高機動型ザクII
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/18 21:11 UTC 版)
R-3型
ザクIII(R-3型)
『MSV』で文字設定のみ登場(型式番号:MS-06R-3)。宇宙世紀0088年を舞台とする『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するザクIIIとは別機体である。
開発チームに残されたR-2型の1機は、腰を中心に徹底的に改修され、ゲルググの試験機として運用される[54]。関係者の証言によれば、ゲルググ用のパーツを多用したため、ザクとゲルググの中間的な外観であったという[54]。なお、名称と型式番号は制式なものではなく、開発チームが付けた[54]通称である[47]。正式な記録はないとされる[54]一方で、一年戦争終結後は博物館に送られたともいわれる[47]。
高機動型ザクII(ゲルググ先行試作型)
高機動型ザクII (ゲルググ先行試作型) | |
---|---|
型式番号 | MS-06R-3S[57] |
所属 | ジオン公国軍 |
建造 | ジオニック社 |
生産形態 | 先行試作機 |
頭頂高 | 19.0m[57] |
全備重量 | 73.7t[57] |
装甲材質 | 超高張力鋼[57] |
出力 | 1,390kW[57] |
推力 | 56.600kg[57] |
センサー 有効半径 |
6,200m[57] |
武装 | ビーム・ライフル ヒート剣 50mmバルカン砲×2 |
搭乗者 | トーマス・マイヤー |
メカニックデザイン企画『M-MSV』で設定された(初出は『SD CLUB』第8号)。上記ザクIIIと同一の仕様であるかは明言されていないが、ザクとゲルググの中間的な外観であることは共通し、また本機の型式番号を同じ "MS-06R-3" であるとする資料も少なくない[58][59][注 1][5]。
連邦のガンダムに対抗できる機動力を得るため、機構試作用に[57]R-2型をもとにゲルググ用の部品を多用し短期間で開発される[58]。ジェネレーター出力の大幅な向上により、試作が間に合ったジオン軍初のビーム・ライフルや、ビーム・サーベルへのエネルギー供給も可能となる[57](ただし本機にはビーム・サーベルではなくヒート剣が装備されている)。本機で得られたデータをもとに、新規にゲルググが設計される[57]。
カードゲーム『ガンダムウォー』のイラストでは、本体はザクII FZ型、肩部はよりゲルググに近いアレンジがほどこされている。
- 作中での活躍
- 『SD CLUB』第14号掲載の小説「モビルスーツコレクション・ノベルズ ACT.7 閃光の源」では、セイ・ウエノ技術大尉のもと、テスト・パイロットのトーマス・マイヤー軍曹によりビーム・ライフルの試射をおこない成功する。直後に連邦軍MS隊と遭遇し、ジム2機を撃破するが、推進系統の不具合により行動不能となり、母艦のムサイ級軽巡洋艦「ホーカム」に回収される。
注釈
- ^ いずれの資料も、カラーページでの型式番号は "MS-06R-3S" である。
- ^ 『第08MS小隊』公式サイトにて「高機動型ザク」の呼称で紹介されていたが、2019年7月頃から「高機動試作型ザク」に改訂された。ただし、2021年のYoutube「ガンダムチャンネル」内のコンテンツ「昼MS」では「高機動型ザク」とされた[66]。
- ^ 『ガンダムカードビルダー』シリーズ、『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズ、『SDガンダム GGENERATION』シリーズといったゲーム作品で見られる呼称。
- ^ ザクIIのものとは形状が異なるとされる[67][68]。
- ^ 資料によってはMS-14のデータ収集のために開発され、MS-09やMS-09Rにも技術がフィードバックされたとしている。[69]。
- ^ 第1話のサンダース軍曹の発言より。
- ^ 公式サイトより。小説版では、1機が護衛のザクIIに追われて消息不明としている。
- ^ 『MSD』の設定では、一貫して「熱核ジェット」ではなく「熱ジェット」と記述されている。
- ^ ただし、3機とも9.5mとする資料が多い。
- ^ 同作品は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の世界観をもとにしているため、本項に記述する。
- ^ ダリルは「リユース・P・デバイスが無ければこいつは只の陸戦型ザクIIだ」「高性能な水陸両用MSと比べたら見劣りする初期生産型さ」と述べているが、実際に陸戦型ザクIIをベースにしているのか、性能的な形容なのかは不明。
出典
- ^ a b c d e f ガンダムデイズ 2018, p. 196-200.
- ^ MSVザファースト 2018, p. 16.
