日産・ティアナ 3代目 L33型(2013年 - 2020年)

日産・ティアナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 03:01 UTC 版)

3代目 L33型(2013年 - 2020年)

日産・ティアナ(3代目)
L33型
フロント
リア
室内
概要
別名 北米 : 日産・アルティマ(5代目)
製造国 日本 中国
タイ
販売期間 海外:2013年3月 -
日本:2014年2月5日 - 2020年7月
(発表:2014年1月20日
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン QR25DE型
2,488cc 直列4気筒DOHC
最高出力 127kW(173PS)/6.000rpm
最大トルク 234N・m(23.9kgf・m)/4,000rpm
変速機 エクストロニックCVT
サスペンション
独立懸架ストラット式
独立懸架マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,775mm
全長 4,880mm
全幅 1,830mm
全高 1,470mm
車両重量 1,460kg - 1,480kg
その他
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク式
後:ディスク式
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3代目は初代が掲げた「モダンリビング」、2代目が打ち出した「OMOTENASHI」という2つのコンセプトに一層の磨きをかけ、さらに思いのまま走ることのできる愉しさ、“走る快適性”を加えた。アルティマとは姉妹車で、細部のデザインが異なるもののボディを共有化することでコスト削減を図ると同時に、型式もアルティマと同じL33型に編入されている。新設計のリア・マルチリンク・サスペンションには世界初のコネクトブッシュを新採用し、高い操縦安定性を実現している。

トランスミッションは全車にエクストロニックCVTを採用。エンジンは、直列4気筒・2.5LのQR25DEのみを設定。従来型で設定されていたV型6気筒・VQエンジンや4輪駆動車は設定されていない。エンジンやCVTの改良によって加速性能と燃費性能を両立するとともに、オルタネーター回生制御や電動油圧パワーステアリングの採用などによって燃費を向上し、日本向けに関しては全車で平成27年度燃費基準を達成している。

日本向けのグレード体系は先代の2.5L車のグレード体系を踏襲して上から「XV」・「XL」・「XE」となり、ナビ・オーディオシステムは全車オーディオレスが標準となる。また、安全装備を強化し、MOD(移動物検知)機能付アラウンドビューモニター、LDW(車線逸脱警報)、BSW(後側方車両検知警報)を採用し、NissanConnect ナビゲーションシステム、クルーズコントロール、6スピーカー(「XE」のみ)とのセットオプションとして全車に設定した。その他のメーカーオプションはXEを除きサンルーフ(当車は「ガラスルーフ」と称される)がオプションで設定されている。2016年4月のグレード体系変更により、「XL」にセットオプションを標準装備した「XLナビAVMパッケージ」を追加。「XV」はセットオプションを標準装備化して「XVナビAVMパッケージ」に改名した。

中国仕様については、2013年11月より先代同様に内外装のクオリティを引き上げた上級仕様「天籁公爵(ティアナ・セドリック)」が設定される。エンジンは先代で設定されていたVQ35DEとVQ25DEが廃止され、代わって4気筒・2.5LのQR25DEのみの設定となった。今回はノーマル(全長:4,868mm)比でホイールベースが125mm、前後バンパーが計10mm延長され、全長が5,003mmとなっている。ホイールベース延長分はそのまま後席空間に充てられる。

初代から継承されてきた「6ライトウインドウ」は健在。姉妹車のアルティマとの相違点は、メッキ加飾が施された専用フロントグリル、専用コンビネーションライトなど。

ボディカラーには流れ落ちる滝のような力強さと神秘的な色をイメージした新色の「ウォーターフォールブルー」を含む6色を設定し、先代同様、全色にスクラッチシールドが採用されている。

インテリアは、初代からの「おもてなし」コンセプトを継承し、長時間走行時の疲労を最小化するスパイナルサポートシートを採用。後席トランクスルーは日本向けセダンとしてはA33セフィーロ以来の6:4分割可倒式が採用されているが、中国仕様のみが防犯性の都合からセンターアームレストスルーのみとなる。

