踊る大捜査線 トピックス

踊る大捜査線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 03:30 UTC 版)

トピックス

お台場地区を主要な舞台とする本作品は1996年から1997年にかけてフジテレビ本社が新宿区河田町からお台場地区に移転した(撮影当時は本格移転前で、撮影スタジオのみ先行して使用していた)ことを受けて「フジテレビお台場移転第1回記念作品」として作られテロップまで作成されたが、系列局からの「フジテレビだけで放送するんじゃないから」との反対で最終的には外された[22]

第2作公開後、重要メンバーである和久平八郎役のいかりや長介が病没。スピンオフ作品である『容疑者 室井慎次』では、和久の健在を匂わす台詞があるが、MOVIE3での和久は故人の設定で、甥っ子として和久伸次郎が登場する。

スタッフによる遊び心

前述の「ハイパーリンク」をはじめ、劇中には様々な"遊び"が盛り込まれている。

カエル急便

劇中に登場する架空の運送会社のブランド名(正式社名は新日本運搬)で、カエルのロゴマークが特徴である。毎回、カエル急便が登場すると、何かしら事件が発生する。番外編(『湾岸署婦警物語』)ではカエル急便の社屋も画面上に登場している。映画 新たなる希望では、カエル急便の倉庫も登場している。

テレビアニメ版の『学校の怪談』には、新聞にカエル急便の広告が載っていた[いつ?]。(テレビアニメ『GTO』第15話にも理事長の読んでる新聞にカエル急便の広告があった。)テレビアニメ『GTO』の第17話「悪い夢! 逃亡者・鬼塚!」にカエル急便のダンボールが山積みにされていた。

だるま

劇中に出てくる居酒屋の名前。TVシリーズ第1話和久の台詞から登場している。署長らの接待でたびたび利用されているほか、『初夏の交通安全スペシャル』で篠原夏美の歓迎コンパでも利用されている寿司屋「和之竹」が隣にある。『THE MOVIE 3』のスピンオフムービー『係長 青島俊作 THE MOBILE』でも、傷害事件の現場になった。

レインボー最中(もなか)

湾岸署管轄区域唯一の架空の名産品で署長たちが接待するときに必ず差し出す七色の最中。レインボーブリッジとかけた名前で、劇中で何度か使われ、その後も「レインボーせんべい」等の派生品も登場した。

カップ麺

「キムチラーメン」「わさびラーメン」など架空のもの、実在のもの含めて様々なカップ麺が登場する。『THE MOVIE 2』公開の際には「湾岸ラーメン」というカップ麺が劇中に登場した。

2005年8月には、劇場公開された『容疑者 室井慎次』において舞台となる新宿北署にあった明星食品の自販機の中に入っていたカップ麺のうち、「北新宿キムチ麺」と「北新宿トムヤム麺」2つのエスニック系カップ麺が、実際に明星食品から商品として全国発売された。

2010年6月21日、劇場公開される『THE MOVIE 3』の劇中登場にあわせて「踊る大捜査線 ザ・湾岸ラーメン 海鮮キムチコク塩味」が、明星食品より全国発売された[23]

2012年8月27日、劇場公開される『THE FINAL』に合わせて、劇中にも登場する「踊る大捜査線 ザ・湾岸ラーメン ワンタン麺 エビ塩味」が明星食品より全国発売された[24]

登場シーン

THE MOVIE 2の冒頭、青島刑事の通勤シーンはテレビシリーズ第1話で青島が初めて湾岸署に向うシーンと同一の経路を辿っており、「空き地」から「観光地」への変貌振りがよくわかるつくりになっている。

番外編で“女青島”こと篠原巡査(内田有紀)が通勤するシーンも、第1話のこれと同一のカット割になっており、青島と女青島との対比が描かれている。

オープニング

テレビシリーズのオープニングで、それぞれの役柄の出身地や現住所、役職といったプロフィールが書かれている。

登場人物のプロフィール

劇中に出てくる登場人物の誕生日は演者と同じである。その他にも生年や出身地、血液型まで同じ人物もいる。

製作スタッフの出演

プロデューサーの亀山千広、東海林秀文をはじめ、多くの製作スタッフが『内トラ(内部エキストラ)』(業者に依頼し端役を発注するエキストラに対し、端役を内部のスタッフでまかなうこと)としてテレビ・映画全てにおいて多くのシーンに出演しており、一部の役(死体発見者、ボクサーとトレーナーなど)は準レギュラー化している。このほかに番組内で使用されている「前科者リスト」や「容疑者リスト」にもスタッフの写真が使用されるなどしている。スタッフの子供が出ているケースもある。

