完全電動化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:02 UTC 版)
2021年04月23日、三部敏宏社長が、2030年に国内で販売する全ての四輪車を、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、燃料電池自動車(FCV)といった電動車に切り替えると発表した。海外では、今後1~3年以内に主要市場の米国や中国で新型EVを発売。40年には世界で販売する全ての車種をEVかFCVにする。電動化目標の達成に向け、次世代電池の研究開発に今後6年間で約5兆円を投じると言う。 ハイブリッドカーにおいては、パラレル式と分類されるハイブリッドシステム(Honda IMA)をCO2排出量の削減及び燃費向上を目的に幅広い普及を目指して自社開発し、現在販売しているハイブリッド専用車インサイトに、昨今これらの環境車需要が増加している中、比較的安価なコストで搭載している。 ホンダのハイブリッドシステムは、走行状況に応じてエンジンの燃焼を休止させるi-VTECエンジンと、加速時における単一の薄型ブラシレスモーターからの出力の利用、および同一モーターによる減速時の回生発電を行い、比較的容量の小さい専用二次電池へのエネルギー回収を行う軽量でコンパクトなシステムであるため、幅広い車種への安易な搭載が可能とされている。シリーズパラレル式と分類される他社系の採用しているハイブリッドシステムは、加速用電気モーターでの動力補助および、減速時に於ける回生発電装置によるエネルギー回収をする仕組みであり、加速用電気モーターと回生用発電装置を別に必要とする。 2009年4月1日、同社が本格的な普及に対する若干の足踏み状態の要因として抱えていた二次電池供給元からの供給可能量などの経営コンセンサス的問題を解決するために、ハイブリッドカー用リチウムイオン電池の製造・開発を専門とする「株式会社ブルーエナジー」をジーエス・ユアサコーポレーションとの共同出資により設立し、二次電池調達体制の再構築を行った。 2020年10月にはホンダ初のEVとしてホンダ・eを発売した。同車は街中での小回りを重視するため、21世紀の量産自動車としては異例となるリアエンジン・リアドライブ方式を採用している。 2022年3月4日、ソニーグループとEV事業で提携すると発表した。年内に共同出資会社を設け、両社で開発したEVを2025年に発売する。共同出資会社がEVの設計や開発、販売を手掛け、生産はホンダの工場に委託する。ソニーが車の頭脳にあたるソフトウエアや車内でのエンターテインメントを開発し、ホンダが駆動装置や安全機能などの機械的な技術を提供する。 また、世界に先駆けて走行時に排出ガスを全く生み出さない水素燃料電池自動車(FCV)の本格普及を目指し、2008年から米国と日本にてリース販売を開始した燃料電池自動車「FCXクラリティ」の年間数十台程度の需要状況に合わせ、ホンダ新機種開発センター(栃木県塩谷郡高根沢町)に燃料電池車専用の小規模組み立てラインを設置した。2016年には量販車として「クラリティ FUEL CELL」を投入するも、5年間で販売台数1900台と苦しみ、2021年に生産終了を発表した。2023年に第2世代を投入予定。
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