奇形症候群
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奇形症候群(きけいしょうこうぐん、Malformative syndrome)とは、複数の特定の奇形を共通して持っていることで識別される先天性の病気。
- 1 奇形症候群とは
- 2 奇形症候群の概要
奇形症候群
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アンジェルマン (Angelman) 症候群 (AS) 不眠症を生じ、多幸感があり、何もないときでも笑うことがある。腕を上げながら歩く(操り人形様歩行)。発見者のアンジェルマン医師により、「幸せな操り人形」と表現された。 ウィリアムズ (Williams) 症候群 (WS) 知的障害、心臓病、歯のエナメル質形成不全を生じ、特に算数・数学面での著しい学習障害があり、独特の顔つきを示す。言語感覚や音楽感覚は比較的良好であり、絶対音感を保有する者も多い。有名な歌手であるグロリア・レンホフは、楽譜は読めないが28ヶ国語の2000曲以上の歌詞を覚えている。1961年に医師J.C.P.ウィリアムズにより報告された。 プラダー・ウィリー (Prader-Willi) 症候群 (PWS) カルマン (Kallmann) 症候群 嗅覚の低下と性腺機能低下を伴う症候群。 原因は、Xp22.3領域のKAL遺伝子 病態は、性腺機能低下は視床下部の障害による。 統計は、約80%は家族性発症する。 アイカルディ (Aicardi) 症候群 脳梁欠損、網脈絡膜症 (lacuna)、そして点頭てんかんを主な症状とし、重度の精神発達遅滞を来たす。男児にとっては致死的なためほぼ全例は女児に発症している(男児が発症した例が一例だけある)。死因の原因は胎児性癌が最も多い。 コルネリア・ド・ランゲ(コルネリア・ディ・ランジェ Cornelia de Lange)症候群 (CDLS) 各種の発達の遅れが見られる。外見の特徴としては、両方の眉毛が繋がっている。1933年にオランダの小児科医コルネリア・デ・ランゲによって報告されたのが病名の由来。第一発見者ブラッハマンの名を取り、Brachmann de Lange症候群(ブラッハマン・デ・ランゲしょうこうぐん)ともいう。 ルビンスタイン・テイビー(ルビンスタイン・タイビー Rubinstein-Taybi)症候群 小さい頭、低い身長、太い眉、離れた両目、多指合指症、てんかん、精神遅滞(IQにして50以下)が見られる。 アペール(アペルト、エイパー Apert)症候群 尖頭合指症ともいう。特徴的な顔貌で、手足の指に癒合などの奇形があり、水頭症予防の手術が必要になる場合もある。病状が似ているため、クルーゾン病と同一視する場合もある。 22q11.2欠失症候群 (Catch-22) 心疾患や口蓋裂、学習障害などがみられる。 病名は、心血管異常 (Cardiac defects)、特有な顔貌 (Abnormal facies)、胸腺低形成 (Thymic hypoplasia)、口蓋裂 (Cleft palate)、低カルシウム血症 (Hypocalcemia)の頭文字を取ったもの。この病名はジョセフ・ヘラーによる不条理小説「キャッチ=22」の題名と意図的に合わせたものとされるが、この語には俗語として「逃れることができない窮地」という意味もあるため、改名運動がある。 脆弱X(フラジャイルエックス fragile X)症候群 大部分が男児である。X染色体の一部が切断されそうになっているのが特徴である。知的障害、自閉性症状などがある。外見の特徴としては大きな耳、大きな陰嚢などである。 ミラー・ディッカー (Miller-Dieker) 症候群 滑脳症という、脳のしわがない疾患。男女比はほぼ一。 チャージ(CHARGE)症候群 原因は、常染色体8番q12.1にあるCHD7遺伝子の新生突然変異。 病態は、コロボーマ(目の組織の部分欠損)や高度難聴、後鼻孔の閉鎖、嚥下障害、ホルモンの異常、発達の遅れなど頭頚部を始め全身多岐にわたる。種類や程度は個体により様々。外見の特徴としては、折り重なったような耳介など。 かつてCHARGE Assosiation(チャージ連合;チャージれんごう)と呼ばれていたものと同一。責任遺伝子の解明等で近年症候群と呼ばれるようになった。 生命予後はよく、ゆっくりだが発達を続ける。
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