- ^ ガンダムデイズ 2018, p. 214-215.
- ^ MSVザファースト 2018, p. 33.
- ^ a b c d e f 『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』320-324、332、793頁
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 『機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[宇宙編]』講談社、1999年11月。
- ^ a b c d e f g h MS大全集2013 2012, p. 10-11.
- ^ TARKUS編「モビルスーツ・バリエーション ジオン軍編」『ガンプラ・ジェネレーション』講談社、1999年4月14日、ISBN 4-06-330074-9、119頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック1』バンダイ、1983年3月、9頁。
- ^ a b c d e f 『マスターグレード MS-06R-1「ザクII」シン・マツナガ大尉機』説明書、1996年6月。
- ^ a b c d ロボット魂MS開発秘録06R-1 2022.
- ^ a b 『コミックボンボン』1983年2月号、講談社。
- ^ 『マスターグレード MS-06R-1A シンマツナガ専用ザク Ver.2.0』説明書、バンダイ、2008年11月。
- ^ a b c d e f g h i j k 『ガンダムメカニクスI』ホビージャパン、1998年5月。
- ^ a b c d e f g h i j 『模型情報』1984年6月号、バンダイ、10頁。
- ^ a b c 『模型情報』1984年4月号、バンダイ、裏表紙。
- ^ a b 『ガシャポン戦士』のおまけシールより。
- ^ a b c d e f g 『マスターグレード MS-06R-2「ザクII」ジョニー・ライデン少佐機』説明書、バンダイ、1996年6月。
- ^ プラモデル『1/144 MS-06R ザクII』説明書、バンダイ、1983年4月
- ^ プロショップ専用商品『マスターグレード MS-06R-1 ザクII Ver.2.0 ア・バオア・クー防衛部隊機』バンダイ、2009年12月。
- ^ 『戦略戦術大図鑑』11頁より。ただし、同書137頁での彼の使用機種一覧に06R型はない。
- ^ a b c d e f g 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』(バンダイ、1989年)
- ^ a b c d 『機動戦士ガンダムRPG』ホビージャパン、1997年3月、56頁。
- ^ a b 『機動戦士ガンダム MS ENCYCLOPEDIA MS大全集 98』メディアワークス、1998年5月、22頁。
- ^ a b c d e 『マスターグレード MS-06R-1A「ザクII」チームカラーバリエーション 黒い三連星』説明書、バンダイ、1999年6月。
- ^ a b c 『模型情報』1984年6月号、バンダイ、13頁。
- ^ a b 『機動戦士Ζガンダムを10倍楽しむ本』講談社、1985年5月、141頁。
- ^ a b 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月、180-193頁。
- ^ 『マスターグレード MS-06R-1A「ザクII」 チームカラーバリエーション 黒い三連星』説明書、バンダイ、1999年6月。
- ^ a b 『マスターグレード MS-06R-1A シン・マツナガ専用ザク Ver.2.0』説明書、バンダイ、2008年11月。
- ^ a b c 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月、96頁。
- ^ 『SFプラモブック1 機動戦士ガンダム』講談社、1982年4月、12頁。ISBN 4-06-174381-3
- ^ 『HOW TO BUILD GUNDAM 2』ホビージャパン、1982年5月、132頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月、41頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月、13頁。
- ^ 『1/144 MS-06R ザクII』ボックスアート、バンダイ、1983年3月。
- ^ 『SDガンダム GGENERATION-F データブック2 MSコレクション』ソニー・マガジンズ、2000年9月、31頁。
- ^ プラモデル『マスターグレード MS-06R-1 ザクII Ver.2.0 ア・バオア・クー防衛部隊機』付属小冊子「ザクMSV読本」、バンダイ、16頁
- ^ a b 『機動戦士ガンダム MSV-R ザク編』講談社、2013年2月、巻末掲載漫画「虹霓のシン・マツナガ Intermission」。
- ^ プラモデル『1/100 MS-06R ザクII シン・マツナガ大尉機』説明書、バンダイ、1893年10月。
- ^ 『ガンダムエース』2010年4月号、講談社、巻頭ポスター。
- ^ ロボット魂MS開発秘録06R-1Aマツナガ 2022.
- ^ 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション3 連邦軍編』講談社、1984年7月、61頁。
- ^ 『ホビージャパン』1987年7月号、71-73頁。
- ^ a b MS大全集2013 2012, p. 242.
