エピジェネティックな調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 21:32 UTC 版)
「アンチセンスRNA」の記事における「エピジェネティックな調節」の解説
asRNAの多くの例では、エピジェネティックな修飾によって転写開始に阻害的な影響を与える。
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エピジェネティックな調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 05:05 UTC 版)
「長鎖ノンコーディングRNA」の記事における「エピジェネティックな調節」の解説
ヒストンやDNAのメチル化、ヒストンのアセチル化、SUMO化などのエピジェネティックな修飾は染色体の生物学の多くの面に影響を与え、主にクロマチンドメインのリモデリングによって多数の遺伝子の調節に影響する。RNAがクロマチンの不可欠な構成要素であることは以前から知られていたが、RNAがクロマチン修飾経路に関与する方法が理解され始めたのは近年になってからである。例えばncRNAのOplr16は、染色体内のルーピングとDNA脱メチル化酵素TET2(英語版)のリクルートによって、幹細胞コア因子の活性化をエピジェネティックに誘導する。 ショウジョウバエでは、lncRNAがTrithorax(英語版)タンパク質Ash1をHox調節エレメントへリクルートし、そのクロマチン修飾機能を指揮することでホメオティック遺伝子Ubx(英語版)の発現を誘導する。同様のモデルは哺乳類でも提唱されており、ヒトの発生過程を通じて持続するHox遺伝子の胚発現プロファイルには、強力なエピジェネティック機構が存在すると考えられている。実際に、ヒトのHox遺伝子は数百種類のncRNAと関係しており、これらはヒトの発生の時間・空間軸の双方に従って順次発現し、ヒストンのメチル化やRNAポリメラーゼのアクセス性が異なるクロマチンドメインを形成する。HOTAIR(英語版)と名付けられたncRNAはHOXC遺伝子座に由来し、クロマチンのトリメチル化状態を変化させることでHOXD遺伝子座を40 kbにわたって転写抑制する。HOTAIRはPolycombクロマチンリモデリング複合体の作用をトランスに指揮してこの作用を果たし、細胞のエピジェネティック状態とその後の遺伝子発現を支配すると考えられている。SUZ12(英語版)、EZH2、EED(英語版)などのPolycomb複合体の構成要素にはRNA結合ドメインが存在し、これらを介してHOTAIRやその他の類似したncNRAに結合している可能性がある。これはncRNAが汎用のクロマチン修飾タンパク質のセットの機能をゲノム上の特定の遺伝子座にリクルートするという好例であり、近年発表されたゲノム地図の複雑性を強調するものである。タンパク質コーディング遺伝子と関係した多くのlncRNAは、クロマチン修飾の局所的パターンに寄与し、発生時に遺伝子発現を調節している可能性がある。タンパク質コーディング遺伝子の大部分にはアンチセンスパートナーが存在し、これらにはがんでエピジェネティックな機構によって高頻度でサイレンシングされている多くのがん抑制遺伝子も含まれる。近年の研究では、白血病ではp15遺伝子とそのアンチセンスncRNAが反対の発現プロファイルを示すことが観察されている。詳細な解析からは、p15アンチセンスncRNA(CDKN2BAS(英語版))は未解明の機構でp15のヘテロクロマチン化状態やDNAメチル化状態の変化を誘導し、p15の発現を調節することが示されている。このように、がん抑制遺伝子と関連したアンチセンスncRNAの誤った発現はがん抑制遺伝子をサイレンシングし、がんに寄与している可能性がある。
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