岐阜県中野山越遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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岐阜県中野山越遺跡出土品

主名称: 岐阜県中野山越遺跡出土品
指定番号 508
枝番 00
指定年月日 1996.06.27(平成8.06.27)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件中野山越遺跡から出土した縄文時代中期出土遺物である。
 中野山越遺跡岐阜県吉城郡古川町所在する高山市内を流れて日本海注ぎ込む宮川左岸で、段丘先端部、東向き斜面立地する段丘宮川川床から、比高二〇メートルを測り、標高は五〇〇から五〇六メートルである。
 中野山越遺跡は、昭和五十一年行われた桑園造成工事の際に発見された。工事の際に多量土器・石器類が出土したため、工事中止して昭和五十一から五十二年に第一次調査が、昭和五十三年第二次調査昭和五十四年に第三次調査が行われ、遺跡主要部分約二、〇〇〇平方メートル発掘された。調査結果三二棟の竪穴たてあな住居跡見つかった。これらは、すべて縄文時代所産で、その内訳は中期二八棟・後期三棟・晩期一棟である。
 本件は、このうち中期属す住居跡、あるいは遺物包含層から出土した土器・石器類等から、本遺跡の特徴をよく示す資料抽出したのであるその内訳は、深鉢形を中心とする土器類二九箇、土偶残欠四箇分、土製耳飾二箇、磨製石斧【ませいせきふ】・打製石斧【だせいせきふ】・石匙いしさじ】・石鏃せきぞく】・掻器【そうき】・石錐せきすい】等の石器類合計三一八箇石製装飾品八箇石棒一箇である。
 これらは、中部山岳地帯縄文時代中期典型的な遺物組み合わせである。石器組成も、石斧石鏃磨石【すりいし】・凹石【くばみいし】が多数占めるが、破損した磨製石斧を再加工して利用する形態や、石鎌のような粗製の掻器【そうき】が比較的多いことは、飛騨地域特徴として注目される土器多くのものが、その文様器形北陸長野等、他地域影響うかがえ、これに少数弧状櫛歯文等、本地域に独特の意匠を持つものが組み合うこのような多様な系統土器が目立つのは、本遺跡の特徴である。北アルプス横断する経路飛騨川利用する太平洋側からの経路宮川利用する日本海側からの経路という三つ経路交錯地帯という、遺跡地理的環境が、遺物あり方によく表れている好例いえよう
 縄文時代における人間文化移動が、各時期通じて継続的に行われていたことはすでに知られるところである。その中にあって、本件は、広域的かつ複雑な文化伝播移動実態を知るうえで、縄文文化研究資するところが大きく飛騨地域縄文時代中期文化基準資料としての価値も高い。



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