ホンダ・シビックタイプR
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モータースポーツ
タイプRの登場以前、シビックは1985年 - 1993年の全日本ツーリングカー選手権(JTC)でFF車の雄として活躍し、1987年以降は最小排気量クラス(Div.1→クラス3)のマニュファクチャラーズタイトル7連覇を達成した。しかしタイプRの登場以降、ホンダはシビックを用いたワークス活動を日本国内ではほとんど行わなくなったため、そのモータースポーツにおける高い評価は、各地のプライベーターの活躍とスポーツ志向の自動車メディアにより作り上げられたものである。
車格が大きくなるにつれ、シビックはアコードに代わり世界各国でFFのツーリングカーレーサーの代表格としてプライベーターに用いられるようになった。
2002年からはイギリスツーリングカー選手権(BTCC)にも投入され、2020年現在までに4度のドライバーズタイトルを獲得している。
世界ツーリングカー選手権(WTCC)でもプライベーターが多用していたが、2013年からはホンダがFK2型シビックでのワークス参戦を開始。イタリアのJASモータースポーツが開発・オペレーションを担当した。初年度はラーダしかライバルがいなかったこともあって、ホンダがマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。その後も2017年のシリーズ終了までTC1規定のシビックで参戦が続けられたが、ドライバーズタイトル獲得には至らなかった。
WTCC終焉と前後して、TCR規定のシビックも登場。開発はWTCC同様JASが担当し、2015年にFK2型ベースのTCR車両が作られたほか、2018年にはFK8型ベースの車両も開発され、同年1月のドバイ24時間レースでデビューした[47]。JASはWTCCの後継シリーズである世界ツーリングカーカップ(WTCR)にもシビックで参戦を継続している。また、2023年にはFL5型ベースの車両も開発している。
日本では2017年よりスーパー耐久・ST-TCRクラスに導入されているほか、2019年よりシリーズがスタートした「TCRジャパンシリーズ」にも参戦している[47]。スーパー耐久では、童夢が走らせるシビックタイプR TCRが2017年・2018年のクラスチャンピオンを獲得、2019年もシリーズ2位に入っている。
2024年からはSUPER GT・GT500クラスに、NSX-GTに代わりFL5型シビックタイプR-GTが参戦する。ベース車両とは異なり、規定によりFRレイアウトとなっているほか[48]、いわゆる「クラス1規定」による共通モノコックを使用する義務があるため、実質的には「モノコックに被せるカウルが変わる」形となる。なお、GT500クラスへの4/5ドアセダン車の参戦は初となる。
注釈
- ^ スマートフォンで撮影したサーキット内でのオンボード映像と走行データを合成させることや、車外での走行データの確認、他のユーザーとのデータ比較などの機能がある。
出典
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- ^ 『「シビック タイプR」と「インテグラ3ドアクーペ タイプR」に装備充実の「タイプR・X」を追加』(プレスリリース)本田技研工業株式会社、1999年12月16日 。
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- ^ 「CIVIC TYPE R-GT CONCEPT」を発表,本田技研工業,2023年1月13日
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