中国における携帯電話 携帯電話サービスの内容

中国における携帯電話

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/30 06:54 UTC 版)

携帯電話サービスの内容

携帯電話サービスの内容は各社とも複雑であるが、以下に簡単化して述べる。[5] 下記は大連での中国移動通信に関する内容であり、省・市・事業者によってプラン内容が異なっているため必ずしも下記の通りではない。「相手からの電話着信は無料」とあるのは、中国では伝統的に発信者と着信者がコストを折半してきており、最近までは着信にもコストがかかった。また、自分にかかってきた電話相手に一般的な呼び出し音ではなく自分の好きな音楽を流す(ドコモのメロディコールやau(KDDI沖縄セルラー電話連合)・ソフトバンク待ちうたと同様のサービス)「彩鈴」(ツァイリン)は毎月5元、SMSは「短信」(ドゥアンシン)と呼ばれ1通1角、写真を添付して送るのは「彩信」(ツァイシン)と呼ばれて1通5角である。なお、1元(ユェン)は10角(ジャオ)で、1元は現在約19円。

中国移動通信のサービス内容

中国移動通信の2Gサービス内容

中国移動通信は以前、おもに市内向けにかけるユーザーのための「本地通」(ベンティートン)、おもに全国に電話するユーザーのための「神州行」(シェンジョウシン、「神州」は中国の美称)、海外にも電話する人のための「全球通」(チュェンジョウトン)のサービスがあったが、2010年1月現在次のサービス内容がプロモーションされている。

神州行(英文名:EasyOwn)
「神州行大衆カード実用套餐」は月額20元で、地元(本地)への電話は300分内は毎分2角、300分以上は毎回毎分3角で、相手からの電話受信は無料、相手番号の通知、彩鈴は無料。
「神州行長途カード」は月額20元で、地元への電話は毎分3角で、国内長距離電話は毎分1.5角で、相手からの電話受信は無料、相手番号の通知、彩鈴は無料。
「神州行長話カード暢聊套餐」は月額20元で、地元へは08:00〜21:00が毎分3角、21:00〜08:00は毎分2角、国内長距離電話は毎分19角で、相手からの電話受信は無料、相手番号の通知、彩鈴は無料。
全球通(GoTone)
「全球通58套餐精英版」は月額58元で、電話は地元(本地)でも国内長距離でも200分、パケット通信量は10MBまで、彩鈴が無料。現在、地元への電話はさらに30分、パケット通信量はさらに30MBをサービスしている。「全球通88套餐精英版」は月額88元で、400分まで無料など、「全球通128套餐精英版」は月額128元で、700分まで無料など。
動感地帯(M-Zone)
「動感地帯」(ドンガンディダイ、生き生きした場所という意味)は比較的新しい、若者向けのサービスで、月額25元で、SMSは300件まで、パケット通信量は30MBまで無料。電話は地元(本地)へ200分、パケット通信量は10MB、彩鈴が無料。電話は地元向けに08:00〜21:00(月〜金)が毎分3角、21:00〜08:00(月〜金)、土・日は毎分2角。他に、学生向けの特別サービス(校内では無料)などもあり、インスタントメッセンジャーQQに携帯電話で参加するのにもよく使われている。

以前の「本地通」(月額料金なし)、「神州行」、「全球通」も、すでに契約したユーザーにはサポートしている。

中国移動通信の3Gサービス内容

中国移動通信は2009年からTD-SCDMA3Gサービスを行なっている。3Gの本格稼働の初年度から、ノートパソコン会社と共にデータ通信端末をノートパソコンにバンドルし、どこでも使えるようにしたキャンペーンを展開している。現在、次のようなサービス内容になっている。

動感地帯網聊套餐G3版
利用は毎月25元で、市内の電話は08:00〜21:00が毎分3角、21:00〜08:00は毎分2角、SMSが300件、受信、無料。現在、電話およびテレビ電話が50分、パケット通信量が30MBまで、無料。学生用割引(校園版)料金もある。
全球通88套餐G3版など
全球通88套餐G3版は、毎月88元で、電話およびテレビ電話が全国へ200分、彩鈴、パケット通信量500MBが無料で、市外での電話料が毎分2角、など。その他、:全球通128、188、228、288、388、588、888套餐G3版(電話およびテレビ電話の無料時間が徐々に増えて、パケット通信量は388套餐以降は1GB)がある。

電話以外では、ノートパソコンUSB接続して使うデータ通信端末を聯訊が製作したものを販売している。9か月使えて、値段は1300元。上りは384Kbps、下りは2.9Mbpsで、900/1800/2100/2025MHzをサポート。遼寧省で使えて、遼寧省以外では利用料金が高くなる。[6]

中国聯合通信のサービス内容

2011年1月現在、2GGSM方式(900 MHz、1800 MHz、1900MHz帯)と3GWCDMA方式(1900 MHz、2100 MHz)でサービスを提供している[7][8]

