フィクションにおける兵器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 07:08 UTC 版)
映画や漫画、アニメーションといったフィクション作品、テレビゲーム、果ては伝説や神話などにも兵器は登場する。実在する兵器や実在する兵器を基としたオリジナルの兵器、実際に確立された技術を用いた架空の兵器、まったく空想の技術・素材・世界観を基とした架空の兵器など、いろいろなものが登場している。 実在の兵器の性能を忠実に再現しリアリティを高めた作品がある一方、製作者側が意図した、もしくは資料・知識不足から誤った描写がされている作品も散見される。特に兵器を所有する軍隊などからの協力が得られれば、実車や実機を登場させることができる。一方で日米共同制作の「トラ・トラ・トラ!」などの様に、既に実物が存在しないため、形状が似ているものを改造し撮影に用いた例もある。この作品では練習機の「T-6 テキサン」をベースに零式艦上戦闘機や九九式艦上爆撃機が用意され、大日本帝国海軍の空母「赤城」にはアメリカ海軍の「レキシントン」が代用された。赤城の艦橋は左舷側にあるがレキシントンは右舷側にあるため、作中レキシントンのパネルを登場させ、役者に赤城であると言わせる念の入れようであった。 SF、空想科学作品等では物語を盛り上げる小道具として、実在の兵器からまったくの空想の兵器まで多数が描かれている。リアルロボット作品では、架空の素材や技術を用いた架空の兵器である巨大ロボットに、兵器としての性格(研究開発、量産、壊れれば修理・交換・破棄、破壊、新兵器の登場で退役する)を与えることで「実在感(リアリティ)」を持たせることに成功した。例えばテレビアニメ「装甲騎兵ボトムズ」に登場する「アーマードトルーパー」は、同型機同士で戦い、破壊されれば乗り捨てるなど、徹底的に消耗品として描かれている。 歴史改変ものの架空戦記などでは、大日本帝国陸軍の四式中戦車や富嶽、ドイツ海軍の「グラーフ・ツェッペリン」など、試作のみに終わった兵器や量産が間に合わなかった兵器、計画のみの兵器の登場が多くみられる。それらは時として戦局を左右することもある。 実在する軍用機が多数登場する、ナムコ(後のバンダイナムコゲームス)の「エースコンバットシリーズ」は、それまでのフライトシミュレーションゲームとは異なり、物理法則や操作性などに関するリアリティの多くを限界まで簡略化することによりプレイのしやすさ(プレイアビリティー)の大幅な向上に成功した。結果として、一般的なフライトシミュレーションゲームの様なミサイルや弾丸の残弾制限や航空機の物理法則にしたがった機動や運動といったリアリティ要素は低下したが、手軽にシューティングゲームが楽しめることから2021年時点でシリーズ累計出荷本数が1,600万本を超える人気タイトルとなった。
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