み上げた構造物が容易に倒壊している。 火災 関東大震災では、炊事用の火が火災の主原因であったが、阪神・淡路大震災では停電後の復電(通電)による電気火災が大きな原因であった。これは倒壊によって損傷した屋内配線が短絡した状態のまま停電が復旧し、短絡した配線が発熱して周辺の可燃物を発火させる現象で通電火災と呼ばれている。地震時の火災は消火が極めて困難。地震による火災の特徴を列記する。多数の個所で一斉に発生する。 水道管が破壊されて消火用水が供給できない。 崩壊した建物の破片が道路に重なり通行を阻害する。 停電による信号故障により道路の通行が混乱する。 これらによって消防署による消火活動が十分に実施できない。また津波により堆積した瓦礫はバクテリアの発酵熱が出火原因となり発熱・出火することがある。 大きな地震では多数の橋梁や高架道路・高架線路が破損や落下するため、交通網が寸断される。阪神・淡路大震災では、神戸市の大火災、山陽新幹線の高架の落下、高速道路の転倒等の被害を出し、現代社会の地震に対する弱点を明らかにした。
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