ハール測度
ハール測度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/06 20:05 UTC 版)
コンパクト群はすべてハール測度を持ち、それは左右両方の移動によって不変である(モジュラス関数は正の実数 (R+, ×) への連続準同型でなければならないので 1 である)。言い換えると、これらの群はユニモジュラーである。ハール測度は、円周上の dθ'/2π と同様、容易に確率測度に正規化される。 そのようなハール測度は多くの場合計算が容易である;例えば直交群に対してはフルヴィッツ (Hurwitz) に知られており、リー群の場合には必ず不変微分形式によって与えることができる。射有限の場合には指数有限の部分群が多くあり、剰余類のハール測度は指数の逆数になる。したがって、積分はしばしばきわめて直接的に計算可能であり、この事実は数論においてよく使われる。
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ハール測度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 04:56 UTC 版)
「ポントリャーギン双対」の記事における「ハール測度」の解説
位相群が局所コンパクト群となるのはその群の単位元 e がコンパクト近傍を持つときであり、かつそのときに限る。この条件は e を含む開集合 V で、その G の位相に関する閉包がコンパクトであるようなものが存在することを意味する。局所コンパクト群に関して最も特筆すべき事実のひとつは、それが(右不変)ハール測度と呼ばれる自然な測度を本質的にただひとつ持ち、それにより G の十分素性の良い部分集合の「大きさ」を測ることができるということにある。ここでいう「十分素性の良い部分集合」("sufficiently regular subset") というのはボレル集合、つまり G のコンパクト部分集合の全体が生成する完全加法族の元のことである。もう少し明確に述べれば、局所コンパクト群 G 上の右不変ハール測度 (right-invariant Haar measure) とは、G のボレル集合族上で定義される可算加法的測度 μ であって、G の各元 x と各ボレル集合 A に関して μ(Ax) = μ(A) が成り立つという意味で右不変であり、さらに適当な正則性 (regularity) 条件を満たすもののことである(詳細はハール測度の項を参照)。群がコンパクトであることとハール測度の有限性が同値であり、一般に正の定数倍の違いを除いて(右不変)ハール測度は一意的に存在する。コンパクト群や可換群の場合には右不変ハール測度は左不変でもあり、単にハール測度と呼ばれる。 ハール測度によって群上で定義される(複素数値)ボレル函数に対して不変積分の概念を定義することができる。特に、ハール測度に付随した Lp-空間が L μ p ( G ) = { f : G → C | ∫ G | f ( x ) | p d μ ( x ) < ∞ } {\displaystyle L_{\mu }^{p}(G)=\left\{f\colon G\to \mathbb {C} \ {\bigg |}\ \int _{G}|f(x)|^{p}\,d\mu (x)<\infty \right\}} というように定義される。局所コンパクト可換群の例には以下のようなものが挙げられる。 正の整数 n に対する Rn にベクトルの加法を群演算と考えたもの。 正の実数全体 R+ に通常の実数の乗法を群演算として考えたもの。この群は明らかに加法群 R に同型である。実際、指数写像がその同型を与えている。 任意の有限アーベル群に離散位相を入れたもの。有限アーベル群の構造定理によれば、このような群は全て巡回群の直積として表すことができる。 整数全体 Z を加法群と見たものに、やはり離散位相を入れたもの。 円周群 T = U(1)。この群は絶対値が 1 の複素数全体に通常の複素数の乗法を入れたものである。T は位相群として剰余群 R/Z に同型である。 p-進数体 Qp を加法に関する群と見て、通常の p-進位相を入れたもの。
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