梟の城 梟の城の概要

梟の城

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/09 07:02 UTC 版)

概要

連載時の題名は『梟のいる都城』。京の都で暗躍し闇に生きる忍者を、夜行性で単独生活をするフクロウに喩えている。こちらの方が作品内容の意味が通るとも指摘があるが、語呂が悪かったのか、単行本刊行に際し「梟の城」に改題されている。

それまで新聞記者であった司馬が作家となる契機となった作品である。司馬が初期に多く手がけた忍者小説の1つで、独自の歴史解釈を交えた後年の歴史小説群とはかなり趣が異なっている。組織のなかで生き、豊臣秀吉の暗殺を狙う葛籠重蔵と、伊賀を捨て武士として立身出世しようとする風間五平の2人の生き方を描く。徳川家康服部半蔵石川五右衛門など、実在人物も巧みに配置されている。忍者同士のアクションシーンの描写が評価され、1963年(昭和38年)、1999年(平成11年)の2度にわたり映画化された。1960年(昭和35年)にテレビドラマ化されている。また、1973年(昭和48年)に司馬作品の『国盗り物語』が大河ドラマ化された際には、原作の一部となった。1963年(昭和38年)には久松文雄の作画で東邦図書出版社から漫画版が出版されている。

あらすじ

織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵(つづらじゅうぞう)は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、信長の後を継ぐ形で天下人になった太閤秀吉を暗殺するという依頼を受ける。忍者としての生涯を華々しく終えることのみを考えていた重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺に乗り出す。

堺の豪商・今井宗久のもとへ向かう途中、小萩という、宗久の養女が現れ、ふたりは通じ、密かに愛し合うようになる。だが、彼女は重蔵を見張る役目を持ったくノ一だった。重蔵は木さる、黒阿弥らとともに、伊賀を裏切った風間五平らと対決し、秀吉の居城伏見城へ潜入する。


  1. ^ 1999年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  2. ^ 映画資料室”. viewer.kintoneapp.com. 2021年10月28日閲覧。


「梟の城」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「梟の城」の関連用語

梟の城のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



梟の城のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの梟の城 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS