家政学の具体的内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 08:21 UTC 版)
家政学原論(狭義)(principles of Home Economics):本質を問題とする物で、政哲学、理論家政学といわれる分野。家政学の性格(認識目的、対象、方法など)を論ずる。 家政史:家政に関する歴史で、この中には家庭史(衣・食・住・家族)家政思想史、家政学史がある。 比較家政学:日本と外国の家政学の比較であり、さらに広げて家政としての家庭生活の比較を問題とする。主に地域性という面的な広がりとしての比較である。現実の家政学からすると、主に生活環境学的な立場で問題とする。 家政学基礎:家政学の領域における基礎分野である。広義には人間形成や生活に関わる全て対象になるが、直接的に家庭生活と結びつきがある物に限定される。家庭数学、家庭美学、家庭社会学、家庭地理学、生活学 など 家庭(政)経済学:個別の家政の経営問題。家庭経営理論、家庭経済学、家族関係学(家庭教育を含む)、時間・エネルギー管理論などを含む。 なお、家庭経営学の代わりに、家庭管理学という名称を使う場合もある。 家庭生活領域学:生活各領域を問題にするもの。管理的側面と生活技術的側面を含む。食物学(食料経済学、食品学、献立学、栄養生理学、食品栄養学、栄養科学、調理学を含む) 住居学(住居計画学、住居材料学、住居意匠学、住居管理学、住居生活学、住居環境論などを含む) 被服学(被服材料学、被服整理学、被服意匠学、被服構成学、被服管理学、その他、被服文化・歴史などを含む) 児童学(育児学、児童発達学、児童心理学、児童教育学、児童文化学、児童福祉学などを含む) ここ近年は、看護学、老人学、余暇論、女性論、福祉論なども問題となっている。 生活行政学:家庭生活または消費者のための行政問題であり生活に関する行政一般の他に下記の色々な内容領域を含む。食糧政策、住宅政策、被服製作、家庭教育・啓発、家政法律、消費者福祉、消費者行政など 応用家政学:家政学は主に個別家庭生活を対象とするが、家政学を広く社会生活全体に応用するもの大量炊事、栄養管理、大量縫製、集団保育、施設管理 大学家政学教育、中小高等学校の家庭科教育を対象とした家庭科教育学、生活情報学 なお、上記1,2を中心とし、学問面的に上記3を入れて取り扱う物を「家政学原論(広義)」という。 一般に家政学原論は、家政学の研究目的、研究対象、研究方法などの学問の根本原理を追求し、成立を理論化するものである。 家政学は生命力の再生産を問題とするが、家庭経営内のみではなく家族と生活を取り巻くnear environment(家族の利用物産などと関係が深い)とfar environment(自然的環境、物価、人間組織、福祉行政など)に分けて考える必要がある。協議の過程経営学の問題としても扱われるが、消費問題や環境改善の方向などを考えるとき、生活行政学も関係することになる。 家政学は家庭生活を中心とするが、同時に幅広い生活環境条件も対象になり、基礎科学や関連諸科学と結びつきが強い。
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