冷凍空調技士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/20 18:22 UTC 版)
実務経験
冷凍空調技士には第一種、第二種があり、取得には次の通り実務経験の条件がある。
これは、冷凍空調技士制度が単に資格であるにとどまらず、実務経験を重んじ、研究開発や設計製造の現場で即時に役立つ能力を証明することに依拠している。
特に、第一種冷凍空調技士は、モリエル線図や湿り空気線図から最適な冷凍空調システム設計ができる能力が要求される。
条件
・第一種冷凍空調技士
1.冷凍・冷蔵・空気調和その他、低温・高温発生用機器に係る装置等の研究、開発、設計、製造、管理、調査、鑑定、教育などの関連業務に従事する経験、または高圧ガス保安法に規定した冷凍設備を使用する高圧ガスの製造に係る経験が通算4年以上ある者。
2.大学・短期大学・高等専門学校において工学・理学を修めて卒業し(又はこれと同等以上の学力を有し)、上記1.の実務経験が2年以上ある者。
3.通算3年以上の実務経験を有する第二種冷凍空調技士。
4.工業高等学校を卒業後、通算3年以上の実務経験を有する者。
5.公益社団法人日本冷凍空調学会の通信教育を、別に定める優秀な成績で修了し、通算2年以上の実務経験がある者。
・第二種冷凍空調技士
1.受験資格に実務経験および学歴は問わない。ただし、試験に合格後、「技士」として認証される為には通算2年以上の実務経験が必要である。
検定試験
冷凍空調技士の資格を取得するためには、第一種及び第二種とも、上記の実務経験に加えて、毎年1回、2月に行われる次の検定試験において、それぞれ60%以上の得点獲得が必要である。
難易度としては、第二種冷凍空調技士が大学工学部卒業程度、第一種冷凍空調技士が冷凍空調装置に関して研究開発や設計に従事している技術者の実務能力である。
第二種資格検定試験は全て択一式、第一種資格検定試験は一部の択一式を除き、全て記述式(計算過程を数式で示して記述解答したり、冷凍空調に関する公式や専門用語の定義を記述説明する)である。
なお、検定試験合格後、冷凍空調技士として登録認証を受ける際には、実務経験証明書の提出が必須である(合格の時点で、実務経験を満たしている必要がある)。
検定試験科目
・理論(2時間)
・技術(2時間)
・合格率
2012年度
・第一種冷凍空調技士 52.8%
・第二種冷凍空調技士 72.0%
2013年度
・第一種冷凍空調技士 43.8%
・第二種冷凍空調技士 67.7%
2014年度
・第一種冷凍空調技士 43.0%
・第二種冷凍空調技士 62.7%
2015年度
・第一種冷凍空調技士 45.5%
・第二種冷凍空調技士 66.7%
2016年度
・第一種冷凍空調技士 29.7%
・第二種冷凍空調技士 49.1%
2017年度
・第一種冷凍空調技士 50.9%
・第二種冷凍空調技士 50.3%
冷凍空調技士登録者数
2018年3月31日現在の登録者数は次のとおりである。
・第一種冷凍空調技士 1,369名
・第二種冷凍空調技士 762名
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