共役類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 08:51 UTC 版)
共役集合と共役部分群
群 G の部分集合 S (S は部分群である必要はない)と g ∈ G に対して
- Sg = g−1Sg = { g−1sg | s ∈ S }
を S の g による共役集合という[11]。SG を部分集合 S の群 G における共役集合からなる集合とする。 次の定理はよく使われる。 G の部分集合 S が与えられたとき、SG の元の数は G における S の正規化群 NG(S) の指数に等しい[4]:
- |SG| = [G : NG(S)].
これは G の元 g と h に対して Sg = Sh であることと gh−1 が NG(S) の元であること——つまり g と h が NG(S) を法として等しいこと——の同値性から従う。
この公式は共役類の元の数に対する前に与えられたものを一般化することに注意しよう(S = {a} とせよ)。
上記は G の部分群について話すときに特に有用である。部分群のなす集合は共役部分群へ分割できる。共役部分群は同型であるが、同型な部分群が共役であるとは限らない。たとえば、アーベル群は同型な 2 つの異なる部分群をもつかもしれないが、それらは決して共役でない。一方でシロー部分群は互いに共役である(シローの定理)。また、部分群 H がそのすべての共役部分群と一致することは部分群は正規部分群であることに他ならない。
共役作用
任意の 2 元 g, x ∈ G に対して
- g.x = gxg−1
と定義すれば、G の G 上の群作用になる。この作用の軌道は共役類であり、与えられた元の固定部分群はその元の中心化群である[4]。
同様に、G のすべての部分集合からなる集合への、あるいは G のすべての部分群からなる集合への、G の群作用を
- g.S = gSg−1
と書くことで定義できる。
幾何学的解釈
弧状連結位相空間の基本群における共役類は自由ホモトピーのもとでの自由ループの同値類と考えることができる。
- ^ Dummit, David S.; Foote, Richard M. (2004). Abstract Algebra (3rd ed.). John Wiley & Sons. ISBN 0-471-43334-9
- ^ Lang, Serge (2002). Algebra. Graduate Texts in Mathematics. Springer. ISBN 0-387-95385-X
- ^ Robinson 1996, p. 26.
- ^ a b c d e f Robinson 1996, p. 38.
- ^ Robinson 1996, p. 234.
- ^ Robinson 1996, p. 42.
- ^ Karpilovsky, G. (1992). Group Representations Vol. 1 Part B. North-Holland. pp. 936. ISBN 0-444-88632-X
- ^ Robinson 1996, p. 43.
- ^ Robinson, Derek J. S. (1972). Finiteness Conditions and Generalized Soluble Groups, Part 1. Springer-Verlag. pp. 129. ISBN 978-3-642-05713-7
- ^ Robinson 1996, p. 39.
- ^ 鈴木 1977, p. 11.
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