銀 産出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/19 01:54 UTC 版)

産出

2011年の銀世界生産

世界で最も銀の産出量の多い国はメキシコであり、以後中華人民共和国ペルーオーストラリアロシアチリボリビアポーランドアメリカ合衆国カナダの順となっている。このうちメキシコ、ペルー、ボリビアは古くから銀の大産出地として知られた土地である。しかしいずれの国においても、現代では銀鉱石がそのまま産出されるものよりも、亜鉛などの鉱石を電解精錬した副産物として得られるものが大半を占める。また、この電解精錬法によってそれまで打ち捨てられていた品位の低い銀やほかの鉱石に紛れ込んでいた少量の銀をも回収することが可能になり、銀の生産は激増した[33]

また銀は高価であるため流通網が整っており、市中から回収された銀製品を鋳つぶして再び銀として流通させるリユースリサイクルもかなり大きな割合を占める。

産出量 (2011年)[34]
順位 産出量
(t)
1 メキシコ 4.150
2 中華人民共和国 3.700
3 ペルー 3.410
4 オーストラリア 1.730
5 ロシア 1.350
6 チリ 1.290
7 ボリビア 1.210
8 ポーランド 1.170
9 アメリカ合衆国 1.120
10 カナダ 572
- 他の国 3.600
総計 23.300
世界の産出量トップ6の銀鉱山[35]
鉱山 2010年産出量
Cannington銀・鉛・亜鉛鉱山 オーストラリア 38.6 Moz
Fresnillo銀鉱山 メキシコ 38.6 Moz
San Cristobal多金属鉱山 ボリビア 19.4 Moz
Antamina銅・亜鉛鉱山 ペルー 14.9 Moz
Rudna銅山 ポーランド 14.9 Moz
Peñasquito多金属鉱山 メキシコ 13.9 Moz

注釈

  1. ^ 以前はSilver1000 (SV1000)であったが、2012年4月以降は国際標準規格(ISO9202)及び日本産業規格(JIS H6309)に準じ、最低含有率の考え方を基に新しい品位表示に変更された。造幣局貴金属製品の品位区分と証明記号貴金属製品の品位区分と証明記号
  2. ^ 銀(銅)については 「水質汚濁に係る環境基準について 人の健康の保護に関する環境基準 別表1」(環境省)に該当しない。
  3. ^ 銀については 「土壌の汚染に係る環境基準について土壌環境基準 別表」(環境省)に該当しない。
  4. ^ 化管法施行令の定めにより銀及びその水溶性化合物は、第一種指定物質である(化管法施行令 別表第1の82)。
  5. ^ 特別要件施設と呼称する。内訳は以下のとおり[26]
    1. 鉱山保安法により規定される特定施設(金属鉱業、原油・天然ガス鉱業に属する事業を営むものが有するものに限る)
    2. 下水道終末処理施設(下水道業に属する事業を営むものが有するものに限る)
    3. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律により規定される一般廃棄物処理施設及び産業廃棄物処理施設(ごみ処分業及び産業廃棄物あ処分業に属する事業が有するものに限る)
    4. ダイオキシン類対策特別措置法により規定される特定施設
  6. ^ 希少金属・宝飾品の域を出ない金と比較して、銀は貨幣などとして物流に常用されてきたため、「金は肝心の実用では役に立たない。銀は実用で有効に使うことができ、役に立つ。」という意味だとする解釈もある。
  7. ^ これを機に写真感材メーカーが脱銀化に向けた取り組みを加速した。