- ^ a b c d e f 『模型情報』1984年6月号、バンダイ、21頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l プラモデル『1/144 MS-06R-2 ジョニー・ライデン少佐機』解説書、バンダイ、1984年2月。
- ^ a b ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』バンダイ、2002年5月。
- ^ a b フィギュア『ジオノグラフィー R-2型ザク EX』バンダイ、2007年8月。
- ^ 『機動戦士ガンダム MS大全集2003』メディアワークス、2003年4月、101頁。
- ^ a b c 『コミックボンボン』1983年12月号-1984年2月号掲載漫画「エースパイロット列伝 No.1 ジョニー・ライデン」、講談社。
- ^ a b 『マスターグレード MS-06R-2 ジョニーライデン専用ザク Ver.2.0』解説書、2008年9月。
- ^ ソフト『機動戦士ガンダム ジオン軍ミリタリーファイル』バンダイ・デジタルエンタテンメント、1997年。
- ^ a b c d e 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月、97-99頁。
- ^ a b 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月、158頁。
- ^ 小田雅弘『ガンダムデイズ』トイズプレス、2018年10月1日、218頁。
- ^ a b c d e f g h i j 『SD CLUB』第8号、バンダイ、1990年1月、35頁。
- ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .25 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.4 MS開発戦争編】』バンダイ、1991年2月15日、102-103頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム MS大全集 Ver.3.0』バンダイ、1992年6月30日、136頁。
- ^ a b c d 『モビルスーツ全集3 ザクBOOK』11、116、127頁。
- ^ a b c d 『機動戦士ガンダムMS大全集2013[+線画設定集]』26、254頁。
- ^ a b c d e f g “ジオン軍 __ Mobile Suit __ 機動戦士ガンダム 第08MS小隊.html”. サンライズ. 2020年8月19日閲覧。
- ^ a b プラモデル『HG 1/144 「高機動試作型ザク」』商品パッケージ, HG GUNDAM THE ORIGIN, バンダイ(プレミアムバンダイ), (2016年4月)
- ^ a b “MSD(Mobile Suit Discovery)|機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト.html(トップページ)”. サンライズ. 2020年8月19日閲覧。
- ^ a b c d e f “MSD(Mobile Suit Discovery)|機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式サイト.html(メカニカル)”. サンライズ. 2020年8月19日閲覧。
- ^ “高機動型ザク|昼MS【ガンチャン】”. Youtube. 創通・サンライズ. 2021年1月6日閲覧。
- ^ 『NEO COMICS 機動戦士ガンダム第08MS小隊 2 密林のガンダム』辰巳出版、1997年7月、108頁。ISBN 978-4-88641-213-3。
- ^ a b c 『総解説 ガンダム事典 Ver.1.5』160頁
- ^ ホビージャパン『GUNDAM MECHANICS』より。
- ^ a b c d e f g h i j プラモデル『HG 1/144 「ドム試作実験機」』商品パッケージおよび取り扱い説明書, HG GUNDAM THE ORIGIN, バンダイ, (2016年2月)
- ^ a b 『ガンダムエース』2019年3月号、KADOKAWA、353頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1/144 HG MS-06R-1A 高機動型ザクII(ガイア/マッシュ専用機)』付属説明書、バンダイ、2015年6月。
- ^ a b 『永久保存版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN ヒストリア』宝島社、2019年5月、93頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック 2』152頁
- ^ 『愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN VII ルウム編』96頁
- ^ 『HG THE ORIGIN 高機動型ザク ガイア/マッシュ専用機』説明書、バンダイ、2015年6月。
- ^ 『HG THE ORIGIN 高機動型ザク オルテガ専用機』説明書、バンダイ、2015年9月。
- ^ “機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島”. Twitter. 2022年5月17日閲覧。
- ^ マスターグレード『高機動型ザク“サイコ・ザク”Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)』説明書。
- ^ 漫画版では、リビングデッド師団とムーア同胞団の艦隊戦で、OVA版ではフルアーマー・ガンダムとの戦闘で失っている
- ^ 『機動戦士ガンダム サンダーボルト RECORD of THUNDERBOLT』ホビージャパン、2016年6月、50頁。
- ^ a b 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第16巻(限定版)付録「MSデザインワークス[設定集vol.2]」小学館、2020年10月5日、38頁。
- ^ 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第16巻(限定版)付録「MSデザインワークス[設定集vol.2]」小学館、2020年10月5日、4-9頁。
固有名詞の分類
ジオン公国の機動兵器 |
ザクI ビグロ 高機動型ザクII ガルバルディ アッグシリーズ |
- 高機動型ザクIIのページへのリンク