大会期間中
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 23:20 UTC 版)
「2014年ソチオリンピックとLGBT権利抗議活動」の記事における「大会期間中」の解説
2月4日 - カルガリー、エドモントン、ハリファックス、ケベックシティ、セントジョンズ、トロントなどカナダの主要都市が、ロシアのLGBTの人々をたたえ、政府機関の建物にレインボーフラッグを掲げた。大会終了まで、このキャンペーンに少なくとも33の都市とカナダの10州のうち8つの州議会が参加した。 2月6日 - Googleはホームページのロゴを、「オリンピック憲章」の検索にリンクするスポーツのピクトグラムが描かれたレインボーカラーのGoogle Doodleに変更し、ページ下部にも憲章からの引用文を配置した。このDoodleは各種メディアで差別への抗議の象徴として報じられたが、Googleは特に因果関係を認めていない。 2月7日開会式を目前に控えたサンクトペテルブルクで、アナスタシア・スミルノワ、アレクサンドラ・セメノヴァをはじめとする、妊婦を含む4人のLGBT活動家が、「差別はオリンピック・ムーブメントと相容れない」と書かれた横断幕を掲げて逮捕された。 バラク・オバマ米大統領は、NBCスポーツのボブ・コスタス(英語版)とのインタビューで、アメリカのオリンピック代表団に同性愛者の選手を加えたのは、ロシアの法律へ対抗する尖ったメッセージを送るためだったことを明かし、「性的指向に基づく差別を含め、いかなる差別にも従わないということを明確にしたかったということで間違いない」「オリンピックの素晴らしい点の一つは、どこから来たか、どんな顔をしているか、誰を愛しているかに関係なく、自分の実力で判断されることであり、それはオリンピックの精神と一致していると思う」と述べた。 『ハフィントンポスト』は、ロシアのLGBTに対する姿勢やそれに伴う抗議運動を皮肉って、開会式では作曲家のピョートル・チャイコフスキーをはじめとする「歴史上最も広く評価され、間違いなくゲイであるロシア人」への賛辞が行われたと指摘した。ウクライナ生まれのロシア人ユーモア作家、劇作家、小説家のニコライ・ゴーゴリ、映画監督のセルゲイ・エイゼンシュテイン、バレエダンサーのヴァーツラフ・ニジンスキー、芸術家のパトロンでありロシア・バレエ団として知られるバレエ・リュスの創設者であるセルゲイ・ディアギレフなども取り上げられているが、主催者側はこれらの人物が「ロシア文化への貢献と功績」によって選ばれたと主張し、LGBTの権利との関係を否定している。同様に、ロシアのポップデュオt.A.T.u.が開会式のパフォーマンスに招待されたことにも注目が集まった。彼らは実際にはレズビアンではないが、女性デュオであり、音楽やステージ上の人物像にレズビアンをテーマとして取り上げていることで知られ、ライブではしばしば女性同士でキスをしている。また、彼らの名前は「この女の子はその女の子を愛している」という意味のロシア語の短縮形が転訛したものであり、2007年には「モスクワ・プライド」(ロシア語版)でのプライド・パレードに当時のモスクワ市長、ユーリ・ルシコフが反対したことを受けて、LGBTの権利を支持する声明を出している。なお、五輪主催者側はt.A.T.uが選ばれた理由として、LGBT運動との関係を否定しつつ、国際的によく知られている歌手であることを挙げている。 IOCのトーマス・バッハ会長は開会式でスピーチし、差別に対して強い姿勢を示した。Yes, Yes, it is possible – even as competitors – to live together under one roof in harmony, with tolerance and without any form of discrimination for whatever reason.ええ、そうです。たとえライバル同士であったとしても、一つの屋根の下、寛容かつ調和のとれた、いかなる理由による差別もない生活を送ることは可能なのです。 — トーマス・バッハ、2014年ソチオリンピックの開会式でのスピーチにて 今大会でアウティングされたと報じられた6人の競技者の一人であるシェリル・マースは、ロシアのLGBT当事者と連帯して、LGBTの「宣伝」を初めて行った。ソチのスロープスタイル競技で予選通過を目指した後、女性との結婚を公表したオランダ出身のマースは、虹とユニコーンをあしらったグローブをカメラに向かって掲げた。以前、「ロシアの選択により、IOCは時代を逆行している」と述べ、ソチでの大会開催決定を批判したと報じられている 2月10日 - ESPNのテレビ番組『Outside the Lines』でスノーボードのカレン・チャイフリック・シフソフ選手(当時24歳)が、ロシアの法律を踏まえ、LGBTの権利についての声明を出すためにソチでカミングアウトしたかったが、アメリカ代表選抜から漏れてしまったと語った。 2月13日 - オランダ・アムステルダムの友人グループが、プーチンの同性愛者の権利に関する発言に抗議するためのオンラインゲーム「Putin Gay Dress Up」をリリースした。このゲームでプレイヤーは、女性向けの服やロシアのフェミニスト・パンク・ロックバンド、プッシー・ライオットのTシャツなど、ゲイのステレオタイプとしてプーチン大統領をドレスアップする。
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