ホンダ・シビックタイプR
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5代目 FK8型(2017年 - 2021年)
ホンダ・シビックタイプR(5代目) FK8型 | |
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フロント | |
リア | |
内装 | |
概要 | |
製造国 | イギリス |
販売期間 | 2017年9月 - 2021年7月 |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ |
5ドアファストバック (ハッチバック) |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
K20C型: 1,995cc 直列4気筒 直噴 DOHC ターボ |
最高出力 | 320PS/6,500rpm |
最大トルク |
40.8kgf・m/ 2,500-4,500rpm |
変速機 | 6速MT |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット式 |
後 | マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,700mm |
全長 | 4,560mm |
全幅 | 1,875mm |
全高 | 1,435mm |
車両重量 | 1,390kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:油圧式ベンチレーテッドディスク 後:油圧式ディスク |
2017年1月13日から3日間開催された「東京オートサロン2017」において、セダン・ハッチバックと共に、5代目となるタイプRのプロトタイプが日本で初披露された[28]。同年6月23日には、Hondaホームページ上にスペシャルサイト(ティザーサイト)を公開し、7月下旬に公式発表する予定であることも発表された[29]。
同年7月27日、ファストバッククーペスタイルの5ドアハッチバック、および4ドアセダンと共に5代目「TYPE R」の日本での発売を正式発表。発売は9月29日からとなる[30]。日本市場でのシビックシリーズは8代目以来7年ぶりの投入となるが、過去に数量限定で発売されたことがある「TYPE R」に関してはFK2型の販売終了(完売)以来、約1年半ぶりの投入となった。EP3型と同様に通年販売となる。また、タイプRとしてはこの代よりシビックハッチバック同様のファストバッククーペのようなスタイルを持った5ドアハッチバックとなる。また、ベースのシビックが欧州向けと北米向けとの作り分けをやめたことから、シビックTYPE Rとして初めてアメリカでの販売が開始された。
これまでのタイプRは、ノーマル車をベースに「後付け」で性能を強化してきたが、今回は最初の設計段階からノーマル車とタイプRを同時に開発し、ノーマル車の走行性能のレベルアップとタイプRの実用性の拡大を両立させている。シャシーはリアのサスペンションをマルチリンク式サスペンションに変更したほか、フロントサスペンションには「デュアルアクシス・ストラット・サスペンション」と呼称する新型のストラット式サスペンションを採用。エンジンはFK2型同様K20C型を搭載しているが、エンジン制御の改良により、最高出力を10PS(7kW)向上。6速MTをローレシオ化し、軽量シングルマス・フライホイールを新たに採用。また、ホンダ車で初採用となる減速操作に合わせてエンジン回転数を自動で調整するレブマッチシステムを搭載し、減速時のアクセル操作が不要となった。システムはオフにすることも可能である。ダンパー・ステアリング・スロットルなどの制御デバイスのセッティングをモードスイッチの操作で瞬時に変更できるドライブモードは、「SPORT」と「+R」に「COMFORT」を加えた3モードとなった。
2017年4月、FK2型に引き続きドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおいてタイムアタックを敢行。当時FF市販車最速であったフォルクスワーゲン・ゴルフGTIクラブスポーツSの7分47秒19を破り、7分43秒80を記録しFF市販車世界最速の座を奪還した。
ボディカラーはFK2型からの継続設定となる「チャンピオンシップホワイト」と「クリスタルブラック・パール」の2色に、「ハッチバック」にも設定されている「フレームレッド」と「ブリリアントスポーティブルー・メタリック」の2色を加えた4色展開となった。
2020年6月25日に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生産活動の影響を受け、夏に予定されていたマイナーチェンジモデルの発売を延期することを発表した[31]。その後、同年7月31日に生産拠点での活動再開を受け、発売時期が10月になることが発表された[32]。
