TATSUJIN
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 16:43 UTC 版)
ジャンル | 縦スクロールシューティング |
---|---|
対応機種 | アーケード (AC) |
開発元 | 東亜プラン |
運営元 |
タイトー Romstar |
プロデューサー | 弓削雅稔 |
プログラマー | 弓削雅稔 |
音楽 | 弓削雅稔 |
美術 |
荻原直樹 清水由美子 |
人数 | 1 - 2人(交互プレイ) |
メディア | 業務用基板(1.28メガバイト) |
稼働時期 |
INT 1988年10月 |
デバイス |
8方向レバー 2ボタン |
CPU |
MC68000 (@ 10 MHz) Z80 (@ 3.5 MHz) |
サウンド | YM3812 (@ 3.5 MHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 縦モニター 320×240ピクセル 60.00Hz パレット2048色 |
1989年にメガドライブ、1992年にPCエンジンに移植されて発売され、以降も様々な機種に移植されている。
アーケード版は、ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)にて読者投票によりベストシューティング賞で4位、年間ヒットゲームで16位を獲得した他、ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では43位を獲得した。
後に続編として『達人王』(1992年)がリリースされている。
2023年9月、株式会社TATSUJINはPlayStation 5用の『TATSUJIN EXTREME』を発表しました。
概要
長らくタイトーに販売を委託してきた東亜プランは、本作のリリースを皮切りに自社ブランドを前面に押し出し、「東亜系シューティング」のスタイルを確立してゆく。日本国内でのセールスは非常に好調で、その理由として開発者の弓削雅稔は当時のテーブル筐体の画面を覆い尽くす5本のサンダーレーザーのインパクトを挙げている。一方で海外での評価は芳しくなかったという[2]。
サンダーレーザーの他、本作で登場した特徴的なシステムとしては「ボンバー」(達人ボム)がある。『TATSUJIN』の名の通り、本作は達人シューター向けの高難易度でも知られるが、達人ボムの採用はその相殺という一面もある。ボンバーというシステム自体は東亜プランの『タイガーヘリ』が初出だが、ボタンを押してからボンバーが発動するまでにタイムラグがあった『タイガーヘリ』に対し、ボタンを押した瞬間に即発動する(本作では若干のラグがあり、デモで被弾後にボムが爆発するものがある)ボンバーが採用されたのは本作がゲーム史上初である[3]。攻撃よりも防御、戦略性よりも緊急回避性を重視したこのタイプのシンプルなボンバーは以後登場するほぼすべてのシューティングゲームで採用されている。
高難易度とそれを相殺するボム、ボタンを押しただけで敵を倒せるシンプルさ、武器のビジュアル的なインパクトという、以後のほぼすべてのシューティングゲームで踏襲される要素を確立した本作は、近代シューティングの基礎を築いた作品であるとゲームライターの箭本進一は評している[4]。作品の5割以上をパターン作成で乗り切れるゲームの法則性から、ある程度シューティングゲーム慣れしていない層にも取り組みやすい作品であった[1]。
一方で、本作以後の東亜シューティングを含めシューティングというジャンルはますます高い難易度とビジュアルインパクトが志向・追求されるようになり、(シューティング)ゲームマニア向けに先鋭化。一般のファン(とアミューズメントセンターに来る客層)にとっては「一見さんお断り」のイメージが強くなり、徐々にメインステージからは外れていくことになった。
ゲーム内容
システム
8方向レバーで自機を操作し、メインショット(空中、地上どちらも攻撃可能)と達人ボム(いわゆるボンバー)を駆使し1面あたり40エリア(画面)全5面の全200エリアを攻略する[5]。道中の5体のボスを倒すごとに通常BGMが変わるため、メガドライブ版では5ステージ構成としている。ボスでミスすると一定の復活ポイントまで戻される。敵や地上物を倒すと様々な効果を持ったアイテムが出現し、それを取得することによって様々な効果が得られる。
パワーアップアイテム
それぞれの文字が書かれたアイテムを取得することにより様々なパワーアップを行う。
- P
- ショットボタンで発射する武器のパワーアップアイテムだが、本作品では取ってもすぐには効果が表れない。5個取得でようやく1段階パワーアップする。最高2段階まで。自機がやられても4個まではストックが効く。ただし最高段階までパワーアップしてしまうとそれ以上ストックができない。
- 通常は本アイテムの色はシルバーだが、4個ストックした状態(あと1つ取ればパワーアップする状態)のときはピンクになる。
- S
- 取得するごとに移動速度が上がる。4個で最高速になり、5個目からは5000点のボーナス得点となる。
- B
- 達人ボムを1発補給する。基本的にボタンを押したその場で効果を発動させるタイプなので緊急回避や弾消しに重宝するが、ダメージを与える場合、近距離で使用する必要がある(アーケード版は自機を中心にボムが作用する、メガドライブ版は画面を中心にボムが作用し、画面全体に均等にダメージを与える)。ごく僅かなタイムラグがあるため、自機がやられた直後に爆発することもある。自機を中心に巨大なドクロ状の爆炎を起こす[1]。10発までストック可能。残り使用可能数は画面右下にドクロマークを並べて表示する(メガドライブ版はスコアやボム数などの情報を右側の帯状のエリアに表示される)。10個ストックされた状態で取ると5000点のボーナス得点となる。
- 1UP
