ペチェンガ
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3番艦「ペチェンガ」(ロシア語:≪Печенга≫、艦番号:244)は、ムルマンスク州の都市型集落ペチェンガ(英語版、ロシア語版)から命名され、1978年2月3日に進水、1979年1月10日に太平洋艦隊に就役した。 1993年8月18日、「アドミラル・パンテレーエフ」、ソヴレメンヌイ級駆逐艦「ビストリィ」と共にウラジオストクを出港し、中国の青島港と韓国の釜山港を訪問した。この航海で、「ペチェンガ」は1950年代以来約40年ぶりに中国に、89年ぶりに韓国に寄港したロシア海軍の軍艦の1隻となった。 オイル・コンパクト社は、当初はボリス・チリキン級補給艦「ウラジミール・コレチツキー」をリースする予定だったが、運用コストが10万ドルにもなることから代わって「ペチェンガ」をリースすることになった。同社はリース料を支払わなかった上に、国内よりも高価な韓国の釜山港で修理を行ったとして修理代金を太平洋艦隊に請求し続けたが、これらの総額は60万ドル以上にも及んだ。内部調査の結果、実際の修理費は37万ドルに収まっており、水増し請求であることは明らかだった。 2003年10月11日、「アドミラル・パンテレーエフ」と共に対馬海峡を通過するを海上自衛隊のあぶくま型護衛艦「せんだい」が確認した。2隻は11月10日に津軽海峡を通過するのを海上自衛隊のSH-60Jが確認した。 2008年、「アドミラル・ヴィノグラドフ」とボリス・チリキン級補給艦「ボリス・ブトマ」、バグラザン級救難曳船「フォーチィ・クリロフ」と共に第2次対海賊任務部隊と編制し、12月9日にウラジオストクを出航した、12月12日には対馬海峡を通過するのを、海上自衛隊のたかなみ型護衛艦「まきなみ」が確認した。任務部隊はインド洋でキーロフ級ミサイル巡洋艦「ピョートル・ヴェリーキイ」と合流し、インド海軍と合同演習を行い、2009年1月から3月までアデン湾で船団護衛を行った。 2009年10月30日、「ヴァリャーク」「フォーチィ・クリロフ」と共に対馬海峡を南下するのを海上自衛隊のむらさめ型護衛艦「きりさめ」が確認した。3隻は11月30日に対馬海峡を東航するのを海上自衛隊の護衛艦「せんだい」が確認した。 2010年2月24日、太平洋艦隊からの第4次対海賊任務部隊として「マーシャル・シャポシニコフ」「MB-37」と共にウラジオストクを出航した。6月22日には対馬海峡を東航するのを海上自衛隊のはつゆき型護衛艦「はるゆき」が確認し、7月1日に帰還した。11月17日には、「アドミラル・ヴィノグラドフ」、ゴーリン級航洋曳船「SB-522」と共に再びウラジオストクを出航し、2011年4月17日までアデン湾での商船護衛を支援した。 2011年12月10日、「アドミラル・トリブツ」と共に対海賊任務部隊としてアデン湾に派遣され、2012年1月12日から3月26日まで、マルタとトルコを含む国際船団の護衛を支援した。 2013年3月には、「アドミラル・パンテレーエフ」、ロプーチャ級揚陸艦「アドミラル・ニジェルスキー」「ペレスヴェート」、バグラザン級救難曳船「フォーチィ・クリロフ」と共に地中海への長距離遠征航海に向かった。艦隊は3月21日に対馬海峡を通過するのを海上自衛隊のP-3C哨戒機が確認し、約9ヶ月後の12月22日に対馬海峡を再び通過して、12月24日に帰還した。 2015年4月、「アドミラル・パンテレーエフ」「SB-522」と共にコロンボに4日間寄港したほか、サッタヒープ(タイ)とランカウイ(マレーシア)に寄港した。。 2016年10月2日午前1時頃、「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラドフ」「ペレスウェート」「アラタウ」と共に対馬海峡を北上するのを、海上自衛隊のはやぶさ型ミサイル艇「おおたか」が発見した。 2017年4月11日には「ヴァリャーク」と共に釜山港に寄港し、乗組員が釜山市長やロシア総領事を訪問したほか、スポーツ大会に参加した。長距離航海は2ヶ月近くにおよび、6月10日には東シナ海を北東に向かうのを海上自衛隊が確認した。 2018年5月7日から7月12日まで、「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラドフ」と共に東南アジア・日本方面への遠征航海を行った。 2ヵ月の間にカンボジアとタイ、6月6日にはベトナムのカムラン港に寄港し、フィリピン海で対潜戦闘訓練を行ったほか、フィリピンと日本に寄港し、7月12日にウラジオストクに帰還した。 2019年10月7日には、「ヴァリャーク」「アドミラル・パンテレーエフ」と共に対馬海峡を南下するのを海上自衛隊のはやぶさ型ミサイル艇「しらたか」が確認し、2020年2月12日にも、「アドミラル・ヴィノグラドフ」と共に日本海を南下するのを海上自衛隊のP-3C哨戒機が確認した。 2020年2月12日、「アドミラル・ヴィノグラドフ」と共に対馬海峡を南下するのを海上自衛隊のP-3C哨戒機とむらさめ型護衛艦「さわぎり」が確認した。11月6日にも、「ヴァリャーク」「アドミラル・パンテレーエフ」と共に対馬海峡を南下するのを、海上自衛隊のはやぶさ型ミサイル艇「おおたか」とP-1哨戒機が確認した。3隻は12月25日に宮古島南東100kmを北上するのを、海上自衛隊のとわだ型補給艦「はまな」とひらしま型掃海艇「ひらしま」「たかしま」、P-3C哨戒機が確認した。 2021年11月23日、キロ改型潜水艦2隻とグレミャーシュチイ級フリゲート「グレミャシュチイ」、イングル級航洋曳船と共に西表島南170kmを北東に航行するのを、海上自衛隊が発見した。5隻は沖縄本島と宮古島の間を北上した後、11月27日に対馬海峡を北東に航行した。この間、海上自衛隊第4航空群のP-1哨戒機と第5航空群のP-3C哨戒機、あさぎり型護衛艦「せとぎり」、すがしま型掃海艇「くろしま」、「せんだい」、「おおたか」が接触し、情報収集と監視を行った。
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