プロデューサーの亀山千広は「深夜も踊る大捜査線」では脚本家の君塚良一とともに「管内で刑事ドラマを撮影する許可(設定上、フジテレビ本社は湾岸署の管轄内となる)をもらいに湾岸署に来る」という設定で本人役で出演している。

東京ラブストーリー

『秋の犯罪撲滅スペシャル』で、青島たちが調べている被疑者所有ビデオテープの中の1本に、『東京ラブストーリー』が登場。青島は感情移入して見入る面々を横目に、織田演じるカンチのことを「何だかはっきりしない男ッスよね」とダメ出しし、周囲の微妙な反応を招く。

新世紀エヴァンゲリオン

本作の捜査本部などの場面用に製作された楽曲『危機一髪』は新世紀エヴァンゲリオンの戦闘シーン用の楽曲『Decisive Battle(EM20)』の特徴的なティンパニーパートのリズムをほぼそのまま使用している[注 9]。これについて作・編曲者である松本晃彦は、本楽曲が収録されている『RHYTHM AND POLICE ORIGINAL SOUND TRACK II SOUND FILE』ブックレット内の記事にて「某アニメシリーズ?多くは語りませんがスタッフがファンなのは確かです」と関連を匂わせている。また、TV放送版の最終回・第11話で緊急逮捕された安西を湾岸署に連行してくるシーンにてDecisive Battle自体がそのままBGMとして使用されている[注 10]

『歳末特別警戒スペシャル』の冒頭、オーストリア大統領夫人による杉並区の病院訪問を報道するTVリポーターの名前が綾波麗(うらら)となっている[注 11]。彼女は『初夏の交通安全スペシャル』にも出演し、主人公・篠原夏美とは短大時代の同級生という設定が追加されている。夜間の飲酒運転検問で引っかかったTV番組プロデューサーの車に同乗しており、夏美に対して知り合いのよしみから「新しい仕事が取れそうだから」とプロデューサーの違反もみ消しを冗談半分に依頼している(夏美は拒否)。彼女の名前の元ネタは新世紀エヴァンゲリオンに登場するヒロインの一人、綾波レイである。

他の映画作品へのオマージュ

『歳末特別警戒スペシャル』のクライマックスでは、BGMとしてベートーヴェン第九をバックに青島たちが犯人と格闘するシーンがあるが、映画「ダイ・ハード」や『新世紀エヴァンゲリオン』、後の『相棒』のシーンと似た手法がとられている[独自研究?]

「踊る大捜査線 THE MOVIE」のクライマックスで、青島が煙突から出るピンクの煙によって監禁された和久を探すシーンがある。そのシーンの画面が白黒になり煙突からのピンク煙だけを着色しているのは、黒澤明の映画「天国と地獄(1963年)」に出てくる煙突シーンとほぼ同じである(「天国と地獄」は全篇白黒作品だが、煙突からの煙のみ着色している。このような映画を「パートカラー作品」ということがある)。そのためそのシーンで青島は「天国と地獄だ」というセリフを言う。このモチーフの使用や劇中での「黒澤塗料」の名称使用などについては撮影前に権利者である黒澤プロダクションより正式な使用許諾を受けている(本広克行監督が「THE MOVIE」DVDのコメンタリーにて発言)。ラストでは、いきなり背中を刺されているが、これも「振り返れば奴がいる」のオマージュと考えられる。

『THE MOVIE 2』のOPではジャッキー・チェンファースト・ミッションの実技訓練。犯人グループの一人が東北訛りで「蒲田」のことを「カメダ」と発音するシーンがあるが、松本清張原作の「砂の器」に出てくる件とまったく同じ手法である。すみれがそのシーンの後「砂の器……」とつぶやくセリフがある。

劇中用語

本作の劇中用語はいずれも、過去の刑事ドラマではあまり用いられることのなかったものである。それまでの刑事ドラマでは犯人のことを「ホシ」[25]、事件のことを「ヤマ」などという隠語で呼ぶようにしていた。「踊る」においては全面的にこのような隠語が一般的な呼称として用いられていない。劇中では犯人のことを「被疑者・マル被」、容疑者の身柄を拘束することを「確保」と言い換えていた。

