仕込み刀 類似品

仕込み刀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/17 13:48 UTC 版)

類似品

仕込み銃

短脇差の外装に管打式の単発銃を仕込んだ「脇差鉄砲」
幕末に製作されたと思しき品で、熊本城天守閣熊本市立熊本博物館分館の展示品

刃物ではなくを杖に仕込んだ「仕込み銃」(en:Cane gun、杖銃とも)も存在している。アメリカのレミントン社が1860年代に発売した、犬の頭を模した杖頭を持つ杖に.32口径(8.12mm)のリムファイア弾を使用する単発銃の機構を内蔵したものが有名である。

日本では、主に江戸時代に脇差短刀十手や畳んだ状態の扇子煙管などを模した物に銃身と単純な撃発機構を内蔵したものが製作され、少数が現存している[注釈 4]。第二次世界大戦期には、ベルトのバックルに仕込むバックルピストルナチス・ドイツによって試作された。ジップ・ガン(手製拳銃)の一部は、この種の隠し武器として用いるために製造されている。

暗殺や護身のための隠し武器として製作されたものだけではなく、外装に凝った狩猟のための猟銃として製作されたものが多くあり、日本で製作されたものはこの「凝った外装の猟銃」であるものが多い[注釈 5]

仕込み銃は虎ノ門事件で犯人が使用したことで有名であるが、これがライフル銃ではなく散弾銃であったことも仕込み銃が隠し武器ではなく猟銃であったことの証左である[2]

仕込み刀と同じく、現在の日本では銃刀法で所持が禁止されている[注釈 1]

スタンガン

空港で押収されたスタンガンを仕込んだ杖

刃物は殺傷の危険性が高く護身用としては過剰装備であるため、スタンガンを仕込んだ杖(Stun cane)も存在する。


注釈

  1. ^ a b 銃砲刀剣類所持等取締法 第三条(所持の禁止)
    何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、銃砲又は刀剣類を所持してはならない。
     三 第四条又は第六条の規定による許可を受けたもの(許可を受けた後変装銃砲刀剣類(つえその他の銃砲又は刀剣類以外の物と誤認させるような方法で変装された銃砲又は刀剣類をいう。以下同じ。)としたものを除く。)を当該許可を受けた者が所持する場合[1]
  2. ^ 銃砲刀剣類所持等取締法第二十二条(刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止)
    何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない[1]
  3. ^ 銃砲刀剣類所持等取締法第二十二条の四(模造刀剣類の携帯の禁止)
    何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類(金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。)を携帯してはならない[1]
  4. ^ これらは法律上は「古式銃砲」とみなされるが、撃発機構が完全に破損、もしくは失われており「銃砲」とはみなされない状態のものも多い。
  5. ^ 戦前の日本の銃規制では一般人の合法的な銃器所持・携帯が現在では想像できないほど容易であり、一般の新聞や雑誌の通信販売の広告で拳銃等が掲載されていた。

出典

  1. ^ a b c 銃砲刀剣類所持等取締法”. e-Gov. 2019年12月28日閲覧。
  2. ^ 所荘吉『図解古銃事典』(雄山閣、平成8年)222 - 223ページ参照






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