出典

  1. ^ . コトバンクより2020年9月4日閲覧
  2. ^ http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/ag#nav3
  3. ^ http://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.04.0059:entry=argentum
  4. ^ 桜井弘『元素111の新知識』講談社、1998年、220頁。ISBN 4-06-257192-7 
  5. ^ 羅臼町広報誌平成25年9月号
  6. ^ 石見銀山遺跡とその文化的背景”. 石見銀山世界遺産センター. 2015年9月21日閲覧。
  7. ^ 眞鍋周三編著 『ボリビアを知るための73章 【第2版】 』p181 明石書店 <エリア・スタディーズ 54> 2013年 ISBN 978-4-7503-3763-0
  8. ^ 「大英博物館 図説 金と銀の文化史」p158 スーザン・ラニース、フィリパ・メリマン著 別宮貞徳訳監修 小川昭子・八坂ありさ訳 柊風舎 2012年1月11日第1刷
  9. ^ 小葉田淳 『日本鉱山史の研究』 岩波書店、1968年
  10. ^ 小葉田淳 『日本の貨幣』 至文堂、1958年
  11. ^ 「ラテンアメリカを知る事典」p42 平凡社 1999年12月10日新訂増補版第1刷
  12. ^ 東京天文台編纂 『理科年表2008』 丸善
  13. ^ 木下亀城、小川留太郎 『標準原色図鑑全集6 岩石鉱物』 保育社、1967年
  14. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  15. ^ 「なぜ、韓国料理では銀の箸を使うのか知りたい。」(岡山県立図書館) - レファレンス協同データベース
  16. ^ 金と銀の物語-金・銀の豆知識 大淵銀器
  17. ^ F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
  18. ^ 「宝石の写真図鑑」p. 50 キャリー・ホール著 日本ヴォーグ社 1996年3月1日第1刷
  19. ^ 西川精一 『新版金属工学入門』p511 アグネ技術センター、2001年
  20. ^ JIS H 6309日本産業標準調査会経済産業省
  21. ^ 永尾栄二郎 (2013年1月31日). “米国では銀貨が過去最高の売れ行き 急騰後、調整中の銀価格はどうなるか”. 東洋経済オンライン (東洋経済新報社). http://toyokeizai.net/articles/-/12734?page=4 2016年6月14日閲覧。 
  22. ^ 抗菌作用を持つ材料、抗菌化研株式会社
  23. ^ 抗菌製品技術協議会、 A8.品質と安全性に関する自主規格
  24. ^ 抗菌製品技術協議会、 A8.品質と安全性に関するデータ等の自主登録規定
  25. ^ 環境基準」(環境省)
  26. ^ PRTR制度 対象事業者”. 経済産業省. 2019年7月24日閲覧。
  27. ^ 銀は酸化皮膜、硫化被膜が生じやすいため、比較的大電流向けの接点に用いられる。
  28. ^ くもりのち晴れ2002/11 社団法人日本プリント回路工業会 2002年11月
  29. ^ 一般リレー - 製品に関するFAQ FAQ04896 オムロン制御機器
  30. ^ 日本語)『Sony Japan MicroBattery』(プレスリリース)ソニー株式会社http://www.sony.co.jp/Products/MicroBattery/sr/2015年8月28日閲覧 
  31. ^ Ehren Goossens (2011年6月23日). “銀相場の高騰、太陽光発電業界に「逆風」-化石燃料との競争力低下” (日本語). bloomberg.co.jp. http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LN80LY0D9L3501.html 2016年7月20日閲覧。 
  32. ^ 厚生労働省 食品添加物のページ 既存添加物名簿の104
  33. ^ 「大英博物館 図説 金と銀の文化史」p159 スーザン・ラニース、フィリパ・メリマン著 別宮貞徳訳監修 小川昭子・八坂ありさ訳 柊風舎 2012年1月11日第1刷
  34. ^ Silver. (PDF; 28 kB) In: U.S. Geological Survey: Mineral Commodity Summaries. Januar 2013.
  35. ^ CPM Group (2011). The CPM Silver Yearbook 2011. New York, NY: Euromoney Books. pp. 68. ISBN 978-0-9826741-4-7 
  36. ^ シルバーショック”当社を襲う』(プレスリリース)富士フイルムhttp://www.fujifilm.co.jp/corporate/aboutus/history/ayumi/dai4-29.html2016年6月14日閲覧 
  37. ^ 貴光, 宮山; 裕太, 荒井; 靖史郎, 平野 (2012). “生活環境における銀曝露とその健康影響”. 日本衛生学雑誌 67 (3): 383–389. doi:10.1265/jjh.67.383. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/67/3/67_383/_article/-char/ja/. 
  38. ^ . doi:10.1093/annhyg/mei019. https://academic.oup.com/annweh/article/49/7/575/148203/ExposureRelated-Health-Effects-of-Silver-and. 





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