塑造金剛蔵王立像心木とは? わかりやすく解説

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塑造金剛蔵王立像心木

主名称: 塑造金剛蔵王立像心木
指定番号 3515
枝番 0
指定年月日 2004.06.08(平成16.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書
員数 1躯
時代区分 奈良
年代
検索年代
解説文:  石山寺本堂厨子本尊如意輪観音像重文)の右脇侍として安置されていた塑造蔵王権現立像心木で、最近修理により江戸時代塑造部分取り除かれ心木として保存されたものである
 頭部体部脚部概形あらわし左手側面にやや広げ右手は屈臂して上げて拳を作り左足立脚として右足上げる。背面に腰から裙裾までの概形あらわし左方なびかせる
 ヒノキ思われる針葉樹材製。構造は、頭体幹部の正中よりやや左寄り左右二材を矧ぎ左方材は左足および〓を含む)、概形粗彫りする。根幹右方材と左方材の間に三角形状の材を挟む。両手上膊部、右手前膊部(左前膊材欠失)を矧ぐ右足大腿部、下脚部、および足先(後補)は各一材からなり大腿部付け根は丸〓で腰部差し込み、下脚部との間は三枚矧ぎする。腰部背面に裙先材(一材)を当てる
 正倉院文書によれば石山寺本尊および両脇侍像は、造石山院所によって天平宝字五年十一月十七日に造立始められ翌年八月十二日に彩色終了したことが知られる三尊とも「〓」、つまり塑造であったことがわかる。塑造心木には、角材等を組み合わせて骨格をつくるものと、像の概形を彫成するものがあり、本像は後者分類される
 石山寺史料の上から造東大寺司より仏工等が派遣され造営され、製作過程細かな工程材料人員等の判明する点で貴重であったが、創建当初遺物残っておらず、この心木発見は貴重で、文化史的、彫刻史的にみて非常に意義が高い。
 現在、右足上げるが、台座には右足〓を入れる〓穴が開けられている。右足大腿部付け根には後に削り取られ痕跡があり、根幹材と木心の位置が同じことから共木と推定され当初両足を地につけていたとも考えられる両手肘部右足膝部三枚矧ぎ仕口なのも特徴的である。
 なお、名称について正倉院文書では中尊像を「観世菩薩」、両脇侍を「神王」と記しているが、『覚禅鈔』等平安時代文献では「如意輪」「金剛蔵王」「執金剛神」と記しており、そのうち金剛蔵王」がこれに相当する
 附の塑像断片は、損傷著しかった後補の塑造面相部の中から取り出され神将像の髻、眼、口の一部で、造東大寺司系の塑像類似する光背は、形状および彩色からみて中世遡るものと思われ寛元三年再興時のものとも考えられる
 像内納入品心木の胸に開けられ長方形刳り込み孔に納入されいたものである。中尊像内に舎利籠めたことは正倉院文書記述があり、類例として観世音寺心木にも同じよう刳り込み孔がある。舎利安置古制伝えたものとして貴重である。



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