山梨県鋳物師屋遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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山梨県鋳物師屋遺跡出土品

主名称: 山梨県鋳物師屋遺跡出土品
指定番号 501
枝番 00
指定年月日 1995.06.15(平成7.06.15)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、鋳物師屋遺跡から出土した縄文時代中期前半資料一括である。
 遺跡は、甲府盆地西端櫛形山麓に形成され扇状地上、中巨摩郡櫛形町下市之瀬所在し、遥か東方甲府盆地隔てて、一、〇〇〇箇以上の土偶出土した釈迦堂遺跡遠望できる。調査平成四・五年にかけて、櫛形拠点工業団地造成先立つもので、面積一三〇〇〇平方メートル範囲から、縄文時代中期住居跡一三九軒平安時代住居跡一一二軒始めとする、各種遺構・遺物発見された。このなかで縄文時代中期遺物は、時期的に新道【あらみち】式期と藤内とうない】式期に限定され、ほぼ集落範囲全体調査されたこともあって、質量ともに纏まったものである
 本件は、この縄文時代中期土器類石器類および土偶耳飾等の土製品類の一括で、そのほとんどが竪穴住居跡内からの出土である。遺物は、ほぼ完形で出土した円錐形土偶一箇をはじめ、深鉢形を中心としたまった破損のない箇体を含む完形の土器類三〇箇、土偶残欠二二箇、土製耳飾一箇土製円盤一〇二箇と、石斧石鏃等の石器類四六箇で構成される
 このうち特に注目されるのは、第五十七住居跡壁際床面直上から出土した円錐形土偶である。本土偶は、高二五・五センチ、底径一三・一センチで、左肩と頭頂一部を欠くほかはほぼ完形で、当初欠けていた左腕主要部分近く包含層から出土した形態円錐形中空で、三本指の左手を胸に当て右手を腰からやや後にまわす。切れ長の目には赤彩が施され、太い眉、丸く開いた口印象的である。底部平坦に作られ長い間安置されていたためか、磨滅痕が著しい。胴部両側中央よりやや下と、底面中心には円孔がある。このような土偶は、「円錐形土偶」とよばれ、縄文時代中期前半に、中部地方から関東地方西部に数例が知られているが、これほど大形なものは他にない。また、本例は底面顕著な摩耗痕がのこること、遺存状態が極めてよく、その姿形全体把握できることも特筆される
 また、深鉢形土器には、胴部抽象的な人体文を飾る、有孔鍔付土器【ゆうこうつばつきどき】もある。
 鋳物師屋遺跡出土品は、通常、そのほとんどが破損した状態で出土する土偶が、ほぼ完形で、しかも住居跡内から出土したこと、人体文のある土器含め遺存状態の良好な遺物多数含むこと等、中部高地における縄文時代中期前半集落跡出土品組み合わせを見るために欠かせない資料であると共に当時精神文化を知るうえで高い学術的価値をもっている。



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