五蘊とは? わかりやすく解説

ご‐うん【五×蘊】

読み方:ごうん

《「蘊」は、梵skandhaの訳。五つの積集の意》仏語存在構成する五つの要素。すなわち、物質的身体的なものとしての色蘊(しきうん)、感覚作用としての受蘊、表象作用としての想蘊、意志欲求などの心作用としての行蘊(ぎょううん)、対象識別する作用としての識蘊。五陰(ごおん)。


五蘊

読み方:ゴウン(goun)

物質精神分類した五種


ごうん 【五蘊】

仏教用語五陰とも。人間身心、およびその環境のすべてを形成する物質的精神的な要素(蘊)五つをいう。1色(身体的または物質的要素)、2受(感受作用)、3想(表象作用)、4行(意志作用)、5識(認識作用)の五つ。すべては、これらが仮に集まって出来ているとして五蘊仮和合といい、これらに執着するための苦を五取蘊苦(五陰盛苦)という。→ 蘊

五蘊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 06:44 UTC 版)

五蘊(ごうん、: pañca-kkhandha[2](パンチャッカンダ)、: पञ्च स्कन्ध, pañca-skandha[3](パンチャ・スカンダ))とは、原義では「5つの集合体・グループ・コレクション」[4]をさす。蘊(: skandha[5][スカンダ]、: khandha[6] [カンダ])とは集まり[7]、同類のものの集積[8]を意味する。


注釈

  1. ^ 旧訳では五陰(ごおん)五衆(ごしゅ)という[要出典]
  2. ^ 古くは阿含経の中に言及されている[12]

出典

  1. ^ a b c アルボムッレ・スマナサーラ『テーラワーダ仏教「自ら確かめる」ブッダの教え (スマナサーラ長老クラシックス)』Evolving、2018年、Chapt.17。ISBN 978-4804613574 
  2. ^ "pañcakkhandha : [m.] the five aggregates, viz: material qualities, feeling, perception, coefficients of tconsciousness, and consciousness. "(Concise Pali-English Dictionary by A.P. Buddhadatta Mahathera)
  3. ^ a b c 岩波仏教辞典 1989, p. 261.
  4. ^ Thomas William Rhys Davids; William Stede (1921). Pali-English Dictionary. Motilal Banarsidass. pp. 232–234. ISBN 978-81-208-1144-7. https://books.google.com/books?id=0Guw2CnxiucC 
  5. ^ 櫻部・上山 2006, p. 仏教基本語彙(2).
  6. ^ 水野弘元「増補改訂 パーリ語辞典」、春秋社、pp112-113、2013年3月(増補改訂版第4刷)。
  7. ^ a b c d e f g h i 総合仏教大辞典 1988, p. 392.
  8. ^ a b c 櫻部 1981, p. 69.
  9. ^ a b 田中典彦「縁起思想における人間 (私)」『心身医学』第63巻第3号、2023年、202-207頁、doi:10.15064/jjpm.63.3_202 
  10. ^ a b c d e アルボムッレ・スマナサーラ『苦の見方』サンガ (出版社)、2015年、Chapt.5。ISBN 978-4865640199 
  11. ^ 岩波仏教辞典 1989, p. 396.
  12. ^ 山田巌雄 文・箕田源二郎 画「阿含の詩 詩画でふれる仏の教え」鈴木出版 1988年 P.105 ISBN 978-4790210221
  13. ^ a b 頼富本宏他「図解雑学 般若心経」ナツメ社 2003年 P.76 ISBN 978-4816335440
  14. ^ 櫻部建上山春平「存在の分析<アビダルマ>―仏教の思想〈2〉」 角川書店角川ソフィア文庫〉、2006年 P.60 ISBN 978-4041985021(初出:塚本善隆編『仏教の思想』第2巻  角川書店、1969年)
  15. ^ a b c d 岩波仏教辞典 1989, p. 342.
  16. ^ a b c d 「我が身は五蘊」「それらはすべて空である」と見極めた【般若心経】”. 宮坂宥洪. 2023年5月1日閲覧。
  17. ^ a b c d e f g 頼富・今井・那須 2003, p. 77.
  18. ^ 岩波仏教辞典 1989, p. 388.
  19. ^ a b c d 櫻部 1981, p. 63.
  20. ^ 岩波仏教辞典 1989, p. 508.
  21. ^ 岩波仏教辞典 1989, p. 169.
  22. ^ パーリ仏典, 中部 満月大経, Sri Lanka Tripitaka Project
  23. ^ a b c 藤本晃「我とは何か パーリ聖典の範囲で」『パーリ学仏教文化学』第34巻第29-59号、2021年、doi:10.20769/jpbs.34.0_29 
  24. ^ パーリ仏典, 中部 28.象跡喩大経, Sri Lanka Tripitaka Project
  25. ^ 羽矢辰夫「ターラ樹の譬え」『創価大学人文論集』2020年、NAID 120006824202 
  26. ^ パーリ仏典, 律蔵犍度, 大犍度, Sri Lanka Tripitaka Project


「五蘊」の続きの解説一覧

五蘊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 04:28 UTC 版)

三科」の記事における「五蘊」の解説

五陰(ごおん、旧訳)とも。人間肉体精神五つ集まり分けて示したもの。

※この「五蘊」の解説は、「三科」の解説の一部です。
「五蘊」を含む「三科」の記事については、「三科」の概要を参照ください。

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五蘊

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 08:21 UTC 版)

名詞

 (ごうん)

  1. 仏教人間成り立たせている五つ要素シキギョウ
  2. 目の前世界地球宇宙時間空間物質エネルギー変化
  3. 固定化現象停滞現象

発音(?)

ご↘うん


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