第一次五カ年計画 中国の第一次五カ年計画

第一次五カ年計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/11 00:56 UTC 版)

中国の第一次五カ年計画

中華人民共和国の経済も中央人民政府副主席高崗率いる国家計画委員会の主導で、1953年から1957年にかけて第一次五カ年計画(一五計画)を導入(中国の五カ年計画も参照)。ソビエト連邦型の計画経済を模倣。ソ連型社会主義をモデルとし、農業の集団化などの社会主義化政策を進めた。ホータン市の織物業、養蚕業に近代的な技術を導入。新疆医科大学ソ連の援助による第一次五ヶ年計画の重要事業として設立された。1953年に鉱山の生産が再開された馬鞍山市も第一次五カ年計画の期間中急速に成長することとなる。

その他の第一次五カ年計画

東ドイツことドイツ民主共和国も一党独裁体制であり、計画経済の下で建国した1949年に二カ年計画を開始。1951年より第一次五カ年計画が開始された。計画実施のために中央集権化が図られる。西ドイツよりも戦後復興目的が特にエネルギー産業に図られている。

アルゼンチンの歴史においても1947年から重工業の発展を目指した第一次五カ年計画がはじまるが失敗が明らかになり、アメリカ合衆国主導の米州機構から脱退している。インドでは第一次五カ年計画を経てインドの教育において女子の小学校および上級小学校への就学を劇的に改善させた。ラオスの歴史においても、プーマ首相の下、「第一次経済・社会開発五ヶ年計画」が実行に移され、国づくりへの取組みが本格的に始動、イタリアについては鹿島守之助が『南部イタリー開発 第一次五カ年計画(一九五〇-一九五五年)の成果』(鹿島研究所 1958年)を著している。

大韓民国でも1961年5・16軍事クーデターで政権を掌握した朴正熙により、従来の李承晩政権が作っていた三カ年経済計画を修正する形で第一次経済開発五カ年計画(1962年‐66年)を推進し漢江の奇跡を起こす。和浦丸コリアの船影はその第一次経済開発五カ年計画記念切手の意匠にも選ばれている。しかし第一次経済開発五カ年計画は1964年に行き詰り、その打破を目指し1965年にベトナム戦争に参戦、主力部隊5万人をベトナムに派遣していた。

その韓国と1950年から1953年にかけて朝鮮戦争で激しく戦った朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)でも中央集権的な国家計画の手法を適用。社会主義国家の通例に従い、かつ金日成国家主席による独自の思想体系とされる主体思想の最初の適用とされるものの1つとして、「千里馬運動」とも呼ばれている1956年から1961年の五カ年計画で戦後の経済復興を志向した。ソビエト連邦と中華人民共和国の両方からの政治的独立を確実にするために重工業に焦点を当てた北朝鮮の迅速な経済発展を目的とし、毛沢東の第一次五カ年計画や大躍進政策とも部分的な関連がみられる。第一次五カ年計画の初年度に金日成千里馬郡の降仙製鋼所を視察して労働者に増産を呼びかけ、翌1957年には鋼材の大増産が達成されたとされる。なお、北朝鮮ではより長期間の経済計画作成が指向され、1961年からは「第一次七カ年計画」が実施された。


  1. ^ 『中学社会 歴史』(教育出版株式会社。文部省検定済教科書。中学校 社会科用。平成8年2月29日文部省検定済。平成10年1月10日印刷。平成10年1月20日発行。教科書番号 17 教出・歴史 762)p 245の本文には「ソ連では, レーニンの死後, スターリンの指導のもとに, 1928年から5か年計画を実行し」と書かれていて、『新しい社会 歴史』(東京書籍株式会社文部科学省検定済教科書。中学校 社会科用。平成13年3月30日検定済。平成16年2月1日印刷。平成16年2月10日発行。教科書番号 2 東書 歴史 702)p 164の本文には「ソ連は, スターリンを指導者として共産党の独裁体制をしき, 1928年から「5か年計画」をかかげて」と書かれていて、『社会科 中学生の歴史』(株式会社 帝国書院文部科学省検定済教科書。中学校 社会科用。平成17年3月30日文部科学省検定済。平成20年1月10日印刷。平成20年1月20日発行。教科書番号 46 帝国 歴史-713)p 201の「⑥ 世界恐慌と各国の動き」には「ソ連 五か年計画」と書かれている。


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