ナッシュビル 文化

ナッシュビル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/26 07:38 UTC 版)

文化

20世紀初頭、ヴァンダービルト大学ジョン・クロウ・ランサムアレン・テイトロバート・ペン・ウォーレンなどが所属した文筆グループであるフュジティヴズ、アグラリアンズで知られていた。

カントリー関連以外での人気のある観光地は植民地時代の住居を再現したナッシュボロ砦英語版、南北戦争の戦場であるフォート・ネグリーテネシー州立博物館アテネパルテノン神殿の原寸大レプリカのパルテノン神殿などである。またテネシー州会議事堂は現在も稼働している全米最古の会議事堂の1つである。アンドリュー・ジャクソンの邸宅ハーミテージは一般公開されている大統領の邸宅で最古のものの1つである。

飲食

ナッシュビルは音楽で最もよく知られているが、名物料理でも有名である。最も人気のある名物料理にはホットチキン、ホットフィッシュ、バーベキュー、メインと3種のサイド・メニューのミート・アンド・スリー英語版がある。ナッシュビルの美食文化は『トラベル+レジャー』誌で第13位にランク付けされた[61]

エンタテイメントおよびパフォーミング・アーツ

ライマン公会堂は「カントリー・ミュージックの母なる教会」

ナッシュビルは様々なジャンルの音楽やエンタテイメントにあふれている。テネシー・パフォーミング・アーツ・センターはパフォーミング・アーツの主要な公演地であり、テネシー・レパートリー・シアター、ナッシュビル・オペラ、ナッシュビル・バレエの本拠地となっているほか、ブロードウエイミュージカルの全米ツアーが上演される。2006年9月、ナッシュヴィル交響楽団の本拠地としてスカマホン・シンフォニー・センターが開設された。

「ナッシュビル」という言葉自体がカントリー・ミュージック業界を表すように、カントリー・ミュージック殿堂博物館ベルコート・シアターライマン公会堂などカントリー・ミュージック関連施設が観光客に人気である。1974年にダウンタウンから14 km (9マイル) 東に移転するまでライマン公会堂から『グランド・オール・オープリー』が生中継されていた。現在『グランド・オール・オープリー』はオープリー・ミルズ隣のグランド・オール・オープリー・ハウスで週に何回か生中継されているが、毎年冬にはライマン公会堂から生中継される。

ダウンタウンには多くのライヴ・ハウスやホンキートンクのバーがあり、このロウワー・ブロードウエイ、2番街、プリンターズ・アレイ英語版は「ディストリクト」と呼ばれる[62][63]

毎年CMAミュージック・フェスティバル (旧ファン・フェア) が行なわれ、何千ものカントリー・ファンがナッシュビルを訪れる。毎年9月にはテネシー・ステート・フェア英語版が行なわれる。

1960年代から1980年代、ナッシュビル・ネットワーク英語版・現RFD-TV英語版から『Hee Haw 』、『Pop! Goes the Country 』などカントリー関連のテレビ番組が全米放送されていた。現在もケーブルテレビのカントリー・ミュージック・テレビジョン、グレート・アメリカン・カントリー英語版が全米に放送されている。1972年から1997年、遊園地オープリーランドUSAが操業されていたが、閉園後撤去されて巨大ショッピング・モールのオープリー・ミルズとなった。

コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック業界も近隣のウィリアムソン郡の影響を受けつつナッシュビルのミュージック・ロウを基盤としている。このジャンルのレコード会社にはEMIクリスチャン・ミュージック・グループ、プロヴィデント・レーベル・グループ、ワード・レコードなどがある。

ミュージック・ロウの16番街および17番街にはコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック以外にも多くのゴスペル関連会社がある。

2007年、リバーフロントの観客席で演奏するカーク・ウェイラム

ジャズの街としては知られていないが、デイヴ・コンヴァース率いるナッシュビル・ジャズ・マシンやその後のジム・ウイリアムソン率いるナッシュビル・ジャズ・オーケストラ、ビリー・アデア率いるエスタブリッシュメントなど多くの素晴らしいジャズ・バンドが存在している。1929年から1945年、ザ・ハーミテージ・ホテルのオーク・バー・アンド・グリル・ルームでフランシス・クレイグ・オーケストラが客を楽しませた。クレイグのオーケストラはローカル・ラジオのWSM-AMのみならず、NBCラジオに12年間出演し続けた。1930年代後期、彼はヒューム・フォグ高等学校とヴァンダービルト大学を卒業した地元出身の新人ダイナ・ショアを紹介した。

