石井紘基
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政策・活動
若いころにソ連(当時)に留学、博士号を取得。早くも70年代にそのソ連の崩壊を予言していたという[2]。
カルト宗教問題
世田谷区成城での統一教会進出反対運動に協力した。1995年頃に教団が関連施設の設置を計画し、近隣住民とトラブルになる事件が発生した。近隣住民は教団の霊感商法やマインドコントロール、脅迫などの悪評から進出に反対し、「統一協会成城教会を断固阻止する会」を結成し、反対運動を展開した。これに教団は激しく反発し、内容証明を送付し法的措置を予告。さらに住民に対し「子供たちを皆殺しにする」との差出人不明の脅迫状も送付され、無言電話も殺到した。この運動に協力し、石井は土地の貸主と交渉。貸主の建設会社は教団宛に「契約解除」の通告を出すに至った[3]。
僕の地元の成城で、最近統一教会が建物を借りて改装工事を始めたのです。それで、地域住民はこぞってピケをはり、統一教会が建物の中に入れないようにしていますが、こんなことをしても、始まってから何ヶ月経っても政治家はさっぱり表に出てこないんですね。いろいろアプローチしていくと、どうも統一教会の息のかかった政治家というのが随分いるようだ、と地元の方も言っていました。 未来に向けて社会をどのように改革していくか、ということを政治家が真剣に考えないものだから、その間に経済活動や政治活動を通して宗教団体にどんどん侵食されているという面がありますね。
— 石井紘基『オウム事件は終わらない―カルト宗教と日本社会』より[14]
また、オウム真理教と統一教会の関係について、不可解な点があると主張していた[14]。
ロシアにオウムが進出して行きましたね。ロシアには5万人もオウムの信者がいたそうですが、オウムが行く前に統一教会がロシアに進出していました。ところが、そういう連中が、どうもいつの間にかオウム信者とすり替わってしまった。 捜査についてですが、日本ではオウムの全容が明らかにされません。オウム事件というのは、いったいどういうことだったのか。僕は岡崎(トミ子)さんがおっしゃったように、オウム真理教は、宗教法人制度をうまく利用してアンダーグラウンドで儲けようという要素を非常に強くもっていたのだと思います。それが暴力団と結びつき、国際的に密貿易をしたり、薬物を流したりしたのはいったい何のためだったのか。不可解なことを不可解なままお蔵入りさせようとしているとしか思えないのです。 (中略) 警察はなぜオウムの国際的活動について、あるいはさまざまな関係人脈について調査や事情聴取をしないのか。政府はどうしてオウム事件について何もしないのか。これらはすべて、単に麻原の異常さや宗教的理由などでは説明がつかないのです。
— 石井紘基『オウム事件は終わらない―カルト宗教と日本社会』より[14]
また、オウム事件を念頭に、宗教法人法による規制が不十分であることを主張し、さらなる規制強化を求めていた[14]。
宗教法人に関して言えば、宗教とはいったい何かということは、どこの法律にも規定がないですね。宗教法人法にある限りの文言を拾って言えば、教義を持っていて礼拝堂を持っていて布教活動をしている、というのが宗教団体だというように書いてある。やはり宗教団体というのは、それなりの税制の優遇措置を受けているわけですから、秋葉(忠利)さんが今言われたような第三者によるチェック機関のような公正なものがあってもいいように思います。宗教の専門家、学者等が、公正な立場からこれは宗教団体に値するとかしないとかいうような判断をするシステムがあってもいいような気がしますね。
— 石井紘基『オウム事件は終わらない―カルト宗教と日本社会』より[14]
僕は基本的な考えとして、国とつながったものは極力減らしたほうがいいと思います。だから、財団法人でも社団法人でも、税の優遇措置を与えているということは、逆に言えば補助をしているということだから、なるべくそういう法人は減らしたほうがいい。ただ、社会的に必要なものもあるわけですよね、そのへんは難しいですけれども......。でも、宗教法人については一八万何千もできてしまうというのはいくらなんでも多い。やはり、なんらかの利得があるからそうなっているわけでしょう。
