御先祖様万々歳!
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/10 07:47 UTC 版)
登場人物
- 四方田犬丸(よもた いぬまる)
- 声:古川登志夫
- スケベかつ血気盛んな高校生で、本作の実質的な主人公。孫娘であるはずの麿子と禁断の恋に堕ちた為に、曲がりなりにも平穏だった生活を失って破滅していく。
- お尻の部分に四方田家の人間のみに引き継がれる、大人になっても消えない『五芒星の蒙古斑』を持つ。
- 最終話(および映画版)では、消えた麿子を探し、自身の身の上に起きた奇妙な出来事を語ることで憐憫から無銭飲食を行う立喰師「哭きの犬丸」と呼ばれるようになる。ただし、最終話における立ち食い蕎麦屋では店主(声:永井一郎)から「話にリアリティが欠ける」と袋叩きにあっている。
- 四方田麿子(よもた まろこ)
- 声:勝生真沙子
- 38年後の近未来[9]からやってきた犬丸の孫娘を自称する少女。肉体年齢としては犬丸と同年齢。
- 大人になっても消えない『五芒星の蒙古斑』が尻にあることを見せ、自身が四方田家の直系であることを示した。しかし、彼女の登場で四方田家の家庭は崩壊する。
- 未来では、行き過ぎた個人主義の反動から大家族主義となり、時間旅行を行い自身の先祖へ逢いに行き孝行するのが流行になっているという。
- 未来人の割には、古風な喋りをする。
- 四方田甲子国(よもた きねくに)
- 声:緒方賢一
- 多美子の夫にして犬丸の父親であり麿子の曾祖父に当たる。どこの家庭にもいる中年のサラリーマン。
- 妻との仲は、冷え切っており、息子との仲も悪く、息子は金属バットを手に自身はメタルフェイスのドライバーを手に一触即発の状態にまでなったが、麿子の登場により奇妙な安定を得る。
- 妻の多美子には家を去られたが、曾祖父と慕ってくる麿子のためにと、一戸建てを購入。以前に住んでた高層マンションのものと二重のマイホーム・ローン返済を負う。
- その後、室戸文明の乱入により、麿子も失うと、ローン返済のために強盗を働く。最終的には社会人としての立場を完全に失い、蒸発するなど本作で一番不幸な人物。
- 四方田多美子(よもた たみこ)
- 声:鷲尾真知子
- 甲子国の妻で犬丸の母親、麿子の曾祖母。旧姓:八甲田多美子(はっこうだ たみこ)。SFやファンタジーを嫌う、現実主義者。
- 麿子の登場で四方田家を去り、その後、彼女の身辺調査を担当した探偵・多々良伴内と四方田家を取り戻すために戻ってくるが、自身こそが四方田家にとって他人であることを思い知らされることになる。しかしながら、甲子国が強盗を行ったことを知ると、改めて四方田家を守るために泥棒一家の指揮と取りまとめを嬉々として行った。この頃には、麿子のことも「いつか訪れるであろう他者」=「息子の嫁」として四方田家の一員であるとの認識を持っている。
- 夫の蒸発後、多々良伴内と写真館を開いたが、恐喝事件を起こした事で服役中。
- 室戸文明(むろと ぶんめい) / 四方田犬麿(よもた いぬまろ)
- 声:玄田哲章
- 未来の世界から麿子を捕まえに来たタイムパトロールとして登場する他、借金取りや刑事としても登場する。借金取りの際は「室戸文明(むろと ふみあき)」と名乗った。
- 奇抜なサングラスに赤いスピードスケートスーツを着ており、独自の奇抜なポーズをとる。室戸文明は、押井監督の実写映画作品『紅い眼鏡』の登場人物が元であり役者も本作品で同役を演じた玄田哲章である。
- その正体は、犬丸の息子にして麿子の父親である四方田犬麿だが目的の為に正体を隠している。
- 自身の母親の名は長らく不明であったが、娘(麿子)が生まれた後に母の名もまた麿子であったことを知る。「母を育てた息子。娘から産まれた父」としての悩みを5話で吐露する。
- 多々良伴内(たたら ばんない)
- 声:山寺宏一
- 多美子に麿子の身辺調査を依頼された探偵。ヤクザ風の容姿をしているが、性格は臆病。
- 物語の結末を見届ける権利があると、四方田家の逃走劇に付き合う。
- 多美子ともども服役中であると6話で犬丸から語られる。
- ナレーション
- 声:永井一郎
- 最終話を除く各話の冒頭で、講談のような口調で特異な生殖・繁殖習性を持つ鳥類についての紹介を行う。その内容は直接本編と関係しないが、本編のテーマである「家族」を連想させるものになっている。
- ^ “studioぴえろ 作品年表(OVA)”. 2009年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月24日閲覧。
- ^ a b c 野崎透「#1 監督・プロデューサーインタビュー 押井守」『アニメーションの脚本術 プロから学ぶ、シナリオ制作の手法』ビー・エヌ・エヌ、2022年、pp.97 - 98
- ^ 天野由衣子、ヴァーンフリート(奥津英敏、平野奈津美、山本友美) 編「押井守クロニクル 御先祖様万々歳!」『押井守ワークス+スカイ・クロラ The Sky Crawlers』宝島社〈別冊宝島1546〉、89頁。ISBN 978-4-7966-6393-9。
- ^ 『うる星やつら』のラムが宇宙人で諸星あたるの妻という設定がイカサマであり、実は結婚詐欺師だったらというシナリオを考えたが没になった経緯を元にしたという。
- ^ ただし、押井自身は同人誌のインタビューで「OVAというものは長い目で見れば少しずつ売れて最終的にはペイするもの」という持論を展開している。
- ^ 山寺宏一は自身の書籍『山寺宏一のだから声優やめられない!』の千葉繁との対談において「自分の代表作にしてもいい」と語っている。
- ^ 『アニメスタイル 2000 第2号 美術手帖9月号増刊 Vol.52 No.793 ロングインタビュー押井守』美術出版社、2000年。
- ^ 『ユリイカ 4月号』第36巻第4号(青土社) ~特集 押井守 映像のイノセンス~ 押井守フィルモグラフィー 藤津亮太 著より。
- ^ 第1話で本人がそう言っている
- ^ “御先祖様万々歳!コンプリートボックス”. SPO. 2015年11月21日閲覧。
- ^ “MAROKO 麿子”. SPO. 2015年11月21日閲覧。
- ^ “御先祖様万々歳!VOL.1”. SPO. 2015年11月21日閲覧。
- ^ “御先祖様万々歳!VOL.2”. SPO. 2015年11月21日閲覧。
- ^ “御先祖様万々歳!VOL.3”. SPO. 2015年11月21日閲覧。
- ^ ご先祖様万々歳 じんのひろあきウェブサイト
- ^ a b c 宇野常寛「母性のディストピア--ポスト戦後の想像力(第5回)押井守と母胎回帰的戦後「以降」(1)」『新潮』第106巻、新潮社、2009年、276-285頁、NAID 40016430462。
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