マーフリーズボロ近くのラジオ局WMOT-FMはかつてジャズ専門局であったが、現在週末のみジャズを専門に流しており、近年のナッシュビルでのジャズ復興を助け、非営利団体ナッシュビル・ジャズ・ワークショップは北部のジャーマンタウンにある改装した建物内でコンサートや講座を行なっている。フィスク大学もジャズ専門局WFSKを所有している。

舞台公演も盛んで、複数のプロ劇団やローカル・シアターが活動している。ナッシュビル・チルドレンズ・シアター、テネシー・レパートリー・シアター、ナッシュビル・シェイクスピア・フェスティバル、ダンス・シアター・オブ・テネシー、テネシー・ウーメンズ・シアター・プロジェクトなどが主なプロのカンパニーである。ローカル・シアターのサークル・プレイヤーズは60年以上活動を続けている。

観光

音楽の町(Music City)とニックネームが付いている通り、アメリカのカントリー&ウェスタン・ミュージックの本拠地である。多くの観光客が世界最長寿ライヴ番組『グランド・オール・オープリー』のライヴを観に行く。カントリー・ミュージックのファンに人気のカントリー・ミュージック殿堂博物館も目玉の1つである。ゲイロード・オープリーランド・リゾート・アンド・コンベンション・センターやショッピングモールのオープリー・ミルズ、遊覧船のジェネラル・ジャクソン英語版ショウボート乗り場は全て通称ミュージック・ヴァレイにある。

南北戦争史もナッシュビルの観光に重要な出来事の1つである。ベル・ミード・プランテーションカーントンベルモント・マンションなどナッシュビルの戦いや近郊の第二次フランクリンの戦いストーンズリバーの戦いのゆかりの地が随所にある[64]

またフリスト・センター・フォー・ヴィジュアル・アーツチークウッド・ボタニカル・ガーデン・アンド・ミュージアム・オブ・アートテネシー州立博物館ジョニー・キャッシュ博物館、フィスク大学のヴァン・ヴェクトゥン・アンド・アーロン・ダグラス・ギャラリー、ヴァンダービルト大学のファイン・アート・ギャラリーやサラット・ギャラリー、原寸大復元建築パルテノン神殿など、美術館や博物館も豊富である。

毎年行われるイベント

イベント名 時期および場所
ナッシュビル・フィルム・フェスティバル英語版 4月、何百ものインディペンデント映画が上映される。アメリカ南部最大の映画祭の1つである。
ナッシュビル・ファッション・ウィーク 主に3月または4月、地元内外のデザイナーに焦点をあて、市内各地でファッション・ショーを行なう。[65]
カントリー・ミュージック・マラソン英語版 4月、マラソンおよびハーフ・マラソンが開催され、世界中から参加者が集まる。2012年の参加者は約3万人であった。
イロコイ・スティープルチェイス英語版 5月、パーシー・ワーナー・パーク英語版にて競馬障害競走が行なわれる。
CMAミュージック・フェスティバル 6月の4日間に亘るイベントでカントリー・ミュージックのスターたちが集まり、コンサートだけでなくサイン会や交流会のほか様々なイベントが行われる。
ナッシュビル・プライド英語版 6月、パブリック・スクエア・パークにて中部テネシーのLGBTの啓発イベントが行われる。2015年にはおよそ1万5,000人–2万人と、初めて開催されてから最多の参加者を集めた[66]
レット・フリーダム・シング! 7月4日の独立記念日、リバーフロント・パークにて祭、ライヴ、花火が行なわれる[67]
トマト・アート・フェスティバル 8月、イースト・ナッシュビルにてトマト関連のアートのイベントが行われる[68]
アフリカン・ストリート・フェスティバル 9月、テネシー州立大学のキャンパスで行われる[69]
ライヴ・オン・ザ・グリーン・ミュージック・フェスティバル英語版 8月と9月、ローカル・ラジオ局ライトニング100主催でパブリック・スクエア・パークにて無料コンサートが行われる。
テネシー・ステート・フェア 9月の9日間、ステート・フェアグラウンドにて祭、遊園地、ロデオトラクター引き大会などのステート・フェアが行なわれる。
セレブレート・ナッシュビル・カルチュラル・フェスティバル 10月、センテニアル・パークにて、音楽、舞台、飲食物、売店などがある中部テネシー最大の入場無料の国際文化イベント。日本のブースでは浴衣の試着、折り紙、書道、伝統玩具展示などが行なわれる。
ナッシュビル・オクトーバーフェスト 10月、ジャーマンタウンにてドイツのビールや飲食物の売店のある入場無料イベントが行われる。
サザン・フェスティバル・オブ・ブックス 10月、朗読、パネル展示、作者サイン会、書籍販売会などのイベントが行われる。
CMAアワード 11月、ブリヂストン・アリーナにてカントリー・ミュージック最大の授賞式が行われ、全米にテレビ中継される。
ヴェテランズ・デイ・パレード 11月11日11時11分11秒から、ブロードウエイにて1951年からパレードが行われている。第101空挺師団 (ヘリボーン)、テネシー州兵、昨今の退役軍人、軍用航空機上空飛行、タンク、バイク、緊急救援車、マーチング・バンドに焦点をあてている[70]

