ポケモンスタジアムシリーズ ポケモンスタジアム金銀

ポケモンスタジアムシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/16 02:32 UTC 版)

ポケモンスタジアム金銀

ポケモンスタジアム金銀
Pokémon Stadium 2
ジャンル 対戦&図鑑
対応機種 NINTENDO64
開発元 任天堂
発売元 任天堂
ディレクター 清水隆雄
プログラマー 兼重力
音楽 若井淑
美術 菱田達也
人数 1人から4人(対戦など)
メディア ロムカセット
バックアップフラッシュメモリ搭載
発売日 2000年12月14日
売上本数 114万本
254万本[1]
その他 64GBパック対応
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ポケモンスタジアム金銀』は2000年12月14日に日本国内で発売されたNINTENDO64用ゲームソフト。国内売上本数は約114万本。

概要(金銀)

シリーズの3作目にして最終作。『金・銀・クリスタル』対応版。前作の『赤・緑・青・ピカチュウ』版にも一部対応している。

基本的には『金・銀・クリスタル』版のためのソフトであるが、前作『赤・緑・青・ピカチュウ』版からも直接、ポケモンやアイテムの管理をしたり対戦モードに参戦することが可能である。使用できるポケモンや技が大幅に制限されるので難易度は上がり、一種のやり込みプレイになる。なお、その場合もポケモンの能力や技の効果は『金・銀・クリスタル』準拠となる。ちなみに『赤・緑・青・ピカチュウ』において異なるデータ間でアイテムをやり取りする手段は本作が唯一であり、これによる新たなやり込みも可能となった。

シリーズでは唯一ドルビーサラウンドに対応している。

実況は大西健晴が担当。

2022年9月13日に放送されたNintendo Directにて、『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』の収録ソフトのひとつとして今後配信されることが発表され、2023年8月8日に配信開始[6][7][8][9]。なお、ゲームボーイで育てたポケモンは使用できない。

対戦ルール(金銀)

ニンテンドウカップ2000
本作発売前後の2000年秋から2001年の年明けまでに開催された公式大会のルールに基づく。レベル50〜55(ただし対戦に出す3体のレベルの合計はニンテンドウカップ97と同じく155以下)のミュウツーミュウルギアホウオウセレビィを除く全ポケモンが参加可能(ニンテンドウカップ99で出場禁止になっていたポケモンも今大会では出場復帰している)。難易度別に4ランクがある。ルビー・サファイア発売以後も一定の人気を博す対戦ルールである。
ウルトラカップ
前作同様、ポケモンやレベルに制限の無いルールである。さらに多彩になったポケモンや技で存分に暴れることができる。前作のウルトラカップで猛威を振るったミュウツーも出られるが、悪・鋼タイプの登場、特殊の特殊攻撃・特殊防御への分裂、メイン技の「サイコキネシス」の追加効果の発動確率の減少により前作ほどの強さは発揮できない。
リトルカップ
レベル5で、「進化することができるがまだ進化していないポケモン」のみが参加できる。『金・銀』の新要素であるタマゴシステムを前面に押し出したルール。名前に似合わず、ストライクイワークといった大型のポケモンが活躍する。前作のファンシーカップやイエローカップで「りゅうのいかり」が要注意技となっていたためか、このカップではポケモンによらずダメージが固定の技「ソニックブーム」「りゅうのいかり」は効果無しとなっている。
チャレンジカップ
プレイヤーが用意したポケモンは使えず、エントリーした時点でランダムで決まる6体のポケモンを用いてプレイしなければならない。また、相手の手持ちもランダムで決まるため、特定の攻略法も存在しない。つまりプレイヤーの腕、そして運が問われるカップでもある。難易度別に4ランクがある。ランクが上がるごとにポケモンのレベルも上昇する。大抵の場合、使い慣れないポケモンや技の使用を強いられることになる。GB版を持っていない、64GBパックが無いプレイヤーでも気軽に楽しめるカップでもある。
ジムリーダーのしろ
レベル・ポケモンの種類を問わず参加可能。基本的なルールは『2』と同じ。しかし今作ではゴールするまでにジョウト・カントーの計16ジムを制覇せねばならず、さらにロケット団乱入イベントもあるためステージ数が大幅に増えた。また、1ジムあたりのトレーナーの人数も前作とは違ってまちまちである。例えば、アサギジムにはトレーナーが1人もおらず、リーダーのミカン1人だけで構成されている。
ライバルをたおせ!
全てのトーナメントと「ジムリーダーのしろ」を制覇するとプレイできる。最大6体の手持ちポケモンを用いて、当時最強のポケモン達とされたミュウツールギアホウオウを引き連れたライバル(『金・銀』)との最終決戦。「裏」ではより強化されている。それぞれ、クリアすることがエンディング閲覧の条件であることは前作と同様。

独自のシステム(金銀)

ポケモンこうざ
対戦における基本的な知識やテクニックをチュートリアルで学んだり、実際に模擬対戦をすることができる。さらに、全ポケモンの覚える技や出現場所のデータベースも閲覧できる。「攻略本いらず」とも称された(実際、当時の『金・銀・クリスタル』の攻略本よりデータは充実していた)。
ポケモンクイズ
本作はミニゲームともうひとつのミニゲームとして「ポケモンクイズ」が追加されている。名前のとおりポケモンに関するクイズを楽しめる。1人から4人までプレイできる。難易度は「かんたん」「ふつう」「むずかしい」と3つに分けられている。「むずかしい」になると「………ですが、………はなんでしょう?」などというフェイント(パラレル)がある。
「ジムリーダーのしろ」のごほうび
クリアした時のメンバーのいずれか1体に、「そのポケモンがそのレベルまでに自力で覚えられる技」を1つだけ「思い出させる」ことができる。この方法を使わないと覚えられない技も存在する。
本編では特に名前は出ていないが、攻略本ではスーパーわざマシンと呼ばれている。
ルールエディット
フリーバトルのルールを自由に作成できる。とはいっても参加ポケモンやレベルの制限、引き分けの裁定やコマンド入力制限時間などが設定できるのみで、ルールにあわせた対戦相手が現れるわけでもなかった(あくまでもプレイヤー同士の対戦を想定)ため、大会のような特殊な状況を除いてはあまり用いられることは無かった模様。
ふしぎなおくりもの
『金・銀・クリスタル』における通信の一種。本来はゲームボーイカラー2台が必要な対人通信だが、本作では女の子(ノンプレイヤーキャラクター)と行うことができる。当然、1日あたり1つのGBデータにつき1回まで。また、そのデータでふしぎなおくりものを行えるようにしておくことが必要。因みに毎日来たり、何日か来なかったりすることで女の子の台詞が変わる。なお、女の子と最後に通信した状態でトレーナーハウスへ行くと、「オクル」という名のトレーナーが現れる。
じぶんのへや
『金・銀・クリスタル』では自分の部屋を好きなアイテムで模様替えすることができるが、それを3D画面で鑑賞できる。
モバイルスタジアム
モバイルアダプタGBを接続したことのある『クリスタル』を接続した後に現れる。『クリスタル』経由でダウンロード(現在ではサービス終了)した実際の公式大会の対戦を鑑賞したり、そのトレーナーと実際に対戦することができる(操作はCP)。シリーズ名物である実名の大会入賞者が本作に登場しないのはこのモードが存在するためとも考えられる。ただしフリーバトルとして戦うことしかできず、似顔絵も無い。
「ともだちデータ」機能で直接対戦(ともだちとモバイル)した相手のデータを登録し、CP操作で対戦することもできる。
GBビル・ドードーGB・ドードリオGB
ゲームボーイの本編をプレイできる機能。NINTENDO64という大容量のハードウェアにより、通常(ゲームボーイ)の2倍・4倍(『金・銀・クリスタル』は3倍)の速度でプレイできるようになった。ただし、始めはGBビルのみが使え、ゲームを進めることで、ドードーGBとドードリオGBも使えるようになる
『金・銀・クリスタル』で倍速モードを使った場合、処理能力の関係で2倍にすると画面がセピア色に変化するとともにフレームが消失(これはスーパーゲームボーイ使用時のピクチャーフレームと同じものであるため、GBC専用の『クリスタル』は元から無い)、3倍速になると画面がモノクロになる。

豆知識

  • 今作に登場するポケモンの3Dモデルは、後にWiiで発売された「ポケモンバトルレボリューション」に流用されている。
  • 発売前の一時期は『ポケモンスタジアム金銀クリスタル』というタイトルで発表され、タイトルロゴも公開されたが、結局『クリスタル』の部分は除外された。
  • 本作の発売を記念して、歴代の大会で上位を収めたプレイヤーを招待した「エキシビジョンマッチ」が開催された。
  • 本作品はポケモンシリーズで初めてフラッシュメモリバックアップを採用している。よって、半永久的にポケモンを保存できる[注 3]。『金・銀・クリスタル』は、時計機能搭載であるがゆえ、バックアップ電池の消費が早いので、それを補う機能と言える(異なるID間でポケモンをやりとりするには150種類以上のポケモンを捕まえていないといけない)。
  • 公式にアナウンスはされないが「メモリー拡張パック(ハイレゾパック)」に対応している。これを本体に接続していると、GBビルで『金・銀・クリスタル』のプレイ中に発生する頻繁なローディングを回避できる。
  • ミニゲームプレイ時にGBパックを接続していると、そのGB版のポケモンを参加させることが出来、勝利するとGB版でのゲームコーナーのコインが手に入ったり、ポケモンの「なつき具合」が上昇するといったメリットが見られる。この場合は「オオタチのピョンピョンボール」でキリンリキ、「ころころトゲピー」でオムナイト等、本来とは異なるポケモンでのプレイも可能。
  • ミニゲームの「はこんでデリバード」でGBパックを接続し使うと、登場するプレゼントのうちゲームボーイカラーとNINTENDO64が、当時の新製品(厳密に言うとこの時点では未発売)であるゲームボーイアドバンスゲームキューブに変わる。ゲームボーイカラーとゲームボーイアドバンスの重量はさして変わらないが、ゲームキューブはNINTENDO64に比べて若干軽く、やや速い速度で運べる。
  • 裏スタジアムでは、「金・銀・クリスタル」にしか存在しない技のタマゴ技と「赤・緑・青・ピカチュウ」のわざマシンなど、普通では出来ない組み合わせの技を覚えているポケモンが何体かいる。(一例としては、マチスのライチュウが「なみのり」と「きしかいせい」を覚えている、シバのナッシーが「げんしのちから」と「だいばくはつ」を覚えている、など。)
  • 裏ジムリーダーの城のワタルは、手持ちのオーダイルバンギラスにせんせいのツメを同時に持たせている。普通、同じ道具を持たせることは出来ないので、これはもちもの重複の違反である。
  • 今作の敵NPCは、ポケモンシリーズでもトップクラスに賢いと言われている。例えば、こちらのポケモン交代を予測して技を選択する、一度プレイヤー側が使用した技を警戒する等の行動をとる。

注釈

  1. ^ 進化は『ポケモンスタジアム金銀』のみ可能
  2. ^ GB側でのポケモンやアイテムの整理は基本的にポケモンセンターでしか行えない等、ポケットモンスター本編のゲーム進行に影響を及ぼさないようにするための措置。
  3. ^ とは言え、フラッシュメモリであっても書き込みを行わずに数年以上放置した場合はデータが蒸発する可能性がある。詳細はフラッシュメモリ#保持期間を参照。

出典

  1. ^ a b 2021CESAゲーム白書 (2021 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2021). ISBN 978-4-902346-43-5 
  2. ^ 4月12日より「NINTENDO 64 Nintendo Switch Online 」に『ポケモンスタジアム2』を追加。当時のゲーム誌「64DREAM」の記事情報も公開。”. トピックス. Nintendo (2023年4月4日). 2023年4月4日閲覧。
  3. ^ 『ポケモンスタジアム2』が4月12日(水)より“NINTENDO 64 Nintendo Switch Online”に追加。“レンタルポケモン”の仕様が話題に”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年4月4日). 2023年4月12日閲覧。
  4. ^ 徳永浩貴 (2023年4月4日). “「ポケモンスタジアム2」が「NINTENDO 64 Nintendo Switch Online」に4月12より追加!”. GAME Watch. インプレス. 2023年4月12日閲覧。
  5. ^ やわらぎ (2023年4月4日). “「ポケモンスタジアム2」,NINTENDO 64 Nintendo Switch Onlineに追加決定。4月12日からプレイ可能に”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年4月12日閲覧。
  6. ^ 『ポケモンカードGB』と『ポケモンスタジアム金銀』がNintendo Switchで遊べるように。”. 任天堂 (2023年8月8日). 2023年8月9日閲覧。
  7. ^ 『ポケカGB』『ポケモンスタジアム金銀 クリスタルバージョン』Switch Onlineにて配信開始【ポケモンプレゼンツ2023.8.8】”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年8月8日). 2023年8月9日閲覧。
  8. ^ S.K.Y (2023年8月8日). “「ポケモンカードバトルGB」「ポケモンスタジアム 金・銀・クリスタルバージョン」がNintendo Switch Onlineに登場。本日配信開始”. 4Gamer.net. Aetas. 2023年8月9日閲覧。
  9. ^ 岩瀬賢斗 (2023年8月8日). “「ポケモンスタジアム金銀」と「ポケモンカードGB」がSwitch Onlineでついに配信!「Pokemon Presents」配信終了後にプレイ可能に”. GAME Watch. インプレス. 2023年8月9日閲覧。


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