多角形表記 多角形表記の概要

多角形表記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/22 05:11 UTC 版)

スタインハウスの多角形表記

スタインハウスの多角形表記は、次のように定義される。

  • = nn = n↑n = n ↑2 2 = n → 2 → 2
  • = 「n 重の三角形の中の n
  • = 「n 重の四角形の中の n

この表記を用いて、スタインハウスは次の数を定義した。

  • メガ (mega) という。
  • メジストン (megiston) という。

モーザーの多角形表記

モーザーの多角形表記は、スタインハウスのものを拡張し、一般の多角形を用いるようにした。

  • はスタインハウスのものと同じ。
  • = 「n 重の四角形の中の n 」 (= )
  • 一般に「m 角形の中の n 」 = 「n 重の (m - 1) 角形の中の n

角形の中の2」 をモーザー数と言う。

ブラケットでの表記

ヨーク大学のSusan Stepney教授は、自らのサイトで次の代用表記を使っている。

  • p 角形の中の n = n[3] = nn
  • = n[4] = n[3]n
  • = = n[5] = n[4]n
  • 一般に n[m] = n[m−1]n(mが4以上の場合)

他の例としては:

  • = n[3]4

スタインハウスとモーザーが定義した巨大数は次のように表せる。

  • (メガ) = 2[5]
  • (メジストン) = 10[5]
  • モーザー数 = 2[2[5]] = 2[②]

この代用表記は、モーザー数のような、忠実な多角形の図による表記が事実上不可能なほど巨大な数も表記できるという利点がある。

計算

左から計算される。

簡単な例

  • 2[3] = 22 = 4
  • 2[4] = 2[3]2 = 4[3] = 44 = 256

スタインハウスのメガ

= 2[5]

= 2[4]2
= 2[4][4]
= 256[4]
= 256[3]256

したがって、+1はフェルマー数である。

256[3]nを順に見ていくと、

= 256[3]256 ≒ (256↑)256 257

である。

さらに大雑把な「近似」を認めれば、

≒ 256↑↑257

と表せる。ただし実際は、

≫ (256↑)256 257 ≫ 256↑↑257

である。

具体的な値は

≒(10↑)255(1.99×10619)≒(1000000↑)255(3.3206232×1000000103)

に近く、したがって

10↑↑257 < < 10↑↑258

の範囲にあって、

1000000↑↑256 < < 1000000↑↑257

の範囲にある。

スタインハウスのメジストン

= 10[5] = 10[4]10

スタインハウスのメガの時と似た「近似」によって、およそ

≒ 10↑↑↑11

である。ただし、実際はメガと同様に、

≫ (10↑↑)10 11 ≫ 10↑↑↑11

である。

モーザー数

モーザー数は 2[] = 2[2[5]] である。したがって、2[2[5]]+1はフェルマー数である。先に示したように は相当な巨大数であるので、 角形はほとんども同然であり、忠実な多角形の図による表記は事実上不可能である。

モーザー数が よりはるかに大きいことは自明で、また よりもはるかに大きい。

しかし、グラハム数よりは圧倒的に小さいことが Tim Chow によって1998年に証明された[1]。この証明によれば、モーザー数 Mチェーン表記矢印表記、そしてハイパー演算子を用いて

である。

モーザー数をクヌースの矢印表記で厳密に表すのは事実上不可能であるが、およそ 3↑↑↑…(②−2本)…↑↑↑3 に近似すると考えられる。


注釈

  1. ^ 桁数が非常に大きいため、時間の単位をプランク時間のいずれにしても無視できる範囲で近似する。
  2. ^ ここから先は、宇宙論で使われた最大の数(複数の宇宙の全質量を1個のブラックホールに圧縮しそれが蒸発した後に、ポアンカレの回帰定理に従い再びブラックホールができる時間)[注釈 1]よりも更に巨大化していく。

出典

  1. ^ [1]


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