デスラーズ・ウォー
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『完結編』公開後、デスラーを主役として製作予定であった作品。正式タイトルは『DESLAER'S WAR I 戦艦スターシャ』で、当初は『キング・オブ・デスラー』や『エンペラー・オブ・ガルマンガミラス』などとも呼ばれていた。「OVA3本と劇場版」「各60分OVA6本とテレビスペシャル」など、企画が二転三転した末に頓挫した。『完結編』からヤマトの第2部誕生編(後の『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』)の間を繋ぐ内容だったが、頓挫してから年数が経過したため2009年に実際に公開された『復活篇』とは矛盾する点がある。 ストーリー案も遷移しており、当時の資料で紹介されたものは以下の2つがある。 その1(「宇宙戦艦ヤマトファンクラブ本部」機関誌38、39号で紹介) ヤマトの自沈を涙を流し眺めていたデスラーであったが、その最期を惜しみ、アクエリアス水塊からヤマトの第一艦橋部分と沖田の遺骸を回収し、ガルマン・ガミラス残存艦隊をまとめかつての故郷大マゼランへ向かう。しかし、大マゼランには謎の異星人の国家が既に侵略を進めており、その手は小マゼランにも伸びていた。 その戦いに巻き込まれる中、宇宙要塞クラスの新たな御座艦「戦艦スターシャ」を建造、その艦内にヤマト第一艦橋と沖田の遺骸を安置した。ドメル将軍の息子ドメルJrも駆けつけ戦いを進めていったが、敵異星人はデスラーと古代の友情関係に目をつけ、地球にも侵略を開始。デスラーは自軍を守るのに専念するか、地球を守るかに苦悩する。 会報に書かれているストーリーはここまでである。なお、この時期、古代と雪は結婚し、子供も生まれているが『復活篇』の古代美雪に該当するかは不明。古代は真田と共に太陽系パトロールの任に就いていた。また、敵の異星人は会報には「星間国家連合」と記載されているが、こちらも『復活篇』に登場する大ウルップ星間国家連合との関連性は不明である。また、紹介された内容では、古代が死ぬことを示唆する文も存在した。 その2(「宇宙戦艦ヤマトファンクラブ本部」機関誌49号で紹介) デスラーは過去からの救援メッセージを受けとる。はるか数十億年の過去の世界では、イスカンダル星とガミラス星に分かれる前の星「ガイア」が存在しており、若き日のデスラーとスターシャの生き写しともいえる王と王妃によって治められていた。しかしガイアは、ウラン性放射物質でできているため他の生命と決して共存できない生命体「ディスラプター」の攻撃によって滅亡の危機に瀕していた。そして、ガイアに伝わる「母星に危機が訪れたとき戦士が現れる」という伝説に従い、未来へとメッセージを送られた。デスラーはガイアのある過去へとタイムワープを行い、ガイアを舞台に物語を紡いでいく。 「ガミラス人とイスカンダル人が同根」「ガミラス人は放射能の中で生きる」という第1作の設定が踏襲され、なぜそうなったのかが明かされる内容だったと推測されている。また、この案は没になって当初のその1案に戻った模様。 最終的に日の目を見ずに頓挫した本作だが、本作の戦艦スターシャの流れを受け継いだ艦船は、小林誠によってデザインされたものや、松本零士・板橋克己によってデザインされた「ガルマンガミラス戦略指揮旗艦<G・スターシア>」などが存在する。また、ほかにも松本・板橋は三段空母の新デザインなども行っており、デストロイヤー艦と合わせて「ネオガミラス艦隊」を結成している。
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