同年10月8日に日本仕様のマイナーチェンジと「Limited Edition」が公式発表された(マイナーチェンジモデルは翌10月9日、「Limited Edition」は11月30日発売)[33]。冷却性能向上の為フロントグリルの開口面積を大きくし、ダウンフォース減少を図るためフロントバンパースポイラーの形状を変更。ブレーキに2ピースフローティングディスクブレーキが採用され、バネ下の重量が低減された。また、アダプティブ・ダンパー・システム制御やサスペンションブッシュ・ポールジョイントなどサスペンションをアップデート。ステアリングの表皮にアルカンターラが採用され、シフトノブをティアドロップ形状に変更した。さらに、安全運転支援システム「Honda SENSING」も装備された。ボディカラーは青系を「ブリリアントスポーティブルー・メタリック」から新色の「レーシングブルー・パール」に入れ替え、同じく新色の「ポリッシュドメタル・メタリック」を追加して5色展開となった。「Limited Edition」は、アルミホイールに専用BBS製20インチ鍛造アルミホイールを採用してさらなるバネ下重量の軽量化が図られ、タイヤを20インチのハイグリップ専用タイヤ(ミシュラン製「パイロットスポーツ Cup2」)に変更。アダプティブ・ダンパー・システムとEPSに専用セッティングが施された。ボディカラーは「サンライトイエローII」のみの設定となる。なお、今回のマイナーチェンジでWLTCモードによる燃料消費率並びに排出ガスに対応し、「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得した。
シビックの11代目へのフルモデルチェンジに先駆け、2021年7月31日をもって販売を終了した。なお、同年8月5日に日本で11代目シビックが発表された際に「シビックタイプR」が2022年にフルモデルチェンジする予定であることを明らかにしていた[34]。
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エンジン
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TCR車両
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スーパー耐久参戦車両
注釈
- ^ スマートフォンで撮影したサーキット内でのオンボード映像と走行データを合成させることや、車外での走行データの確認、他のユーザーとのデータ比較などの機能がある。
出典
- ^ 『シビック/シビック フェリオに安全装備を充実しマイナーチェンジ、3ドアは「タイプR」を新設定、4ドアには「LEV・II」を設定追加し発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、1997年8月22日 。
- ^ 『「シビック/シビックフェリオ」をマイナーモデルチェンジ』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、1998年9月3日 。
- ^ 『「シビック タイプR」と「インテグラ3ドアクーペ タイプR」に装備充実の「タイプR・X」を追加』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、1999年12月16日 。
- ^ “シビックタイプR(ホンダ)1997年8月~2001年11月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月23日). 2020年1月23日閲覧。
- ^ “シビックタイプR(ホンダ)2001年12月~2005年8月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月23日). 2020年1月23日閲覧。
- ^ a b c d “英国製 新型「シビック TYPE R」プロトタイプを発表”. 本田技研工業 (2001年9月4日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ “シビック TYPE Rをフルモデルチェンジし発売”. 本田技研工業 (2001年10月18日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ “CIVIC TYPE R”. プレスインフォメーション. 本田技研工業 (2001年10月). 2023年9月4日閲覧。
- ^ 「航海の無事を祈る」---新型ホンダ『シビック・タイプR』 - レスポンス(2001年10月23日)
- ^ “シビック TYPE Rをマイナーモデルチェンジし発売”. 本田技研工業 (2004年1月22日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ “シビック タイプR”. 今まで販売したクルマ(中古車カタログ). 本田技研工業 (2005年8月). 2023年9月4日閲覧。
- ^ a b c 祝!CR-Z・GT参戦連動企画!? 「最後のタイプR」ことシビック・タイプRのエンジンがレギュラーガソリン仕様ベースだった理由とは? - cliccar・2012年7月20日
- ^ ホンダ広報発表(2007年5月10日)
- ^ ホンダエキサイティングカップワンメイクレース〜シビックシリーズ〜
- ^ ホンダ広報発表(2008年1月9日)
- ^ MUGEN 東京オートサロン出展概要
- ^ ホンダ「シビック タイプR」8月で生産終了と発表
- ^ MUGEN RR プレスリリース(2007年6月28日)
- ^ “無限 | MUGEN RR | MUGEN RR プレスリリース”. www.mugen-power.com. 2022年2月12日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第90号13ページより。
- ^ Honda Announces the End of Civic Type R Sales Honda European Media Newsroom(英語)
- ^ 2012年9月 社長会見 骨子
- ^ 【ルマン24時間 2015】シビック タイプR 新型がサプライズ公開、公道走行に歓声も - レスポンス 2015年6月19日閲覧。