中国聯合通信の2Gサービス内容

中国聯合通信の2Gは、GSMのサービスを行なっている。

世界風
新勢力
如意通

地域によっては、様々な料金プランがあります。

中国聯合通信の3Gサービス内容

中国聯合通信は2009年からW-CDMA3Gサービスを行なっている。

中国聯通の3G回線で契約している場合も使用している携帯電話端末が対応していれば、電波状況に応じて中国聯通の2G回線を使用した通話、SMS、データ通信(GPRS、EDGE)も別途契約せずに利用可能である。

中国聯合通信の3Gサービス
月額料金(元) 電話(分) パケット通信量(MB) テレビ電話(分)
96 240 300 10
126 320 400 15
156 420 500 20
186 510 650 20
226 700 750 25
286 900 950 30
386 1250 1300 50
586 1950 2000 100
886 3000 3000 180

- 電話超過は毎分1.5角、テレビ電話超過は毎分9角、パケット通信量超過は毎MBにつき3角。 - 学生用の毎月66元のサービスもある。

中国聯合通信の4Gサービス内容

中国聯合通信は2014年からFDD-LTEおよびTD-LTE4Gサービスを行なっている。

中国聯通の4G回線で契約している場合も使用している携帯電話端末が対応していれば、電波状況に応じて中国聯通の3Gと2G回線を使用した通話、SMS、データ通信(W-CDMA、GPRS、EDGE)も別途契約せずに利用可能である。

中国聯合通信の4G全国プラン
月額料金(元) 電話(分) パケット通信量(MB)
76 200 400
106 300 800
136 500 1024
166 500 2048
196 500 3072
296 1000 4096
396 2000 6144
596 3000 11264

- 電話超過は毎分1.5角、パケット通信量超過は毎MBにつき3角、1GB超過した場合、200MBにつき12元。

中国聯合通信の4G自由組合プラン

電話、パケット通信量自由に組み合わせることができます。 -パケット通信量 -100MB/8元、300MB/16元、500MB/24元、1GB/48元、2GB/72元、3GB/96元、4GB/120元、6GB/152元、11GB/232元 -パケット通信量超過は毎MBにつき2角 -電話 -200分/32元、300分/40元、500分/56元、1000分/112元、2000分/160元、3000分/240元 -電話超過は毎分1.5角 -SMS/MMS -200/10元、400/20元、600/30元 -超過は毎件1角

携帯電話以外では、中興通訊製のノートパソコンUSB接続して使うデータ通信端末を販売している。12か月使えて、値段は1000元。毎月150時間、1.5GBまで使えて、これを超えると毎時6元かかる。上りは460Kbps、下りは7.2Mbpsで、中国全土で同じ利用料金で使える。

使い放題プラン(冰激凌套餐)
プラン名 料金(元) パケット通信量 電話(分)
大冰神卡 199 無制限(月使用量が40GBに超えると、速度が7.2Mbpsに制限され、100GBを超えたら256Kbpsになる) 無制限
小冰神卡 99 無制限(月使用量が20GBを超えると、速度が2Mbpsに制限される。 300

SMSは別料金として、0.1元一件を徴収される。[9]

中国電信のサービス内容

中国電信の2Gサービス内容

中国電信の2Gは、CDMAでサービスを行なっている。

中国電信のPHSサービス内容

「小霊通」(PHS)はこれまで固定電話会社が携帯電話事業に参加できるように発展してきたもので、いまは中国電信が引き受けている(ただし、旧中国網通が手がけていた小霊通は、中国聯通が譲受している)。番号体系は固定電話と同じである(例えば、遼寧省大連市では0411-xxxx-yyyy)。同一市区内では使えるが、他の市区ではエリアであっても使用不可能で、また過疎地域離島などでは圏外で使えない場合が多い。

利用費用は一般的に安く、毎月18元の使用料で、電話料が毎分1角、SMSが1通1角。以前はSMSを他のキャリアへ送れなかったが、数年前から同じ費用で送れるようになった。2009年から、PHSを普通の携帯電話へ変更するキャンペーンが行なわれている。

中国電信の3Gサービス内容

中国聯合通信は2009年からCDMA2000 1xCDMA2000 1xRTT)で3G(3.5GのEV-DO(Rev.ARel.0)含む)サービスを行なっている。

携帯電話以外では、華為技術製のノートパソコンUSB接続して使うデータ通信端末を販売している。12か月使えて、値段は1020元。毎月133時間(毎日50分間)使える。上りは1.8Mbps、下りは3.1Mbpsで、市内(大連市)で使えて、市外では利用料金が高くなる。

SIMカードの入手

すべての携帯端末はSIMカードを使っているので、SIMカードの入手がすなわち携帯電話サービス会社との契約となる。これには、端末を買ってから、脇にある携帯電話サービス会社のデスクへ行き、携帯会社のサービスから自分に合ったものを選び、身分証またはパスポートを見せて、SIMカード所有権証と一緒に入手する。