刑事課のみならず、警察内で警察官が使う「任同」「機捜」「現着」「追尾」「ローラー」「害者」「123」などの職業用語も多数引用され、一部は世間一般にも広まった。犯人と「被疑者」とは同義語ではないが、「マル被」という言い方は実際の警察の捜査員も使用する。「確保」はあくまで身柄確保の意味であり、逮捕のみを指すとは限らない。

実際に警察官(特に私服警官である刑事)は外部で仕事の話をする場合、「会社」「社長」などビジネス用語を用い、警察官であることを悟られないようにしている。しかし、これが原因で 副総監誘拐事件が発生した。

劇中で「労災」という言葉が頻繁に登場する。公務員である警察官は同様の制度である「公務災害」が適用される[注 12]

劇中で「拳銃携帯命令」と呼ばれる署員に拳銃を所持させる命令が出されているが、実際には拳銃携帯に特別な許可や命令は存在しない。

TVシリーズ第7話で、「拘留(こうりゅう)期限まで○時間○分」というテロップが複数回発現するが、これは誤りで、「勾留(こうりゅう)~」が正しい。 どちらも読み方は同じ「こうりゅう」であるが、意味がまったく異なる。 前者は刑罰としての身柄拘束を、後者は被疑者(または被告人)の逃亡や証拠隠滅を防ぐための身柄拘束をそれぞれ指す。


注釈

  1. ^ いかりや長介『だめだこりゃ』p.200-201に、いかりやがプロデューサーの亀山に尋ねたときの会話が掲載されている。
  2. ^ (同クールにフジテレビが放映していた恋愛ドラマ(月曜9時枠バージンロード」のこと)の視聴率が比較的よかったため、同じ恋愛ものをぶつけるのは足の引っ張り合いになりかねない)
  3. ^ テレビシリーズのオープニングのプロフィールがB型になっている。現在のプロフィールではA型。
  4. ^ この回では、犯人確保時に犯人がバタフライナイフを出すシーンがある。このナイフを使った殺傷事件が発生して以降は再放送ではこのシーンでモザイク処理が掛けられていたが、事件が風化した2012年現在は特に処理は掛けられていない
  5. ^ 木村多江に関しては映画本編に出ているものの看護師役である。
  6. ^ 事件発生は1997年3月17日18時59分
  7. ^ 後半の一部はその数か月後の時間軸である。
  8. ^ 冒頭で12月21日の字幕が出るため、少なくとも同日を含めた数日間である。
  9. ^ 『危機一髪』自体はこの他、ドビュッシー『海』の一節を用いるなど様々な有名曲メロディの集合体のような曲である。
  10. ^ 権利の関係から、VHSやDVD等では別の曲へ変更されている。
  11. ^ 演じているのは元プロ野球選手・近藤昭仁と女優の北沢典子の次女で女優の近藤典子である。
  12. ^ THE MOVIE2ではすみれが青島に公務災害の申請書を渡していた。
  13. ^ 実際の東京湾岸警察署は東京水上警察署の機能を引き継いだため、東京都区部の沿岸地域全体や東京港、河川なども管轄する中規模警察署である。

