皇宮警察本部
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組織
皇宮警察本部の組織は2部10課、4護衛署及び皇宮警察学校によって構成される。
護衛部は天皇・皇后、上皇・上皇后及び皇族(皇室構成員)の護衛を担当しており、警備部と4護衛署が皇居・赤坂御用地・各御用邸・京都御所及び正倉院などの安全を確保するための警備を担当する。
- 本部長(皇宮警視監)
- 副本部長(皇宮警視監)
- 首席監察官
- 警務課(人事、給与、広報、皇宮警察音楽隊)
- 監察課(計画、監察、情報管理)
- 会計課(予算、設備、修理)
- 教養厚生課(一般教養、芸術研修、福利厚生、共済関係)
- 護衛馬部隊
- 警備部
- 警備第一課(警備計画、捜査)
- 警備第二課(警戒、警防、通信、御用地警備)
- 護衛部
- 坂下護衛署
- 坂下門警備派出所
- 供溜警備派出所
- 櫓下警備派出所
- 塔の坂警備派出所
- 狐坂警備派出所
- 吹上護衛署
- 外庭東門警備派出所
- 乾門警備派出所
- 赤坂護衛署
- 赤坂御所正門警備派出所
- 鮫ヶ門警備派出所
- 南門警備派出所
- 京都護衛署
- 建礼門警備派出所
- 北門警備派出所
- 修学院離宮皇宮護衛官派出所
- 桂離宮皇宮護衛官派出所
- 正倉院皇宮護衛官派出所
- 皇宮警察学校[4]
業務
皇宮警察本部の業務には、護衛部門、警備部門、警務部門の3部門ある。
護衛部は、皇室構成員である天皇・皇后、上皇・上皇后及び皇族の身辺の安全を確保するため、皇居・御所にいる時のみならず外出の際や各種式典等への出席の際などにも、一番近くで護衛にあたる。護衛のスキルは無論、乗馬・スキー・テニス・外国語などの幅広い素養が不可欠であり、日常の教養や研修、訓練によって高度な技術を培っている。また、外国元首や駐日大使・公使の皇居参内時には、騎馬やサイドカーで護衛にあたる。
警備部・各護衛署では、皇居、赤坂御用地、京都御所、大宮仙洞御所、桂・修学院離宮、正倉院、御用邸等を警備することが任務で、天皇誕生日及び新年一般参賀、園遊会等の警備に必要な企画・立案を始め、装備資器材の配備・開発運用なども行う。また、突発対応部隊として特別警備隊が置かれており、有事に備え日々さまざまな訓練を行っているほか、皇居宮殿などで行われる皇室行事の際には、その厳粛な雰囲気を保持しながら、儀礼服という特別の制服を着用して警戒にあたる。警察で唯一消防活動を行うのも、皇宮警察の特長の一つである。万が一に火災が発生した場合の消火活動に加え、絶対に火災が起こらないかつ起こさせないように予防活動を行う。
警務部門は、皇宮警察の活動を効率的・効果的かつ円滑に運営するために、勤務体制・採用・人事管理・教養・予算・福利厚生など、組織の基盤を支える。業務運営の要として組織全体を把握した上で、第一線の勤務員の立場に立って働きやすい環境づくりを心掛ける。また、警務課の中には、音楽隊が組織されており、園遊会を始めとする皇室行事で演奏したり、全国警察音楽隊演奏会、皇居東御苑でのランチタイムコンサートなどで演奏し、皇宮警察の広報的な役割も担う。
また、皇宮警察本部警備部警備第一課に設置されている特別警備隊は、皇居正門や国賓の皇居参内等の行事における儀仗勤務や、事案発生時の警備出動を主たる任務として活動するほか、銃器等使用事案への対処能力を有し、皇居等における事案対処の中核を担っている。令和4年度(2022年度)からは、各種事案対処能力を更に強化するため、皇宮護衛官の中でも爆発物や銃器対策、大量破壊兵器(NBC)テロ対策等の技能に優れた者を改めて隊員に選抜するなど、体制と機能の充実を図っている[16]。
警察歌
- 「皇宮警察歌」
関連楽曲
- 「皇宮警察壮行歌」
- 作詞:白岩晃
- 作曲:沖不可止
- 「皇宮警察学校校歌」
- 作詞:伴野晶男
- 作曲:古関裕而
注釈
出典
