ボーンマス ボーンマスの概要

ボーンマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/16 09:07 UTC 版)

ボーンマス
Bournemouth
位置

ボーンマスの位置
座標 : 北緯50度43分 西経1度52分 / 北緯50.717度 西経1.867度 / 50.717; -1.867
行政
イギリス
 カントリー イングランド
 リージョン 南西イングランド
 カウンティ ドーセット
 単一自治体 ボーンマス
地理
面積  
  単一自治体 38.77 km2
人口
人口 (2021年現在)
  単一自治体 196,445人
  備考 [1]
その他
等時帯 グリニッジ標準時 (UTC+0)
夏時間 英国夏時間 (UTC+1)
Postcode
公式ウェブサイト : http://www.bournemouth.gov.uk/

イギリス各都市の住民にその街での生活が幸せかを尋ねた2007年の「イギリスで最も幸福な街」調査で、ボーンマスは回答者の82%が幸せと答え1位となった[2]

歴史

ボーン川(Bourne[3])の河口(mouth)を意味するボーンマスの名が地域名として記録に初めて登場するのは14世紀である[4]18世紀までは荒れ地に過ぎなかったが、1812年にドーセット義勇農騎兵団の将校ルイス・トレゴンウェルLewis Tregonwell地主ジョージ・タップスGeorge Tappsより土地を購入し移住。この一帯を保養地とする計画を立てたトレゴンウェルは、結核に効くとされていたマツを植樹し、いくつかの貸別荘(ヴィラ)を建てた。この試みは結果的に成功しなかったものの、トレゴンウェルが亡くなる1832年には別荘や家屋が点在する小コミュニティとなっていた[5]。今日トレゴンウェルは「ボーンマスの創設者」とされている[6]

タップスの死後、土地を相続した息子のジョージ・タップス=ジャーヴィスGeorge Tapps-Gervisが更なる街の発展に着手し、ボーンマス最初のホテル(現在のロイヤル・バース・ホテル)を建設したり、著名な作家を招いて滞在させるなど、リゾート地としての知名度の向上に尽力した[5][7]1856年には今日街のシンボルであるボーンマス桟橋の原型となる長さ30mの桟橋が設置された[8]

1870年鉄道が開通すると街は急速に発展し、ミッドランドロンドンからの避暑客で賑わいを見せるようになった。1880年には17,000人だった人口は1900年には60,000人に跳ね上がり、多くの芸術家や作家が滞在した[5]20世紀に入ると中心街に多くの劇場、カフェ、ホテル、アール・デコ様式の映画館が誕生した。第二次世界大戦中は大規模な爆撃からは免れたが、海からの侵入に備えて要塞化された臨海地区は深刻な損害を受けた[9]

歴史的にはハンプシャーの一部であるが、1974年の地方行政再編によりドーセットに編入。1997年より単一自治体の地位を獲得した。

地理

ロンドンから170km南西に位置する。西をプール、東をクライストチャーチ、北をイースト・ドーセットと接し、南はイギリス海峡(プール湾)に面している。ストゥア川が北端・東端に自然境界を形成し、都市名の由来でもあるボーン川は街の中心を分断するように進んでイギリス海峡へと注ぐ。世界遺産ジュラシック・コーストは西に位置する。

気候

南海岸に位置するボーンマスは年間を通して比較的温暖な気候に恵まれており、夏の平均気温は12〜22℃、冬の平均気温は1〜8℃である。年間降水量は約800mmで、イギリスの国内平均である1126mmより少ない[10]


  1. ^ city population”. 2023年5月11日閲覧。
  2. ^ “Bournemouth happiest town in UK”. BBC News. (2007年3月8日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/dorset/6431649.stm 2007年9月6日閲覧。 
  3. ^ ボーン川自体はごく小さな川であり、Bourneも「小川」という意味の中英語"bourn"(もしくは"burn")から来ている。
  4. ^ Ashley & Ashley 1990.
  5. ^ a b c Edwards 1981.
  6. ^ Bournemouth honours town founder Lewis Tregonwell”. Daily Echo (2012年4月24日). 2013年2月17日閲覧。
  7. ^ Emery 2008, p. 16.
  8. ^ a b History of Bournemouth Pier”. National Piers Society. 2013年2月17日閲覧。
  9. ^ Emery 2008, p. 100.
  10. ^ Average weather in Bournemouth, United Kingdom”. World Weather and Climate Information. 2013年2月17日閲覧。
  11. ^ Key facts on the economy and labour market”. dorsetforyou.com. Dorset County Council. 2013年2月24日閲覧。
  12. ^ Economy booming thanks to tourism”. Bournemouth Daily Echo (2007年). 2009年2月12日閲覧。
  13. ^ 英リゾート地、ロックダウン緩和で大混雑 地元に懸念と怒り”. BBC (2020年5月22日). 2020年5月22日閲覧。
  14. ^ Darwin Porter, Danforth Prince (2003). Frommer's Great Britain. John Wiley & Sons. p. 266 
  15. ^ Nick Dalton (2012). Frommer's England and the Best of Wales. John Wiley & Sons. p. 311 
  16. ^ Bournemouth rides a new wave”. The Telegraph (2004年7月26日). 2013年2月17日閲覧。
  17. ^ a b c Rawlings 2005, p. 145.
  18. ^ Bournemouth venue marks 25 years”. BBC Dorset. 2012年12月20日閲覧。
  19. ^ Bournemouth's Listed Buildings”. Bournemouth Borough Council. 2013年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月17日閲覧。
  20. ^ a b Mary Shelley's Bournemouth legacy”. BBC Dorset (2010年2月4日). 2013年1月12日閲覧。
  21. ^ Bournemouth, Garden by the Sea”. Bournemouth County Council. p. 2 (2011年5月). 2013年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月9日閲覧。
  22. ^ Bournemouth Balloon Facts”. The Bournemouth Balloon. 2013年2月17日閲覧。
  23. ^ Darwin Porter, Danforth Prince (2003). Frommer's Great Britain. John Wiley & Sons. p. 268 
  24. ^ The History of the IMAX”. Daily Echo. 2013年2月17日閲覧。
  25. ^ Bournemouth Imax building dismantled”. BBC News Dorset (2012年11月5日). 2013年2月17日閲覧。
  26. ^ Background”. Russell-Cotes Art Gallery and Museum (2008年). 2013年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月4日閲覧。
  27. ^ Rawlings 2005, p. 131.
  28. ^ Rodney Legg (2009年11月). “Tolkien in Bournemouth and Dorset”. Dorset Life Magazine. 2013年1月12日閲覧。
  29. ^ A Picture of Bournemouth”. Bournemouth Borough Council. p. 13 (2011年). 2012年11月21日閲覧。
  30. ^ Boscombe surf reef closed over safety concerns”. BBC News Dorset (2011年3月31日). 2011年5月6日閲覧。


「ボーンマス」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ボーンマス」の関連用語

ボーンマスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ボーンマスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのボーンマス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS