ポケモンスタジアムシリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/16 02:32 UTC 版)
ポケモンスタジアム2
ジャンル | 対戦&図鑑 |
---|---|
対応機種 | NINTENDO64 |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー |
三木研次 石原恒和 岩田聡 宮本茂 |
ディレクター | 清水隆雄 |
プログラマー | 西田泰也 |
音楽 |
若井淑 永田権太 峰岸透 |
美術 | 菱田達也 |
人数 | 1人から4人(対戦など) |
メディア | ロムカセット |
発売日 | 1999年4月30日 |
売上本数 |
71万本 546万本[1] |
その他 | 64GBパック対応 |
『ポケモンスタジアム2』は1999年4月30日に日本国内で発売されたNINTENDO64用ゲームソフト。国内売上本数は約71万本。
概要(2)
シリーズの2作目、というよりもむしろ前作の完全版であり、ようやく今作時点でのポケモン151種全種出場可能となった。前作同様『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』版に対応。当初は64DDの追加ディスクという形での販売を予定していた。前作プレイヤーの主な不満点を全て解消した上に多数の新機能を搭載している。対戦時の技の効果なども微妙に調整され、『ポケットモンスター 金・銀』に引き継がれた部分もある。
前作では、初心者を突き放した、いわゆる「バトルだけに専念したい」という人だけが楽しめるようなバランス調整だったが、本作では、ミニゲームコーナーや対戦する相手もはじめは弱くなっていたりと初心者にも非常に易しくなっている。一方、全てをクリアすると、上級者のための「裏」モードが出現し、歯ごたえのある対戦も楽しめる。本作の発売時点で既に『赤・緑』の発売から3年以上が経過していたので、練りに練られたゲームバランスを堪能できる。
本作以降4人同時プレイに対応し、フリーバトルにおいて2人のプレイヤーによる混成パーティが組めるようになった。ただし同時に戦闘に出せるポケモンは各チーム1体ずつであり、『ルビー・サファイア』のマルチバトルとは異なる。
また、本作からはピカチュウバージョンのピカチュウを対戦に出したときやミニゲームにおいて、アニメ版の声が用いられるようになった。細かい変更点としては、対戦中にポケモンがこおりづけになった際、そのポケモンは「氷の檻」の中で、攻撃を受けた際のリアクションのようなポーズを取ったままになるようになった。
実況は前作と同じく長谷部浩一が担当。
2022年9月13日に放送されたNintendo Directにて、『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』の収録ソフトのひとつとして今後配信されることが発表され、2023年4月12日より配信[2][3][4][5]。なお、ゲームボーイで育てたポケモンは使用できない。
対戦ルール (2)
- ニンテンドウカップ99
- 本作のメインといえるルール。本作発売後に開催した1999年の公式大会に基づくルール。難易度別に4つのランクがある。ミュウ、ミュウツーを除いたレベル50以下のポケモンのうち、1997年・1998年の公式大会の全国トーナメントに一度も登場した事の無いポケモンを対象としている(前作から登場しているポケモンのうち、地区大会及び全国大会の入賞者が使用していたポケモン23体とミュウ・ミュウツーの2体を差し引いた126体)。敵として出場するポケモンは、モンスターボール級やスーパーボール級では一部のポケモンでレベル40台が存在するが、それ以降は全てレベル50となっている。
- 出場できないポケモンはフシギバナ、ダグトリオ、フーディン、ゴローニャ、レアコイル、ゲンガー、スリーパー、マルマイン、ナッシー、ラッキー、ガルーラ、スターミー、ルージュラ、ケンタロス、ギャラドス、ラプラス、メタモン、シャワーズ、サンダース、カビゴン、フリーザー、サンダー、カイリュー、ミュウツー、ミュウ。
- ウルトラカップ
- 全ポケモン参戦を売りにした本作のもう一つのメインと言えるルール。このカップも難易度別に4つのランクがある。ポケモンの種族、レベル無制限の派手なバトルが展開できるが、同じポケモンは2体以上エントリーできない。また、プレイヤーの出場レベルは不問だが敵として登場するポケモンは全てレベル100となっている。他のポケモンと一線を画した能力値を持つミュウツーも参戦可能だが、敵としては登場しないことから、ミュウツーを使わないことを前提にバランスが調整されていると見られる。
- ニンテンドウカップ98
- 1998年の公式大会に基づくルール。前作の「レベル30トーナメント」に相当するが、今作では一部の技の効果が変更されているので同じ戦略は通用しづらい。「裏」では実在している大会出場者達が似顔絵入りの実名で登場する(前作の「レベル50トーナメント」と同じく、大会で使われたポケモンと同じ能力が再現されている)。前回大会と比較すると戦略・戦術が磨かれている上に育成システムを把握しているプレイヤーも増えているので非常に手強い。とくに九州代表のやまうちともゆき(実在のトレーナー)戦は屈指の難易度である。尚、前作から登場しているポケモンの内、97・98カップでの出場・使用経験のあるポケモンは、99カップでは出場禁止となっている。
- ニンテンドウカップ97
- 1997年の公式大会に基づくルール。前作の「レベル50トーナメント」と基本的には同じだが、40体しか参加していない前作と違ってミュウツー・ミュウを除く149体が参加可能だが、敵としては地区大会及び全国大会の入賞者が使用していたポケモンしか登場して居らず、出場者もゲーム内のトレーナーのみとなっている。
- ファンシーカップ
- 身長2メートル以下、体重20キログラム以下、未進化の条件を満たすポケモンのみ参加できる変則ルール。レベル制限は25〜30(対戦に出す3体のレベルの合計は80以下)。名前の通り、かわいらしいポケモンが活躍できる。このルールは公式大会本戦(ニンテンドウカップ99)のプレイベントのような形で全国大会も開催された。ポケモンの最大HPが少ないため、ここでは必ず40ダメージが与えられる「りゅうのいかり」が要注意技となる。
- 出場可能なポケモンはフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ、キャタピー、ビードル、ポッポ、コラッタ、オニスズメ、アーボ、ピカチュウ、サンド、ニドラン♀、ニドラン♂、ピッピ、ロコン、プリン、ズバット、ナゾノクサ、パラス、ディグダ、ニャース、コダック、ガーディ、ニョロモ、ケーシィ、ワンリキー、マダツボミ、イシツブテ、コイル、カモネギ、シェルダー、ゴース、クラブ、ビリリダマ、タマタマ、カラカラ、ドガース、タッツー、トサキント、コイキング、メタモン、イーブイ、オムナイト、カブト、ミニリュウ。
- イエローカップ
- ミュウを除くレベル15〜20(対戦に出す3体のレベルの合計は50以下)の間に存在しているポケモンが参加可能。このレベルでは大部分のポケモンが未進化だが、低確率で現れる進化した状態の野生ポケモンや、ゲーム内での交換イベントを駆使すれば意外なポケモンが条件を満たしており、特にピカチュウ版(通称「イエロー」)には条件を満たす強力なポケモンが多く出現する。1999年11月に発売された『金・銀』との通信も駆使すれば参加可能なポケモンはさらに増える(金・銀バージョンでのタマゴから孵化させたポケモン等)。ファンシーカップと同様、ポケモンの最大HPが少ないため、ここでは必ず40ダメージが与えられる「りゅうのいかり」が要注意技となる。
- ジムリーダーのしろ
- レベル・ポケモンの種類を問わず参加可能。城の奥へ向かう道に立ちふさがるカントー地方の8つのジムを順にクリアしていき、ゴールを目指すモード。1つのジムにはトレーナー3人とジムリーダー1人の計4人がおり、一度も負けずに4人全員に勝てば突破できる。配下のトレーナーは基本的にGB版ポケットモンスターで各ポケモンジムの登場していた種類のものが「ジムリーダーのしろ」でも登場する。8つのジムをクリアすると四天王が登場。ここで四天王4人とチャンピオン1人に連続で勝利すれば、ジムリーダーのしろ完全制覇となる。なお、敵の使用ポケモンのレベルは、プレイヤーの最高レベルのポケモンと等しくなる(ただし最低値はレベル50)。
- ミュウツーをたおせ
- 全てのトーナメントと「ジムリーダーのしろ」を制覇すると出現するモード。最大6体の手持ちポケモンを用いて、当時最強のポケモンとされたレベル100(最大)のミュウツー1体に挑む最終決戦。こちらの使用ポケモンに制限は無く、全てが倒れるまでにミュウツーを倒せばよい。これをクリアーすればゲームはエンディングを迎え、通常(通称「表」)より全ての対戦モードのポケモンの強化された別ステージ「裏」が出現する。なお「裏」でも上記と同等の方法をクリアーすれば再びミュウツーと戦えるが、「表」よりも格段に強く、ゲーム内で存在しうる最強の能力値で現れる。これに勝利すれば真のエンディングを迎える。
独自のシステム (2)
- チビッコクラブ
- 対戦とは全く関連しないおまけ要素として搭載されたミニゲーム。全部で9種類存在する。
- 内容はいずれも何かしらポケモンの特徴をうまく利用したものになっており、「はねる」しか覚えられないコイキングを使った「コイキングのはねるでポン」や、「かたくなる」しか覚えられないトランセルとコクーンを使った「かたくなるがっせん」といったものがある。なお、同モード中のポケモンの鳴き声はアニメ版のものが使われている。
- でんどういりのやかた
- いずれかのトーナメントおよび「ジムリーダーのしろ」最終ラウンドをクリアした時点の手持ちポケモンは、ここに「殿堂入り」する。全ポケモンを殿堂入りさせることでご褒美として「ドわすれ」を覚えたコダックをもらえる。同じ種族が再び殿堂入りした場合、前の記録が強制的に上書きされるのがマイナスポイントであった。
- 「ジムリーダーのしろ」のごほうび
- クリアすると、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ、イーブイ、サワムラー、エビワラー、カブト、オムナイトのいずれかがもらえる。ランダムだが、クリアするたびに何度でももらうことができる。これらはいずれも本編では選択肢に絡み、全て手に入れるためには通信が必須となるポケモン達である。さらに、『金・銀・クリスタル』に送るまでは確認できないが、表でもらえるポケモンには「きのはこ(銀のトロフィー)」、裏は「きりのはこ(金のトロフィー)」を持っていて、『金・銀・クリスタル』バージョンのぬいぐるみと同じ置物として家に飾れる。
- GBビル・ドードーGB・ドードリオGB
- ゲームボーイの本編をプレイできる機能。NINTENDO64という大容量のハードウェアにより、通常(ゲームボーイ)の2倍・4倍の速度でプレイできるようになった。ただし、始めはGBビルのみが使え、ゲームを進めることで、ドードーGBとドードリオGBも使えるようになる
注釈
- ^ 進化は『ポケモンスタジアム金銀』のみ可能
- ^ GB側でのポケモンやアイテムの整理は基本的にポケモンセンターでしか行えない等、ポケットモンスター本編のゲーム進行に影響を及ぼさないようにするための措置。
- ^ とは言え、フラッシュメモリであっても書き込みを行わずに数年以上放置した場合はデータが蒸発する可能性がある。詳細はフラッシュメモリ#保持期間を参照。
出典
- ^ a b 2021CESAゲーム白書 (2021 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2021). ISBN 978-4-902346-43-5
- ^ “4月12日より「NINTENDO 64 Nintendo Switch Online 」に『ポケモンスタジアム2』を追加。当時のゲーム誌「64DREAM」の記事情報も公開。”. トピックス. Nintendo (2023年4月4日). 2023年4月4日閲覧。
- ^ “『ポケモンスタジアム2』が4月12日(水)より“NINTENDO 64 Nintendo Switch Online”に追加。“レンタルポケモン”の仕様が話題に”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年4月4日). 2023年4月12日閲覧。
- ^ 徳永浩貴 (2023年4月4日). “「ポケモンスタジアム2」が「NINTENDO 64 Nintendo Switch Online」に4月12より追加!”. GAME Watch. インプレス. 2023年4月12日閲覧。
- ^ やわらぎ (2023年4月4日). “「ポケモンスタジアム2」,NINTENDO 64 Nintendo Switch Onlineに追加決定。4月12日からプレイ可能に”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年4月12日閲覧。
- ^ “『ポケモンカードGB』と『ポケモンスタジアム金銀』がNintendo Switchで遊べるように。”. 任天堂 (2023年8月8日). 2023年8月9日閲覧。
- ^ “『ポケカGB』『ポケモンスタジアム金銀 クリスタルバージョン』Switch Onlineにて配信開始【ポケモンプレゼンツ2023.8.8】”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年8月8日). 2023年8月9日閲覧。
- ^ S.K.Y (2023年8月8日). “「ポケモンカードバトルGB」「ポケモンスタジアム 金・銀・クリスタルバージョン」がNintendo Switch Onlineに登場。本日配信開始”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年8月9日閲覧。
- ^ 岩瀬賢斗 (2023年8月8日). “「ポケモンスタジアム金銀」と「ポケモンカードGB」がSwitch Onlineでついに配信!「Pokemon Presents」配信終了後にプレイ可能に”. GAME Watch. インプレス. 2023年8月9日閲覧。
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