ニックネーム

様々な視点によりニックネームがつけられている:

  • ミュージック・シティUSA: 1950年、ラジオ局WSM-AMのアナウンサーであるデイヴィッド・コブが使い始めて定着した。現在ナッシュビル観光局により正式に使用されている。ナッシュビルはライヴ放送『グランド・オール・オープリー』の本拠地であり、カントリー・ミュージック殿堂、その他多くのレコード会社がある[71]。語源は1874年にまでさかのぼり、フィスク・ジュビリー・シンガーズの演奏を聴いたイギリスヴィクトリア女王が「この若者たちはきっと音楽の街 (ミュージック・シティ) から来たのでしょう」と語ったことから始まったとされるCITEREFfisk2-12007。
  • 南部のアテネ: 1897年、州制100周年記念万博の機会にパルテノン神殿が原寸大で複製され、また市内にクラシックな建物が多いことからこのニックネームがつけられたCITEREFKreyling19961996。ナッシュビル大学学長フィリップ・リンズリー(英語) (1786-1855) によりこの呼び名が広まったが、最初に名付けたのかどうかは定かではない。
  • プロテスタント・バチカン[72]またはバイブル・ベルトのバックル: 市内に700ヶ所以上の教会[73]、 いくつかの神学校、多くのクリスチャン・ミュージック関連会社、南部バプテスト連盟 (ライフウエイ・クリスチャン・リソースィズ)、ユナイテッド・メソディスト教会 (ユナイテッド・メソディスト・パブリッシング・ハウス)、ナショナル・バプティスト・コンヴェンション (サンデイ・スクール・パブリッシング・ボード)などクリスチャン関連出版社本社がある。またナショナル・バプティスト・コンヴェンション、ナショナル・アソシエーション・オブ・フリー・ウイル・バプティスツ、国際ギデオン協会、ゴスペル・ミュージック・アソシエーション、世界最大聖書出版社トーマス・ネルソンの本部がある[74]
  • キャッシュビル: ナッシュビル出身ヤング・バックのラップのアルバム『Straight Outta Cashville 』がヒットし、若い世代にこのニックネームが広がった[75]
  • リトル・カーディスタン: クルド人が約1万1,000人おり、全米一クルド人の人口が多い[46][76]
  • ナッシュ・ベガスまたはナッシュベガス: ダウンタウンでは毎日ライヴ・ミュージックが演奏され、多くの観光客が訪れることからラスベガスになぞり名付けられた[77]

他にホット・チキンで知られることから[78][79]「ホット・チキンの首都」ともいわれている[80]。毎年ミュージック・シティ・ホット・チキン・フェスティバルが行なわれ、多くのレストランで南部のフライドチキンの辛い版であるホット・チキンを提供している[81]




注釈

  1. ^ Consolidated (連結)はデイヴィッドソン郡の総人口を指し[3]、ナッシュビル・デイヴィッドソン地域の独立都市を除く人口を調整済みで示す[4]
  2. ^ この項のデータはベル・ミードベリー・ヒルなどの独立行政都市を含む。ナッシュビル・デイヴィッドソン地域の独立都市を除く人口は調整済み参照[4]
  3. ^ 人口統計における1960年から1970年の大幅な増加は、1963年のナッシュビルとデイヴィッドソン郡合併による[3][35][36][37]

出典

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