年表

  • 2013年
    • 2月26日 - 日産の中国における合弁パートナーである東風汽車有限公司とともに発表披露を行う[10][11]。製造は湖北省の襄陽工場にて行われる。
    • 3月18日 - 販売を開始[12]
    • 10月21日 - タイでの生産・販売を発表。排気量は、中国仕様と同様で2.0 Lと2.5 Lの2種類を設定。
    • 11月8日 - 日本仕様の第43回東京モーターショーでの公開と、2013年度中の発売を発表。
    • 11月19日 - 主要装備などの仕様と2014年2月の発売を発表。
    • 11月 - 中国で同市場専売の「ティアナセドリック」の2代目を発表・発売開始。
  • 2014年1月20日 - 日本での発売を正式発表(発売は同年2月5日)[13]
  • 2015年
    • 2月10日 - 日本で一部改良(発売は同年2月19日)[14]。フロントグリルの一部をピアノブラック調に変更したほか、「XL」と「XV」にはフロントカメラで前方車両や歩行者を検知し、衝突の危険があるとシステムが判断した場合にメーター内の警告灯とブザーでドライバーに衝突回避操作を促し、万一ドライバーが安全に減速できない時には緊急ブレーキを作動して衝突回避あるいは衝突時の被害や傷害の軽減を図るエマージェンシーブレーキ衝突被害軽減ブレーキ)とフロントとリアに装備したソナーで障害物と自車の距離を検知し、約15km/h未満の低速度での前進・後退時に壁などの障害物があるのにもかかわらずアクセルペダルを強く踏んでしまった時やブレーキ操作などが遅れて壁などの障害物に接近した時に急加速しないようにエンジン出力やブレーキを自動制御することで衝突回避や衝突時の被害軽減を図る踏み間違い衝突防止アシストを新たに標準装備した。
    • 12月17日 - 日本で一部改良(発売は2016年1月6日)[15]。既に「XL」と「XV」に標準装備されているエマージェンシーブレーキと踏み間違い衝突防止アシストを廉価グレードの「XE」にも標準装備し、全車標準装備化した。
  • 2016年
    • 4月4日 - グレード見直し及び追加[16]
    • 7月28日 - 中国仕様がマイナーチェンジ(ティアナ/ティアナセドリックとも)。北米仕様であるアルティマ同様、フロントに「Vモーション」を採り入れたことで、大幅にデザインが変わった。
  • 2018年12月18日 - 中国仕様がフルモデルチェンジし「アルティマ」に改名したため、同市場からティアナの名称が消滅。但し、アルティマの中国語名は「天籁」を踏襲する。
  • 2019年12月末 - 日本仕様の生産終了[17]。在庫のみの販売となる。
  • 2020年7月 - 日本仕様の販売を終了。これにより日本国内における同社の大型クラスの前輪駆動ベースのセダンが消滅した。なお、L33型ティアナの販売終了後は、既存の同社の大型クラスの後輪駆動ベースのセダンであるV37型スカイラインCセグメントクラスのセダンであるB17型シルフィが間接的な代替車種となる。

注釈

  1. ^ 商標登録番号第4644271号、同発音の「TIANA」も第4644270号で日産の登録商標である。
  2. ^ 台湾仕様では「SHIFT_luxury」。なおこのSHIFT_ワードはY50型後期のフーガと同じである。
  3. ^ 4輪駆動は、前身のA32セフィーロで廃止されていたが、約9年振りの復活となった。
  4. ^ ただし、韓国でのみ販売されたライセンス生産のルノーサムスン・SM5タクシーには5MTの設定があった。
  5. ^ JM系とM-Collectionは従来どおり標準装備。
  6. ^ 日産では、環境性能に優れたパワートレインを搭載した車種にエンブレムを貼り付けることになっており、J32型ティアナの場合、全グレードに「エクストロニックCVT (XTRONIC CVT)」のエンブレムが車両後部に貼り付けされる。なお、このエンブレムは後に、Z51型ムラーノ、Z12型キューブジューク、E52型エルグランドにも装着されている。(プレスリリース参照)
  7. ^ サンルーフの設定は前身のA33セフィーロの2001年1月のマイナーチェンジ時に廃止されていたが、約7年振りに復活した事となった。
  8. ^ 「250XE」・「250XE FOUR」はオプション設定。16インチ/17インチとも台湾仕様と同デザイン。
  9. ^ ローグの「SL」と同一品。

出典

  1. ^ “【日産『ティアナ』誕生】高級Lサイズセダンの新しい夜明けだ”. Response.. (2003年2月3日). https://response.jp/article/2003/02/03/22405.html 
  2. ^ 日産ティアナ350JM(FF/CVT)【試乗記】スカイラインのよう”. webCG (2003年2月21日). 2021年12月16日閲覧。
  3. ^ パトカー交通警察DVD参照。
  4. ^ a b c d e f g 新型ティアナのすべて 開発ストーリー
  5. ^ a b c d 新型ティアナのすべて メカニズム詳密解説
  6. ^ オートカー・ジャパン vol.63
  7. ^ a b c 新型ティアナのすべて デザイン・インタビュー
  8. ^ 新型ティアナのすべて ドライビング・インプレッション
  9. ^ 新型ティアナのすべて 使い勝手徹底チェック
  10. ^ 日産自動車、中国にて新型「ティアナ」を発表”. 日産自動車ニュースリリース (2013年2月26日). 2013年6月28日閲覧。
  11. ^ 激活NEO DNA 鼎定新格局,东风日产新世代天籁全球首发” (中国語). 東風汽車有限公司 (2013年2月26日). 2013年6月28日閲覧。
  12. ^ 售价17.78万元~24.48万元,新世代天籁璀璨上市” (中国語). 東風汽車有限公司 (2013年3月20日). 2013年6月28日閲覧。
  13. ^ 新型「ティアナ」を発表”. 日産自動車ニュースリリース (2014年1月20日). 2014年1月20日閲覧。
  14. ^ 「ティアナ」に「エマージェンシーブレーキ」(自動ブレーキ)および「踏み間違い衝突防止アシスト」を採用”. 日産自動車ニュースリリース (2015年2月10日). 2015年2月10日閲覧。
  15. ^ 「ティアナ」の一部仕様を向上、自動ブレーキを全グレードに標準装備”. 日産自動車ニュースリリース (2015年12月17日). 2015年12月17日閲覧。
  16. ^ 「ティアナ」に新グレード「XVナビAVMパッケージ」「XLナビAVMパッケージ」を追加”. 日産自動車ニュースリリース (2016年4月4日). 2016年4月4日閲覧。
  17. ^ 【ついに日産ジューク 年内生産終了決定!!】後継SUV 来年に日本上陸!!!”. ベストカーWeb (2019年11月17日). 2019年11月17日閲覧。


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