黒瀬川 産業

黒瀬川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 02:06 UTC 版)

産業

酒蔵通り。
広島大学東広島キャンパス。

土地利用の大半が山林や水田などの農耕地である[4]。その中で上流域の西条盆地が稲作地帯とそれに伴う酒造地、河口部が広海軍工廠からの流れをくむ商工業地である[1][4]

特に西条は昭和初期頃には「酒都西条」と呼ばれるようになり、独立行政法人酒類総合研究所や酒造メーカーが複数ある[5]。また、上中流域の東広島市は広島大学誘致後は学園都市として発達し、人口増加傾向にある[4]。河口部は、右岸側"阿賀マリノポリス地区"・左岸側"広多賀谷地区"と近年港湾整備され工場誘致が行われている[4]

黒瀬川水系の水利用は農業用水と、上水道・工業用水および発電用[6]。以前は三永水源地・二級貯水池で取水され石内浄水場で浄水された上水道用水も存在したが、1997年(平成9年)に停止している[8]

自然

水質は、環境省水質汚濁に係る環境基準」において全流域で「A類型」(BOD75%値 2.0mg/l以下)[6]。ただ近年の開発および人口増加・下水道整備不備により、上中流域では悪化傾向にある[6]。これは、上記石内浄水場廃止の理由の一つである。

気候は、瀬戸内海式気候に属し梅雨・台風期に降雨が集中し雨量が少ない傾向がある[2]。地質は、流域全域が花崗岩で占められ、上流域最上部付近で流紋岩、上流域の西条盆地は"西条湖成層"と呼ばれるこの地域特有の堆積物が見られ、河口部は風化した花崗岩が堆積した"マサ土"による沖積平野となっている[2]

林相は、広島県では一般的なものであるアカマツ-アラカシ群集、アカマツ-ウラジロガシ群集など二次林で占められる[2]

魚類は、上中流域でオイカワカワムツヨシノボリ、下流域の二級峡ではアユが遡上し、河口部ではゴクラクハゼが生息している。特に中流域の湾曲部ではメダカや広島県レッドリスト入り(絶滅危惧Ⅰ類)であるスナヤツメが確認されている。一方で三永水源地や周辺のため池では外来種のオオクチバスブルーギルが放流され在来種の生息を侵食している[2]

景観

以下、支流含めた全流域にある主な施設・景勝地を上流側から列挙する。ただし教育機関・神社仏閣は過多のため除く。


  1. ^ a b c d e f #広島県 1-1 , (1).河川及び流域の概要
  2. ^ a b c d e #広島県 1-1 , (2).河川及び流域の自然環境
  3. ^ 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
  4. ^ a b c d e f #広島県 1-1 ,(3).流域の社会環境
  5. ^ a b c 酒造通りの歴史”. 東広島観光協会. 2013年11月17日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g #広島県 1-1 , (4).治水・利水・河川環境の現状と課題
  7. ^ 豪雨襲来 悲報相次ぐ『朝日新聞』1976年(昭和54年)6月28日朝刊 13版 23面
  8. ^ 石内浄水場”. 呉市上下水道局. 2013年11月17日閲覧。


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