- ^ ホンダ シビック タイプR 新型、量産FF車でニュル最速に…7分50秒63 - レスポンス 2015年3月12日閲覧
- ^ ホンダ、英で新型『シビック・タイプR』を出荷 - オートスポーツweb 2015年9月5日閲覧
- ^ 『新型「CIVIC TYPE R(シビック タイプアール)」をホームページで先行公開』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2015年9月30日 。2015年10月28日閲覧。
- ^ 『新型「CIVIC TYPE R(シビック タイプアール)」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2015年10月28日 。2015年10月28日閲覧。
- ^ 『日本で今夏発売予定の新型「CIVIC(シビック)」シリーズを東京オートサロン2017で日本初披露』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年1月13日 。
- ^ 『新型「CIVIC」シリーズに関する情報をホームページで先行公開』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年6月23日 。
- ^ 『新型「CIVIC」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2017年7月27日 。
- ^ 『「CIVIC TYPE R」マイナーチェンジモデル発売延期について』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2020年6月25日 。2020年8月6日閲覧。
- ^ 『「CIVIC TYPE R」マイナーチェンジモデル発売時期について』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2020年7月31日 。2020年8月6日閲覧。
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- ^ https://twitter.com/HondaJP/status/1597772220880887808?s=20&t=sDHk8kE3qfSPhIlT6TUPig
- ^ (日本語) 【シビック TYPE R】Prototype 走行映像 2022年1月25日閲覧。
- ^ 交通タイムス社. “新型シビックタイプRが降臨! いまわかる中身と激熱カスタムカーを紹介【東京オートサロン2022】”. WEB CARTOP. 2022年2月27日閲覧。
- ^ 『「東京オートサロン2022」出展概要~STEP WGN・VEZEL e:HEV Modulo X・CIVIC TYPE Rの新型車両を初公開~』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2021年12月24日 。2022年7月14日閲覧。
- ^ 『新型「CIVIC TYPE R」をホームページで先行公開~Honda公式YouTubeではショート動画を公開~』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2022年7月12日 。2022年7月14日閲覧。
- ^ 『新型「CIVIC TYPE R」を世界初公開』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2022年7月21日 。2022年7月21日閲覧。
- ^ 『新型「CIVIC TYPE R」を発売』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、2022年9月1日 。2022年9月1日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/honda_uk/status/1580854789818134528”. Twitter. 2022年10月16日閲覧。
- ^ “【ベトナム】ホンダ、自動車ショーで新型シビック発表へ[車両](NNA ASIA)”. LINE NEWS. 2022年10月21日閲覧。
- ^ 『2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて「CIVIC e:HEV / CIVIC TYPE R」が「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞~国産車として初の受賞~』(プレスリリース)本田技研工業、2022年12月8日 。2022年12月9日閲覧。
- ^ online編集部, Z. U. U. (2022年12月27日). “シビック・タイプRのレースカー「シビック・タイプR TCR」のプロトタイプが公開”. ZUU online. 2023年1月1日閲覧。
- ^ “ホンダ・シビック・タイプRがニュルブルクリンクで7分44秒881を記録。FF最速ラップタイム更新”. autosport web. 2023年4月20日閲覧。
- ^ a b TCRJマシン紹介(2):「とても良くできたレーシングカー」。ホンダ・シビック・タイプR・TCR - オートスポーツ・2019年7月19日
- ^ 「CIVIC TYPE R-GT CONCEPT」を発表,本田技研工業,2023年1月13日
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