糸球体腎炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 07:44 UTC 版)
慢性糸球体腎炎
急性糸球体腎炎の発症後、1年以上にわたって異常な尿所見や高血圧症状の持続するものを指す。また、発病時に明らかな腎炎症状は見えないが、1年以上異常尿所見の続くものも含む(ただし、膠原病・糖尿病性腎症・痛風腎・本態性高血圧・腎血管性高血圧・腎盂腎炎・起立性蛋白尿・中毒性腎症等の全身性疾患に因る物は除外する)。なお、進行により腎不全から尿毒症へと変化する。
病型
- 巣状糸球体硬化症・巣状糸球体炎(FGS)
- メザンギウム増殖性糸球体腎炎
- 膜性糸球体腎炎
- 膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)
- 硬化性糸球体腎炎
- その他
原因
不明。ただし、免疫機序が考えられている。
症状
急性糸球体腎炎と同様である。
検査
- 尿検査…蛋白尿・顕微鏡的血尿が見られる。
- 血液生化学検査…総蛋白/総コレステロール比の低下(尿蛋白排泄の多い時)。尿素窒素/クレアチニン比の上昇(糸球体濾過値低下時)。
- 腎機能検査…血清尿素窒素、血清クレアチニンの上昇。クレアチニンクリアランス(Ccr)の低下。
- 腎生検…病型の確定。
治療
病状の進行が見られない場合は生活管理・食事療法を中心とし、薬物を補助的に用いる。病状の進行が見られる場合は、厳密な食事療法と薬物療法を組み合わせて用いる。薬物投与は蛋白尿に対してはジピリダモール、ネフローゼ症候群を呈する場合は副腎皮質ステロイドを使用する。また、高血圧の場合はα―メチルドーパを、浮腫の強い場合はフロセミドなどの利尿剤を投与する。
関連
脚注
外部リンク
- 急速進行性糸球体腎炎(指定難病220) - 難病情報センター
- ^ a b c エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2017, 東京医学社, (2017年5月), ISBN 978-4-88563-283-9
- 1 糸球体腎炎とは
- 2 糸球体腎炎の概要
- 3 慢性糸球体腎炎
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