- ^ 警察庁の定員に関する規則(昭和44年6月5日国家公安委員会規則第4号)」(最終改正:平成30年3月30日国家公安委員会規則第8号)
- ^ 単位:千円。2018年度(平成30年度)当初予算 - 一般会計(内閣 「平成30年度予算書関連」 財務省)。
- ^ 皇宮警察署官制(明治19年5月1日宮内省達第5号。)
- ^ a b 警察法 第29条
- ^ a b 皇宮警察本部概要
- ^ “皇宮警察”. 日本大百科全書. 小学館、コトバンク. 2022年8月12日閲覧。
- ^ a b 令和4年警察白書 P208「皇宮警察本部の活動」 警察庁
- ^ “サイトマップ | 皇宮警察本部-IMPERIAL GUARD HEADQUARTERS-”. 警察庁. 2018年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月25日閲覧。
- ^ 『ジーニアス英和辞典』第3版 「guard(名詞)(1)」。
- ^ 秦 2005, pp. 370–382, 第2部 陸海軍主要職務の歴任者一覧-III 陸軍-9.部隊/師団-A 師団
- ^ テレ東ニュース「皇居で年頭視閲式 部隊が華々しく行進【動画】
- ^ 昭和44年6月5日国家公安委員会規則第4号。(最終改正:令和2年3月30日国家公安委員会規則第4号)
- ^ “皇居で3年ぶり 皇宮警察の年頭視閲式 天皇皇后両陛下も出席”. NHK. (2023年1月20日) 2023年3月10日閲覧。
- ^ 「皇宮警察音楽隊創設60周年記念演奏会」平成25年度警察白書,P201
- ^ 皇宮警察が初の被災地支援へ 避難所での生活相談などに女性護衛官ら派遣 産経新聞 2011年4月26日(インターネットアーカイブ)
- ^ 皇宮警察本部の仕事
- ^ a b 皇宮警察史編さん委員会(1976), 付録p60
- ^ a b c d “《皇宮警察わいせつ体質がまた発覚》那須御用邸で「男女4人の護衛官がみだらな行為」”. 文春オンライン (2020/3/13(金) 18:36配信). 2020年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月9日閲覧。
- ^ a b c “皇宮警察で不祥事続々…未成年飲酒に男女4人みだらな行為 校長含む30人前後を処分へ NHK報道”. zakzak. 夕刊フジ (2020年3月10日). 2020年7月27日閲覧。
- ^ “皇宮警察の警部補、酒に酔い電車内で痴漢か 十条駅で現行犯逮捕”. クリスチャントゥデイ (2016年1月14日19時05分). 2020年7月27日閲覧。
- ^ “皇宮護衛官を書類送検 児童ポルノ所持容疑 警視庁”. 産経ニュース (2017年12月12日12:43). 2021年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月27日閲覧。
- ^ “赤坂御用地に知人女性招き入れる、皇宮警察署長を懲戒処分…「職場見せたかった」”. 読売新聞. (2021年2月19日). オリジナルの2021年2月19日時点におけるアーカイブ。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL「皇宮警察護衛官、ジャケット盗む 懲戒処分」『産経新聞』、2022年4月22日。2023年3月6日閲覧。
- ^ “皇宮警察で「泥沼ダブル不倫」「不倫の末の練炭心中」が 皇族方への悪口も横行”. デイリー新潮. (2022年7月13日) 2024年1月9日閲覧。
- ^ “皇居を1時間以上も勝手に徘徊して捕まった中国人の正体 元公安警察官も啞然(抜粋)”. デイリー新潮. 2022年11月4日閲覧。
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