大阪モノレール本線
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延伸計画
元々は大阪国際空港と堺泉北臨海工業地帯を結ぶという壮大な構想から始まったものであり、大阪府道2号大阪中央環状線に沿って堺市方面まで延伸する計画で、1989年の運輸政策審議会答申第10号には、大阪国際空港 - 門真間が「目標年次(2005年)までに整備することが適当である区間」、門真 - 茨田 - 荒本・堺方面および大阪国際空港から伊丹付近を経て武庫之荘方面が「今後路線整備について検討すべき区間・方向」として示されたが[19]、2004年の近畿地方交通審議会答申第8号では、「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」に門真市から東大阪市瓜生堂(近鉄奈良線との交点で八戸ノ里駅と若江岩田駅のほぼ中間点)までが大阪モノレール線の延伸案として示されたにとどまっている[20][注釈 4]。
もっとも、2012年には大阪府による交通体系見直し案により、堺までの延伸を2050年までに行う方針や、兵庫県と調整のうえで大阪空港駅から大阪国際空港をくぐり西へ延伸する案を検討することがまとめられ、延伸計画を継続する方向性が再度示された[21]。
門真市 - 瓜生堂間については、2013年4月に大阪府知事の松井一郎が「2001年度から続く黒字経営を府民に還元するべき」として事業化に向けたルート等検討業務の開始を関係各部局に指示した[22]。これに伴い、ルート等検討業務を第1四半期に一般競争入札で発注。検討結果を踏まえて、府庁内で協議に入り[22]、2016年1月に開催された戦略会議で、2019年度の着工、2029年度の開通を目指すとした[23]。その後詳細なルートの検討を行い、2018年7月11日付で国土交通大臣宛に軌道法第3条に基づく運輸事業特許(門真市 - 瓜生堂間8.9kmの延伸)を申請[24]、国土交通省は2019年3月19日付で申請通り特許し、国土交通省近畿運輸局にて特許状を交付した[25][26]。特許申請時点で総事業費約1,050億円(うちインフラ部事業費約740億円)を想定しており、インフラ部については社会資本整備総合交付金を充当し国庫補助金以外は大阪府・東大阪市・大阪市が負担、それ以外については日本政策投資銀行とその他の金融機関からの借入金でまかなう計画としている[27]。
2020年7月に、大阪府都市整備部の職員が、延伸事業に関する入札資料の一部を業者に漏らしていたことが判明し、府は入札を一時停止[28]。大阪府警察はこの職員を、同年9月24日に地方公務員法に於ける守秘義務違反の容疑で書類送検した[29]。
2023年にボーリング調査をした結果、終点の瓜生堂駅付近の地盤が想定より軟弱であることから、駅舎の工法の見直しが必要となり、その影響で開業は2033年頃に延期されることになった。また、工法の見直しによって事業費は約650億円増加される見込みである[30]。
注釈
出典
- ^ a b c d e f 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』 30号 モノレール・新交通システム・鋼索鉄道、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年10月16日、9頁。
- ^ a b 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』 - ネコ・パブリッシング
- ^ 路線図・駅情報 - 大阪モノレール。2020年6月9日閲覧
- ^ 時刻表 - 大阪モノレール。2020年6月9日閲覧
- ^ “最混雑区間における混雑率(令和2年度)” (PD). 国土交通省. p. 6 (2021年7月9日). 2022年3月3日閲覧。
- ^ 『鉄道ファン』2009年7月号、140・141頁
- ^ 大阪府北部を震源とする地震について(第3報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2018年6月18日 11:00現在
- ^ 大阪府北部を震源とする地震について(第8報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2018年6月20日 7:00現在
- ^ 大阪モノレール運行情報<公式> (@OsakaMonorail) 2018年6月20日 05:43 (JST) のTwitterコメント
- ^ 大阪モノレール運行情報<公式> (@OsakaMonorail) 2018年6月22日 02:09 (JST) のTwitterコメント
- ^ 大阪府北部を震源とする地震について(第13報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2018年6月22日 15:00現在
- ^ 大阪震度6弱:大阪モノレール再開 鉄道網すべて復旧 - 毎日新聞、2018年6月23日
- ^ a b c 大阪府北部を震源とする地震について(第14報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2018年6月25日 8:00現在
- ^ “大阪震度6弱:大阪モノレール、再び不通に 全車両点検 - 毎日新聞” (日本語). 毎日新聞 2018年6月24日閲覧。
- ^ 『2019年10月1日(火)から「柴原」→「柴原阪大前」に駅名を変更します』(PDF)(プレスリリース)大阪高速鉄道、2019年6月21日。 オリジナルの2019年6月21日時点におけるアーカイブ 。2019年10月2日閲覧。
- ^ 『社名変更について』(プレスリリース)大阪高速鉄道、2020年5月11日 。2020年6月6日閲覧。
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- ^ 平成元年5月31日運輸政策審議会答申第10号 大阪圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について(抄) (PDF)
- ^ 鉄道整備・地方交通計画 - 国土交通省近畿運輸局
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- ^ a b 大阪モノレール延伸/第1四半期に一般入札/大阪府8.7㌔のルート検討 - 建設通信新聞、2013年4月4日配信及紙面掲載、2013年4月4日閲覧。
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- ^ 『大阪高速鉄道株式会社申請の軌道事業の特許について』(PDF)(プレスリリース)国土交通省鉄道局都市鉄道政策課、2019年3月18日。 オリジナルの2019年3月21日時点におけるアーカイブ 。2021年2月5日閲覧。
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- ^ a b 大阪モノレールからの延伸に係る軌道事業の特許申請事案 配付資料 (PDF) - 国土交通省運輸審議会 2019年1月17日
- ^ 大阪府職員、モノレール延伸事業の入札資料を業者に渡す 府が厳正処分へ 毎日新聞 2020年7月29日
- ^ 大阪府職員を書類送検 モノレール延伸事業の入札資料を業者に提供 府警 毎日新聞 2020年9月24日
- ^ 大阪モノレール延伸、29年→33年 資材高騰で建設費8割増 - 日本経済新聞、2024年4月24日
- ^ “東部大阪都市計画 都市高速鉄道(大阪モノレール)及び道路の都市計画変更について” (PDF). 大阪府. 2021年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月10日閲覧。
- ^ a b “大阪モノレール延伸 門真市~南駅間に新駅 松生町付近、交通不便解消へ まちの新拠点に/大阪”. 毎日新聞. (2021年5月12日). オリジナルの2021年5月24日時点におけるアーカイブ。 2021年5月24日閲覧。
- ^ a b “変わるか 門真まちづくり 大阪モノレール延伸計画”. 大阪日日新聞. (2021年5月10日). オリジナルの2021年5月22日時点におけるアーカイブ。 2021年5月25日閲覧。
- ^ 大阪モノレール門真市駅・(仮称)門真南駅間新駅設置事業/門真市
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