出典

  1. ^ 君塚良一『「踊る大捜査線」あの名台詞が書けたわけ』朝日新書307、朝日新聞出版、2011年7月、p. 82。 ISBN 978-4-0227-3407-5
  2. ^ https://news.yahoo.co.jp/articles/9e113db0ee5ca15cf78db1552b9b0d7448f14996 難色示していた織田裕二もGO『踊る大捜査線』続編報道にSNS歓喜「今度はどんな名言が?」 2024年2月9日
  3. ^ 令和の時代に「踊る大捜査線」トレンド入り 公式サイト「映画『室井慎次』」に衣替え でファンどよめきJcastニュース、2024年3月18日
  4. ^ 「映画『室井慎次』公式サイト」2024年3月18日
  5. ^ a b c d 大高宏雄「『TOKYO JOE』公開特別対談 1988年。そこから日本映画は変わった! 時代を変えたプロデューサー、亀山千広×奥山和由が語る『TOKYO JOE』、そして日本映画」『キネマ旬報』2008年12月下旬号、キネマ旬報社、61–68頁。 
  6. ^ 「踊る大捜査線 COMPLETE DVD-BOX 付属特製ブックレット」p. 1。
  7. ^ 「踊る大捜査線 COMPLETE DVD-BOX 付属特製ブックレット」pp. 9-10。
  8. ^ 君塚良一「各話解説第4話」『踊る大捜査線 湾岸警察署事件簿』p. 126。
  9. ^ 『THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』TV 警視正 階級章
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ついにファイナル!『踊る大捜査線』第4弾映画化が決定”. ORICON NEWS. (2011年12月29日). https://www.oricon.co.jp/news/2005268/full/ 2017年7月28日閲覧。 
  11. ^ a b c d e f 「ススめる!ぴあ|踊るクロニクル年表」ぴあ株式会社p. 24-25、第39巻第12号通巻1312号、2010年6月17日発行
  12. ^ a b 「踊る大捜査線」最後のスペシャルドラマ 21・3%の高視聴率”. スポニチ (2012年9月3日). 2012年11月25日閲覧。
  13. ^ 日本国内歴代総合興行収入ランキング 1位 - 100位http://www.eiga-ranking.com/boxoffice/japan/alltime/total/
  14. ^ 日本映画の歴代興行収入一覧
  15. ^ 2003年(平成15年)興収10億円以上番組” (PDF). 日本映画製作者連盟 (2004年). 2013年11月15日閲覧。
  16. ^ “香取両さん”映画で復活!シリーズ化も決定”. スポニチ (2011年3月4日). 2012年11月25日閲覧。
  17. ^ 一般社団法人 日本映画製作者連盟 (2011年1月27日). “2010年度(平成22年)興収10億円以上番組(平成23年1月発表)[邦画]” (PDF). 2011年1月28日閲覧。
  18. ^ “「踊る大捜査線」完結編製作が決定 15年の歴史に幕”. 映画.com. (2011年12月29日). http://eiga.com/news/20111229/1/ 2011年12月31日閲覧。 
  19. ^ 2013年記者発表資料(2012年度統計)” (PDF). 日本映画製作者連盟. p. 2 (2013年1月). 2013年2月1日閲覧。
  20. ^ 「君塚良一による踊る大捜査線 THE MOVIE解説」『踊る大捜査線THE MOVIE シナリオガイドブック』p. 116
  21. ^ a b 「3日間」『踊る大捜査線THE MOVIE 2レインボーブリッジを封鎖せよ!完全調書 お台場連続多発事件特別捜査本部報告書』p. 56。
  22. ^ 「踊る大捜査線 COMPLETE DVD-BOX 付属特製ブックレット」pp. 5-6。
  23. ^ 『明星 踊る大捜査線 ザ・湾岸ラーメン 海鮮キムチ コク塩味』 2010年6月21日(月) 新発売』2010年5月25日http://www.myojofoods.co.jp/news/pdf/20100525_02.pdf2012年11月24日閲覧 
  24. ^ 明星 踊る大捜査線 ザ・湾岸ラーメン ワンタン麺 エビ塩味 2012年8月27日(月) 新発売』2012年7月31日http://www.myojofoods.co.jp/news/pdf/20120731_01.pdf2012年11月24日閲覧 
  25. ^ 日本映画専門チャンネル編『「踊る大捜査線」は日本映画の何を変えたのか』幻冬舎、2010年9月、p.61。 ISBN 978-4344981867
  26. ^ 第40回 松本 晃彦 氏”. Musicman-NET (2003年12月18日). 2021年8月28日閲覧。
  27. ^ スマホ時代に着信メロディ復活元年 GIGAエンタメロディ「着信メロディ15年間ランキング」発表 歴代No.1アーティストはEXILE、PRTIMES(株式会社フェイス・ワンダワークス)、2015年1月20日。
  28. ^ "El Cacabel"の演奏例 YouTube
  29. ^ "El Cacabel"の演奏例 YouTube
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  31. ^ 実績紹介/クロス・ウェーブ府中
  32. ^ 映画『イノセンス』公式サイト
  33. ^ 世界が注目する映像クリエイター 押井守の世界
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  35. ^ りんかい線 東京テレポート駅発車メロディーは、踊る大捜査線のテーマ曲です|りんかい線http://www.twr.co.jp/route/melody_odoru.html2012年11月24日閲覧 






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