噴火 噴火の場所

噴火

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/21 21:33 UTC 版)

噴火の場所

火山は噴出する場所、特に水の存在によって噴火の様式が大きく変わる。

スルツェイ式噴火(ウルトラブルカノ式噴火)
水面近くでの噴火や、マグマが地下の浅い所で地下水と出会った場合は、水が瞬時に沸騰し、体積膨張を起こすため、爆発的なマグマ水蒸気爆発が起きる。従来はウルトラブルカノ式噴火と呼ばれていたが、スルツェイ島の噴火が典型的なウルトラブルカノ式噴火だったため、こう呼ばれるようになった。
氷底噴火英語版(氷河底噴火)
巨大な氷河の下で火山が噴火した場合は、海底火山と同様の形態となるが、噴火の規模が大きく、氷床を解かしてしまった場合、氷河の下に巨大な湖(氷底湖)ができ、氷河の壁は大量の水の重さを支えきれずに決壊し、家や橋まで流してしまう大規模な洪水が発生する。この大洪水をヨークルフロイプと呼ぶ。
水中噴火
水中に噴出した場合は水中噴火と呼ばれる事がある[7]
海底噴火
海底火山などが水深の深い所で噴火した場合、水圧が高いために爆発は起こらず、噴出した溶岩は海水で急に冷やされ、枕状溶岩あるいはハイアロクラスタイトとなる。

噴火の規模

火山爆発指数

爆発の規模を表す指標として、火山爆発指数(VEI)が国際的に使用されている。大規模な火山噴火を指して大噴火(だいふんか)と呼ぶことがあるが、火山学においては「東京ドーム約250杯分以上(約3億m3以上)の噴出物を出す噴火(概ねVEI2以上)」が大噴火であると定義されている[8]

噴火マグニチュード

火山爆発指数は噴出物の量に基づいて区分され、エネルギー量を表していないため、日本の火山学者である早川由紀夫(1993)[9]は、噴火マグニチュードを提案している。

計算式

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2016年1月

火山灰とは、噴火に伴って生じる火山岩が直径2mm以下に砕けたものを指す[11]

火山灰の主な発生原因としては

  • 火山の爆発[11]
  • 高温の岩なだれが火山山腹を流下[11]
  • 溶岩の飛沫飛散時[11]

などがある。

火山灰の色・大きさなどの外見は火山および噴火の種類で異なり、色は明るい灰色から黒色まで、大きさも小石サイズから化粧用パウダーなどの細かい粒子までと千差万別である[11]

空中を浮遊する火山灰は太陽光を遮り視界を悪化させるほか、細かい粒子同士の衝突・摩擦により電気を帯び、雷や稲妻を発生させる原因ともなる[11]。また、微粒子サイズの火山灰は大規模な噴煙と共に風の影響を受けて風下へ流される場合もある[11]。生成直後の火山灰は酸性皮膜に覆われており、これは人体が吸引するなどすると肺や目に対して刺激的な弊害を与え、健康被害の原因となるほか、降り積もれば周辺地域の水質に悪影響を与える場合があり、同時に植物への悪影響、農作物不作の原因ともなる[11]。この皮膜は降雨によってすぐに取り除かれる[11]

大量に降り積もった火山灰は火山地域でそれまでの土壌と混じり合い、肥沃な表土層となる[11]。多くの火山地域周辺に肥沃な土壌が多いのは、古い火山灰堆積物の地層が存在することが要因となっている[11]


註釈

  1. ^ 火口を除く。
  2. ^ 例えば玄武岩でもプリニー式噴火が起こりえるが、ここでは単純化して詳細な記述は省いた。
  3. ^ 噴出堆積物が溶岩の場合、比重はマグマと同程度なので、DRE換算体積はぼマグマの体積に一致するが、見かけの体積で2.5 km3の降下火砕物の場合、DRE換算体積では1 km3となる。[10]

出典

  1. ^ 奥野充、降下テフラからみた水蒸気噴火の規模・頻度 金沢大学文学部地理学報告 第7号 (1995) p.1-24, hdl:2297/1514
  2. ^ [防災メモ] 噴火の記録基準について” (PDF). 火山活動解説資料:月間火山概況(2005年). 気象庁 (2005年5月9日). 2015年5月30日閲覧。
  3. ^ Glossary”. volcanoes.usgs.gov. アメリカ地質調査所 火山ハザードプログラム. 2020年7月4日閲覧。
  4. ^ Vic Camp. “How Volcanoes Work”. http://sci.sdsu.edu/. Project ALERT. 2020年7月4日閲覧。
  5. ^ R.A.F. Cas; J.V. Wright (1987) (英語). Volcanic Successions, Modern and Ancient: A Geological Approach to Processes, Products, and Succession. Unwin Hyman. p. 528. ISBN 978-0045520213 
  6. ^ 防災メモ 噴火の定義と規模 (PDF) 気象庁
  7. ^ 松田時彦、中村一明、水底に堆積した火山性堆積物の特徴と分類 鉱山地質 20巻 (1970) 99号 p.29-42, doi:10.11456/shigenchishitsu1951.20.29
  8. ^ 島村 2017, p. 33.
  9. ^ 早川由紀夫、「噴火マグニチュードの提唱」 『火山』 1993年 38巻 6号 p.223-226, doi:10.18940/kazan.38.6_223
  10. ^ a b 日本の火山 - データ表記法”. 産総研. 2017年12月7日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j k アメリカ地質調査所; 国際火山学及び地球内部化学協会; 都市火山委員会; ニュージーランド地質核科学研究所. 火山灰の健康影響. インターナショナル・ボルケニック・ヘルス・ハザード・ネットワーク (IVHHN). http://www.geocities.jp/ychojp/ivhhn/guidelines/health/ash_health_japanese.html 2016年1月22日閲覧。 






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