- 自機を1機追加。特定の武器でしか壊せない地上物に入っている。全3箇所。1回取ると次以降の周ではショットアイテムに変化する。
- 2UP
- 自機を2機追加。一定エリア連続ノーミス時にゲーム中1回に限り出現する。最初からノーミスの場合、3面の最初のアイテムキャリアが2UPになる[6]。なお、1UPと2UPは他のアイテムと違い、その場に留まらずに空中を浮遊する。
武器チェンジアイテム
メインショットは取得する武器チェンジアイテムの色によって3種類に変更することが可能[7]。装備している色と同じ色のアイテムを取るとボーナス得点が入る。武器チェンジするタイミングによって敵の硬さを変えることができる。
- 赤アイテム(パワーショット)
- 初期装備。扇状に3WAYのバルカンを撃つ。パワーアップにより3方向の弾がそれぞれ3発×3WAY→5発×3WAY(MD版では9WAY→9WAY+バリア)になる[1]。敵を貫通しない性質で、近距離で撃つと複数のショットが集中して当たるため、敵に効率的にダメージを与えられる。ショット一発の威力が弱いため、遠距離で耐久力ある敵には苦戦する。
- 緑アイテム(達人ビーム)
- 短いビームを真正面に発射する。耐久力の小さい敵は貫通して破壊する。パワーアップにより3連装→5連装になる。直線的な武器であるため、横からの攻撃には苦戦を強いられる。
- 青アイテム(サンダーレーザー)
- 稲妻状の途切れの無い長いレーザーを発射する。ショットボタンを押しっぱなしにすることにより継続で発射される。耐久力の小さい敵を貫通し、耐久力の大きい敵に対しては破壊するまでロックオンし続ける。パワーアップにより3連装→5連装になる。ロックオンすると自機めがけて突っ込んでくる敵もいる。敵を追尾するので、プレイヤーの意図する敵に攻撃を当てられないという難点があり、プレイには時に工夫が必要[1]。
注釈
- ^ スノーブラザーズはファミコン版が東亜プランによって発売されている。
- ^ PAL規格で映す事を前提で造られている欧州版メガドライブをPAL規格のアナログディスプレイに接続してプレイすると、アーケード版に近いテンポで曲が流れる事が分かっている。
出典
- ^ a b c d e f 株式会社QBQ編 『懐かしのメガドライブ 蘇れメガドライバー !!』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118704 p26-27
- ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』マイクロマガジン社、p.42
- ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.22
- ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.10
- ^ 『メガドライブのすべて』p.20
- ^ 『メガドライブのすべて』p.21
- ^ 各武器の基本的な性質は『メガドライブのすべて』p.21参照
- ^ a b c d 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、61頁。
- ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、83頁。
- ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.48
- ^ “Truxton for Arcade (1988)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
- ^ a b c d “Truxton for Genesis (1989)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
- ^ a b “TATSUJIN まとめ [メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年11月21日閲覧。
- ^ a b “TATSUJIN まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2018年5月20日閲覧。
- ^ MegaTech rating, EMAP, issue 5, page 79, May 1992
- ^ Out-of-Print Archive • Mega Drive/Genesis reviews • Truxton
- ^ a b c 「BEメガ・ドッグレース」『BEEP!メガドライブ』、ソフトバンク、1990年2月、67頁。
- ^ a b c 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、20 - 21頁、ISBN 9784881994290。
- ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、63頁、雑誌03660-7。
- ^ a b 『ファミコン通信』第1・2合併号、アスキー、1990年1月5日。
- ^ Truxton - Sega Megadrive - Mean Machines review
- ^ OBS(おにたま放送局)「FM音源ドライバーズサミット 東亜プラン」より。
- ^ a b “『ゲーム天国CruisinMix Special』開発陣が語る『TATSUJIN』とのコラボの経緯とシューティングに対する溢れる想い”. ファミ通.com(株式会社Gzブレイン) (2018年10月9日). 2018年10月22日閲覧。
- 1 TATSUJINとは
- 2 TATSUJINの概要
- 3 移植版
- 4 スタッフ
- 5 脚注
固有名詞の分類
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