最初の接触 最初の接触の概要

最初の接触

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 14:55 UTC 版)

ファーストコンタクトテーマSFの古典であり原点で、複数のアンソロジーに収載されている。 1996年ヒューゴー賞 中編小説部門を受賞。

万能翻訳機が登場した最初のSFと信じられている[2]

地球の宇宙船の名前である「ランヴァボン」は南ウェールズの地名「Llanvabon」に由来する。

ストーリー

超光速宇宙探査船ランヴァボンは、かに星雲の内部、二重星の近傍で、洋梨を思わせる形状の漆黒の宇宙船と遭遇する。

異星人のものと思われる「黒い宇宙船」。お互いが友好的なのか敵対的なのか分からず、相手の情報は知りたいが自分たちの情報(特にそれぞれの母星の位置)は渡せない。疑心暗鬼のまま、少しずつ情報のやり取りが行われ、お互いの理解が深まっていく。

事態が膠着する中、ランヴァボンの船長は異星人側にある解決方法を提案する。

登場人物

船長
超光速宇宙探査船ランヴァボンの船長。
トミイ・ドート
ランヴァボンの観測員。異星人とのコンタクトを担当する。
バック
トミィとのコンタクトを担当する「黒い宇宙船」の異星人。「バック」はトミイの付けた愛称である。

異星人

酸素を呼吸するヒューマノイド(「黒い宇宙船」内の空気組成から、彼らの母星は酸素濃度28%で、気圧は地球より若干低いと推測された)。標準的地球人よりやや小柄で無毛。血液の基本成分がで、えら呼吸する。コミュニケーションに超短波を用い、音波はまったく使用しないため、音を感じる器官は持たない。また視覚が赤外線を主にすることから、彼らの母星は赤色矮星を廻る惑星ではないかと推測された。

日本語訳

  • S-Fマガジン 1964年8月号 No.58(訳:伊藤典夫、早川書房、1964年)
  • 「宇宙震」(訳:井上一夫、編:福島正実ハヤカワSFシリーズ、1965年)
  • 世界SF全集 第32巻 世界のSF(短篇集) (訳:伊藤典夫、早川書房、1969年)
  • 「千億の世界」(訳:伊藤典夫、編:福島正実、芳賀書店、芳賀書店SFシリーズ、1972年)
  • 「千億の世界 - 海外SF傑作選4」(訳:伊藤典夫、編:福島正実、講談社講談社文庫、1977年)
  • 「伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触」(訳:伊藤典夫、早川書房、ハヤカワ文庫SF、2019年)

外部リンク


  1. ^ S-Fマガジン 1964年8月号
  2. ^ "Hic Rhodus, His Salta" by Robert Silverberg, Asimov's Science Fiction, January 2009, page 6.


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