SIMカードは街中のマガジンスタンドなどでも売られている。旅行者など使い捨てとする場合は、書類への記入などもなく、すぐに手に入るため便利である。本来は身分証明書を持って購入するものであるため、他人の名義で契約されている。そのため長期間継続使用する場合はキャリアの窓口で購入した方がよい。継続使用する場合は、使用開始したあとに銀行やキャリアの窓口で2回ほどそのカードにチャージしてからチャージ証明書を持ってキャリアの事務所へ行き手続きをすれば、所有権を自分のものに変更できることもあるが、地区や担当者によっても対応が異なる。キャリアがSIMカードを使用停止にする可能性もある。

支払い方法

以下、支払い方式は契約内容や契約した省、地域により可能なものと不可能なものがある。

  • プリペイド式(先払い方式。パスポートがあれば外国人でも簡単に契約可)。
  1. 契約している携帯電話会社の営業所で現金、銀聯カード、クレジットカードなどでの支払い。
  2. 契約している携帯電話会社のウェブサイトから中国の銀行のインターネットバンキング、クレジットカードで入金。
  3. 街角の「移动电话充值卡」などの表記がある商店、雑誌/新聞スタンド、コンビニ、スーパー、携帯電話ショップ街、パソコンショップ街など各所で販売されている携帯電話の入金用プリペイドカード(充值卡)を買って入金専用電話番号に電話して入金する。携帯電話会社のウェブサイトからも入金できる。
  4. 淘宝網などにあるインターネット上の店舗で各金額の入金用パスワードを購入して入金専用電話番号に電話して入金する。
  5. 携帯端末の決済システム(手机钱包=中国移動の場合)の残金からの支払い。

などの方法がある。

携帯電話会社によっては全国共通で使える入金用プリペイドカードもあるが、基本的には地域ごとにその地域で契約したSIMカードにしか使えない地域専用の入金用プリペイドカードが多い。自身が契約した地域以外や国外からの入金は、インターネット経由で支払う場合以外は、あらかじめ充分に入金しておくか、友人、知人など自分が契約した地域に滞在している人に連絡して代理で入金してもらうなどの方法を取る必要がある。

  • ポストペイ式(後払い方式)の場合。
  1. 中国移動は外国人の契約には企業や中国人の保証人が必要、中国聯通は契約地域に住所があれば500元の保証金を払うことで契約可(2010年10月現在、上海市の場合。地域により制限が違う可能性あり)。
  2. 請求書を持って契約している携帯電話会社の営業所、コンビニなど請求書に表記された支払い可能な店舗で支払う。
  3. 予め設定した中国の銀行口座からの自動引き落とし。

電話サービスの問合せと利用明細

中国移動通信に例を取ると、携帯電話で10086が問合せ番号である。中国語、あるいはいくつかの都市では英語や日本語で対応できる。現在のプリペイド料金の状況は、この番号に「113」(地域によって異なる)のみを書いたSMSを送ると、すぐ今月のこれまでの利用料金と現在の残金が中国語で返信される。

毎月10日ごろ、次のような内容で前月の使用料金の報告がSMSで送られてくる。(地域によって異なる)

簡体字: 您的09年12月话费总额56.50月基本费0.00增值业务费14.6语言通信费51.90集团客户业务费0.00代收费0.00补收费0.00减免10.00直接回复“1”可免费查询话费分项明细

日本語漢字:您的09年12月総額56.50, 月基本費0.00, 増値業務費14.60, 語言通信費51.90, 集団客戸業務費0.00, 代収費0.00, 補収費0.00, 減免10.00, 直接回複“1”可免費査詢話費分項明細

何日・何時何分に、どこへ電話して、いくらかかったかの状況は、上のSMSに対して「1」を返信すると送られる。また、インターネット上や各キャリアの事務所にある特殊な機械で、パスワードを使って調べることもできる。


  1. ^ a b "中国の3G携帯電話契約数、1―5月に3825万件増"、2012年6月26日15:52配信、サーチナ(2012年12月19日閲覧)。
  2. ^ 百度百科:中国移動電信の企業大事記 (中国語)
  3. ^ TD-SCDMA (中国語)
  4. ^ China Smartphone Market Share: By Quarter” (英語). Counterpoint Research (2021年11月30日). 2021年12月23日閲覧。
  5. ^ 2010年1月、中国移動通信の大連市西安路店にあった宣伝用資料による。
  6. ^ ノートパソコンにUSB接続して使う3G利用カードについては以下も、2010年1月に大連市青泥窪橋の大商グループ電脳広場で調査。
  7. ^ 关于中国联通 移动通信网(中国語)
  8. ^ 中国联通获批3G频率
  9. ^ 冰神卡”. 2018年4月25日閲覧。





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