— 石井紘基『オウム事件は終わらない―カルト宗教と日本社会』より[14]
「爆弾発言男」
議員活動としては、主に日本の政府支出の無駄遣いに関して、フィールドワークを持っていた。国会議員が持つ権限を使った徹底的な調査で、税の無駄や政府の不正の追及をしていた。そのため、「国会の爆弾発言男」と呼ばれていた。1997年11月、衆議院で防衛庁調達実施本部背任事件を追及し、マスコミをリードし、東京地検の強制捜査にまで発展させた。東洋通信機だけでなく、年間約2兆円にのぼる防衛庁の装備品発注予算が長期にわたって不正に使われていたことがわかった。
2000年には、映画『バトル・ロワイアル』に関して「青少年に悪影響を与える」として国会で取り上げ、上映に反対し規制を働きかけようとした[15]。ちなみに、石井が『バトル・ロワイヤル』に関して国会で取り上げた4年後の2004年に、長崎県佐世保市の小学校で小学生が同級生を殺害する事件が起きている。その事件の犯人は映画『バトル・ロワイヤル』に影響され、同級生を殺害している(佐世保小6女児同級生殺害事件)。
日本の国家予算額の追及
第154回国会において石井は、一般会計・特別会計・財政投融資から重複部分を計算したうえで、日本の年間歳出(国家予算)は約200兆円相当あるのではないか、と指摘した。財務大臣塩川正十郎は「御意見としてお述べになりましたのでございますから、私が否定するようなこともございません」と答弁した。また、参考人として出席していた格付け機関ムーディーズのトム・バーンは、日本政府の債務について、「平時における非常に大きな債務であるというふうに考えており、またさらに増大するものと思っている」と述べ、日本政府の債務状況は国際的に非常に高水準かつ増大の見通しが強い、との見解を示した。
その他
- ^ a b c d e f g h i 石原伸晃, 石原伸晃君の故議員石井紘基君に対する追悼演説 第155回国会 衆議院本会議 第15号(平成14年11月29日(金曜日))
- ^ a b 安冨 歩『満洲暴走 隠された構造』(株)KADOKAWA、2015年6月20日、150頁。
- ^ a b 『週刊金曜日』1996年9月20日号 p9~14
- ^ a b c d e f g “江田五月 活動日誌 2002/10/25”. www.eda-jp.com. 江田五月. 2022年7月8日閲覧。
- ^ “社民連十年史 あとがき 石井紘基”. www.eda-jp.com. 2022年7月8日閲覧。
- ^ 「石井紘基代議士が追った闇 本誌記者に語っていた… 右翼「刺殺」」『週刊朝日』第107巻第52号、朝日新聞社、2002年11月8日。
- ^ “無心断られ逆恨み/石井議員刺殺・伊藤被告/暴力団資金で右翼結成/政治家にたかる/初公判・検察冒陳”. www.jcp.or.jp. 2022年7月8日閲覧。
- ^ 『実録!平成日本タブー大全』宝島社〈宝島社文庫〉、2005年。ISBN 4796653171。
- ^ 「追及者ゆえ恨まれる危険 石井紘基代議士刺殺」『AERA』第15巻、第47号、朝日新聞社、2002年11月4日。
- ^ a b 「石井紘基代議士が追った闇 本誌記者に語っていた… 右翼「刺殺」」『週刊朝日』第107巻、第52号、朝日新聞社、2002年11月8日。
- ^ 霍見芳浩「霍見芳浩のニッポンを斬る」『日刊ゲンダイ』、日刊現代、2002年10月31日。
- ^ “動機解明「困難」被告に無期判決 石井紘議員刺殺で東京地裁”. 朝日新聞. (2004年6月18日)
- ^ “石井元議員刺殺、無期判決確定へ 被告の上告棄却”. 朝日新聞. (2005年11月17日)
- ^ a b c d e f 秋葉忠利,枝野幸男,錦織淳,石井紘基,岡崎トミ子「カルト宗教の暴走を許さぬ政治を」『オウム事件は終わらない―カルト宗教と日本社会』立風書房 p167~205
- ^ 衆議院会議録情報 第150回国会 文教委員会 第4号
- ^ 第140回国会 法務委員会 請願327号
固有名詞の分類
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