冷凍空調技士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/20 18:22 UTC 版)
他資格との関係
他資格を取得するにあたって、冷凍空調技士であることを要件とするものには、次の4つがある。
このため、冷凍空調技士は学術団体が認証する資格であるものの、ほぼ国家資格に準じる資格である。
なお、冷凍空調技士の社会的地位の向上に向けて、公益社団法人日本冷凍空調学会ではアクションプランが検討されており、今後、以下の資格以外にも、他の資格要件へ冷凍空調技士であることが広がっていく予定である。
1・冷凍空調工事保安管理者(高圧ガス保安協会)
冷凍空調工事保安管理者は、適正な工事及び工事完成後、高圧ガス保安法令及び冷凍空調装置の施設基準(KHKS)に基づいて自ら検査を行い確認する者又は検査を行う者を指揮・監督し、これを確認する者である。
冷凍空調工事保安管理者になるためには、所属する工事事業所が高圧ガス保安協会から冷凍空調施設工事事業所の認定を取得していなければならない。また、工事事業所の認定の区分毎に規定する資格(例:技術士、第一種冷凍空調技士、第一種冷凍機械責任者など)を有し、かつ、高圧ガス保安協会が行う保安確認講習の課程を修了することが必要である。
2.冷凍機器溶接士(高圧ガス保安協会)
冷凍機器溶接士は、冷凍用の圧力容器や冷凍設備に伴う冷媒ガス配管を溶接する技術者である。下記の条件を満たし、高圧ガス保安協会に認定されることが要件である。高圧ガス保安法冷凍保安規則第64条で定められた技能要件を満たす者として認定されている。
技量 次の(イ)から(ヘ)までのいずれか一に該当する者
(イ) 日本工業規格(JIS Z 3801)に基づく試験(基本級とそれに対応した専門級のうち一以上を組合わせたもの)に合格した者
(ロ) ボイラ及び圧力容器安全規則(昭和47年9月30日労働省令第33号)による資格を有する者
(ハ) 鋼船構造規則(昭和15年4月24日逓信省令第24号)による(イ)と同等以上の資格を有する者
(ニ) 電気事業法(昭和39年7月11日法律第170号)第46条第2項第1号の規定による(イ)と同等以上の資格を有する者
(ホ) 溶接工技量検定基準(社団法人日本石油学会)による資格を有する者
(ヘ) その他高圧ガス保安協会長が(イ)から(ホ)の者と同等以上の技量を有すると認める者
学識 次の(イ)から(ニ)までのいずれか一に該当する者
(イ) 高圧ガス保安協会が行う溶接士に関する講習を受講し、かつ、当該検定に合格した者(現在、この講習は実施していない。)
(ロ) 冷凍に係る高圧ガス製造保安責任者試験に合格した者
(ハ) 高圧ガス保安協会が行う第一種冷凍機械、第二種冷凍機械又は第三種冷凍機械講習を受講し、当該検定に合格した者
(ニ) 公益社団法人日本冷凍空調学会の冷凍空調技士の登録を受けている者
3.第一種冷媒フロン類取扱技術者(一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会)
平成27年4月、フロン排出抑制法が施行されたことに伴い、業務用冷凍空調機器への冷媒の充填から整備、定期点検技術、漏えい予防保全、機器廃棄時の冷媒回収技術の全てにわたって十分な知識を持った技術者を登録認証するために創設された資格である。受験に際しては、業務用冷凍空調機器の保守サービスに関して3年以上の実務経験が必要である。
4.冷凍装置検査員/冷凍特別装置検査員(高圧ガス保安協会)
第一種冷凍空調技士又は高圧ガス製造保安責任者(第一種冷凍機械責任者)のみが、冷凍空調装置の工場出荷前完成検査において、材料試験、耐圧試験及び気密試験の冷凍装置検査員となることができる。冷凍装置検査員による耐圧気密試験証明書がない冷凍空調装置は、高圧ガス保安法冷凍保安規則第7条第6号の要件を満たさないものとして、出荷先において設置ができない。このため、ビル空調機や冷凍ショーケースなどの産業機械メーカーでは、第一種冷凍空調技士は必置の資格である。なお、高圧ガス製造保安責任者(冷凍機械責任者)が冷凍空調装置の運転・操作・保安に関する資格であるのに対し、冷凍空調技士は冷凍空調装置の研究開発・設計・製造・検査に関する資格である。
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