芭蕉の辻 名称の由来

芭蕉の辻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 03:12 UTC 版)

名称の由来

以下の諸説がある。

  1. 伊達政宗間諜として働き、恩賞として辻の四隅の建物を授かった芭蕉という名の虚無僧が住んでいた(『封内山海名蹟記』)。
  2. 芭蕉の樹が植えてあった(『封内風土記』)。

1.の虚無僧説が有力である[1][2]。芭蕉の樹説については井原西鶴の『一目玉鉾』でも記述がある[注釈 3][4]

なお、松尾芭蕉とは関係がない。

北西角の道標(2008年5月撮影)

1935年(昭和10年)に伊達政宗の没後300年を記念した藩祖伊達政宗公三百年祭が行われ、政宗が整備した城下町の基点ともいうべきこの地に「芭蕉の辻」の碑が建てられた[12]。前の内閣総理大臣で、三百年祭の名誉総裁であった斎藤実が揮毫したものであったが、1945年(昭和20年)の仙台空襲の後、行方不明となった[12]。その後、北西角の明治安田生命仙台ビルの前に、1970年(昭和45年)竣工の「芭蕉の辻」の碑と「江戸六十九次」「日本橋迄九十三里」と刻まれた道標が新設されている。

脚注

参考文献

  • 平凡社地方資料センター 『宮城県の地名』(日本歴史地名大系第4巻) 平凡社、1987年。
  • 角川日本地名大辞典編纂委員会 『角川日本地名大辞典4 宮城県』 角川書店、1979年。
  • 仙台市史編さん委員会 『仙台市史』通史編4(近世2) 仙台市、2003年。
  • 仙台市史編さん委員会 『仙台市史』通史編6(近代1) 仙台市、2008年。
  • 仙台市史編さん委員会 『仙台市史』通史編7(近代2) 仙台市、2009年。

関連項目


注釈

  1. ^ 大正時代に書かれた『仙台巡杖記』では、1829年(文政12年)2月(あるいは天明年間とも)に発生した火事によって四隅の建物が焼失した際には、仙台藩が同年6月に材木を供給して再建を命じたとしている[5]
  2. ^ 七十七銀行本店の移転後、芭蕉の辻の南西角に建てられた新仙台ビルディング内に七十七銀行芭蕉の辻支店が入居していたが、このビルの建て替えに伴い芭蕉の辻支店は2018年(平成30年)6月29日をもって営業を終了し、本店営業部の店舗内店舗となった[9]
  3. ^ ただし、西鶴は仙台には来ていない。

出典

  1. ^ a b c d e 『宮城県の地名』(日本歴史地名大系第4巻)268-269頁。
  2. ^ a b c d e 『角川日本地名大辞典4 宮城県』430-431頁。
  3. ^ 仙台巡杖記』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  4. ^ a b c d e 『仙台市史』通史編4(近世2)179-180頁。
  5. ^ a b 仙台巡杖記』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  6. ^ a b 『仙台市史』通史編6(近代1)402-403頁。
  7. ^ 名所となったハイカラな建物(七十七銀行CYBER金融資料館「宮城県・仙台市の歩みと七十七銀行」)
  8. ^ 沿革(七十七銀行)
  9. ^ 芭蕉の辻支店の店舗移転のお知らせ” (PDF). 七十七銀行 (2018年4月17日). 2018年12月24日閲覧。
  10. ^ 日本銀行仙台支店 仙台支店のご紹介(仙台支店の歴史)”. 日本銀行仙台支店. 2018年12月24日閲覧。
  11. ^ 『仙台市史』通史編7(近代2)314・489頁。
  12. ^ a b “河北抄”. 河北新報. (2018年12月18日). https://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyou/20181218_01.html 2018年12月24日閲覧。 


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