『軍隊調理法』
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時代を経た1928年(昭和3年)、『軍隊料理法』に代わり「昭和3年陸普第3548号」で制定された『軍隊調理法』は炊事調理実施上の参考資料として配賦されたが、さらに糧秣廠や部隊において調理研究を行った結果、更なる加味が求められたため1931年(昭和6年)の「昭和6年陸普第3759号」で改訂・制定・配賦された。 1937年(昭和12年)、「昭和12年陸普第3678号」で『軍隊調理法』はさらに改訂され、これが支那事変(日中戦争)・太平洋戦争(大東亜戦争)における事実上の「帝国陸軍のレシピ」となった。なお、同1932年にはこの『軍隊調理法』のほかにも陸軍糧秣本廠は四季に対応する理想献立を明記した『陸軍兵食四季標準献立表』が関係部隊に配賦されている。 計440ページ近い改訂昭和12年版『軍隊調理法』の構成は、「第一章 調理一般の心得 第一 基本調理」にはじまり、「火の焚き方」・「選方」・「洗ひ方」・「切方」・「茹方」・「煮方」・「蒸方」・「燒方」・「揚方」・「和方」(あえ方)・「味の付方」・「飯の炊き方」と続き、かつての『軍隊料理法』と同様に詳細な絵図が用いられるなど配慮がされている。「第二章 調理法」で各レシピが列挙され、「附録」(付録)では乾燥野菜各種と特殊調味料の使用法を説明、末尾には度量衡早見表として「貫とキログラム/キログラムと貫」・「斤とキログラム/キログラムと斤」・「升とリットル/リットルと升」・「尺とメートル/メートルと尺」の速算表やラテン文字略字が付されていた。 『軍隊調理法』の発行は、主に糧友会(1925年(大正14年)に食糧問題の研究・改善を目的として、陸軍省を中心に内務省・農林省など各省庁が関わり設立された陸軍糧秣本廠の外郭団体。東京栄養食糧専門学校などを運営する現在の学校法人食糧学院の前身)が行っていた。書籍である『軍隊調理法』は1937年以降も版を重ねていき、帝国陸軍の解体まで広く使用された。
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